現地レポート・台湾サイクリング事情<1>「GIANT」のお膝元で花開く自転車文化 台北点描

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 自転車王国、台湾を訪れた。“銀輪の巨人”と呼ばれる世界最大の自転車メーカー「GIANT」(ジャイアント)をはじめ、産業がリードする形で発展したアジアの自転車先進国。サイクリングはレジャーとして人々の生活に浸透し、行政は自転車に配慮した交通・都市インフラの構築に積極的だ。台湾最大の都市・台北を中心に、自転車のある風景を紹介する。

街に溶け込む自転車

「YouBike」のポートで=台湾・台北市「YouBike」のポートで=台湾・台北市

 「YouBike」は、イエロー系の明るい車体が特徴のシェアバイク。内装3段ギアの自転車を含むシステムは、台北市とともにジャイアントが率先して築き上げた。30分まで無料で利用できるとあって、市民の足として活用されている。

 2008年の試運用を経て本格導入され、現在、ポートは台北市内69カ所に展開されている。中心街から少し外れた台湾の国鉄の松山駅周辺でも、移動に利用する男性や制服姿の学生を見かけた。今後も、超高層ビル「台北101」といった観光スポット周辺に、ポートを増設していく予定という。

台北市内の「YouBike」ポート台北市内の「YouBike」ポート
「YouBike」の自転車に乗って走る男性「YouBike」の自転車に乗って走る男性
「YouBike」の操作パネル「YouBike」の操作パネル

 利用方法は、事前に電話番号が登録されたICカード乗車券「悠遊カード(ゆうゆうカード、またはEasy Card)」をポートのパネルにタッチするだけ。駐輪スペースの空きや残りの自転車台数といった利用状況は、ウェブサイトで確認することができる。

 松山駅が位置する松山区を歩くと、服飾系の問屋が軒を連ねるアジア的な趣の商店街が広がっている。その店頭には、ミニベロが停めてあるのを多く見かけた。スペースを取らず小回りがきくとあって、台湾でも人気があるそうだ。中には、木や籐でできた子乗せイスをトップチューブに設置したマウンテンバイクも見かけた。

ジャイアントの小径車もよく見かけるジャイアントの小径車もよく見かける
木や籐でできた子乗せイスをトップチューブに設置したマウンテンバイク木や籐でできた子乗せイスをトップチューブに設置したマウンテンバイク

 

自転車で電車に乗る日常

メトロ「MRT」の路線図。“自転車持ち込み不可”のマークがついた駅もあるメトロ「MRT」の路線図。“自転車持ち込み不可”のマークがついた駅もある

 台北市内と近郊に敷かれたメトロ「MRT」へは、乗車賃込みの定額80元で自転車を直接積み込むことができる。通常の乗車券は距離が長くても65元なので、自転車の持ち込み運賃は安くはないが、9つの路線で、持ち込みが許可されていない8つの駅を除き、すべての駅から乗車・下車ができるのは便利だ。

 MRTに実際に乗車してみた。車内は広く、ドアを入ったところに配置された各ポールに自転車2台相当のスペースがある。自転車を持ち込む乗客に対しては、「ポールにしっかりつかまり、自転車から離れないでください」との注意書きが。この日、クリートシューズのまま乗り込んできた男性は、翌日のサイクリングイベントに備えて移動中だと話し、イベントで走る約100kmのコース図を見せてくれた。

メトロ「MRT」には自転車を直接持ち込むことができるメトロ「MRT」には自転車を直接持ち込むことができる
“自転車2台停車可”の案内の横に書かれた注意書き。手前はICコイン“自転車2台停車可”の案内の横に書かれた注意書き。手前はICコイン
特急「自強号」の背もたれには自転車コースの案内も掲載されている特急「自強号」の背もたれには自転車コースの案内も掲載されている

 松山駅から乗車した国鉄の特急「自強号」にも、自転車を積み込むことが可能だった。積み込み専用車両を備えた列車は、日に4本程度運行している。都市部から離れてサイクリングを楽しむ台湾人に人気で、休日には自転車を持ち込んで台湾東部の都市、花蓮を目指す人も多いという。一般車両の背もたれにサイクリングロードのマップがプリントされているなど、自転車レジャーを推奨する様子がうかがえる。

 花蓮は、11月の「台湾サイクリングフェスティバル」の一環として開催されるレース「台湾KOM」のスタート地点。標高0mから3275mの翠峰(Mt.Hehuan)まで一気に駆け上がるとあって、ヒルクライマーにはたまらないイベントとなっている。追ってコース詳細を紹介する。

 

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