バイクインプレッション2013「MERIDA SCULTURA EVO 901」 入門用に仕上げられたコストパフォーマンスの高いフルカーボンロード
MTBでは強豪選手が乗り、今シーズンからはロードのプロチーム「ランプレ−メリダ」へ機材供給をする世界的にメジャーなスポーツバイクブランド。メリダのラインナップには世界チャンピオンが乗るものからエントリーモデルまで、用途に応じた1台が揃っている。試乗する SCULTURA EVO 901は共通フレームで3グレードある中で、最も低価格に抑えた、フルカーボンフレームのエントリーモデルだ。
MERIDA SCULTURA EVO 901(メリダ スクルトゥーラ エヴォ 901)
価格:149,900円(完成車)
サイズ:44、47、50、52、54
カラー:ホワイト/ブラック・スカイブルー
問い合わせ先:ミヤタサイクル http://www.miyatabike.com/merida/
スペック
フレーム:SCULTURA COMP Carbon
フォーク:Full Carbon lite C-S taper
変速機:シマノ・ティアグラ(F)&(R)
ギヤ: FSA・VERO Compact 50×34T、12-28T(10速)
重量:8.9kg(50cm サイズ)



インプレッション BY 松尾修作・米山一輝

バックスレーシング ウィズ 埼玉所属。Jプロツアーに参戦するレーサーで、脚質はオールラウンダー。スイスでのレース活動経験も持つ
松尾 スペックからすると、どのくらいの実力なのか半信半疑で乗りましたが、良い意味で普通でした。坂も、そして下りも思いの外しっかり走りました。
米山 そうなんだよね。変速タッチや足回りなどは置いておくとして、フレーム自体は基本性能が高く、剛性も過不足ない感じで印象は悪くないね。
松尾 ええ、まず価格を見てビックリするんですが、それでも3ピース構造のカーボンモノコックフレームは芯がしっかりしつつ、表面はソフトな印象でコンフォート性能の高さも好印象でした。パーツを丁寧に見ていくと、コストカットしている部分は受けて取れるんですが、値段に納得のいく性能は十分出ていますね。
米山 フラフラする感じもなく、よく安定してるしね。車体重量は軽くないけれど、乗るとそれほど重く感じない。加速やスピードの維持もいいところに収まっているんじゃないかな。
松尾 あと、乗り心地も良かったですね。ロスなく、快適さは持ち合わせているので、そこは結構好きな感じでした。

米山 うん、気持ちよく走ると思う。アップダウン含めて感覚としてはなかなか良い。
松尾 強いて言えば、ダンシングのときにフォークのバランスが気になりました。もう少し安定すると良かったと思います。
米山 なるほどね。価格からすると、このバイクは初めて買うロードバイクとして検討する人が多いのかな。
松尾 そうですね。ロードバイクをここから始めるという人にとってはこの性能であれば楽しめると想います。付属するパーツはシマノのティアグラをメインに、ブレーキやクランク、チェーンなどはその他のブランドをミックスしています。乗り込みつつ、パーツを替えて楽しむのもいいですよ。僕としてはアップグレードするならまずはホイールとタイヤかな。そうすれば速さを競うイベントでも上を目指せるバイクになると思います。

米山 もちろん、このままでも楽しめるけどね。それと、同じフレームでもよりハイスペックなアルテグラ・Di2仕様の
SCULTURA EVO 905−Eと、メカにこだわるならスラムのコンポを搭載した SCULTURA EVO 903というチョイスもいいね。
松尾 ええ、フレームの基本性能は十分なのであとは使用用途に合わせ、気に入ったコンポで手に入れると良いでしょう。
米山 試乗車のスペックなら入門用として良い選択の一つだと思うよ。
TEXT BY 齋藤むつみ / PHOTO BY 和田やずか