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山田美緒の「旅する満点バイク」<12>社会人1年目の夏休みはカリブ海 サルサ音楽を愛するキューバの町々を自転車で駆ける

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キューバ・ハバナにて馬車と並んでキューバ・ハバナにて馬車と並んで

 「企業で働いていると海外自転車旅行なんてできない」――そんなことは考えたこともなく、私は入社して初めて迎えた2006年の夏休みに、キューバ自転車旅行に出かけました。5日間の夏休みと2回の土日を利用した9日間の、社会人1年目の休日です!

 さぁどこへ行こうか、島がいいんじゃないか。そういえばカリブ海は行ったことないなぁ、キューバはどうだろう?…と、即決でした。

スタート地点、キューバ・トリニダードのカラフルな街並みスタート地点、キューバ・トリニダードのカラフルな街並み

 キューバへはカナダで乗り換えが入り、往復するだけで2日かかる行程。残された6日間で観光して走れるのは500kmくらいです。地図を見ながらルートを決め、スケジュールを立てます。空港のある首都ハバナをゴール地点とし、スタート地点まではバスを使って移動することにしました。

 ちょうど550kmほど先にトリニダードという世界遺産にも登録されている街がありました。その間にも適度に街がありそう。これで、旅行計画はできあがりました。

 キューバではスペイン語が公用語になっています。私の行き先はたいてい、英語が主流ではなく、現地の言葉でなければ通じない国であることが多いのですが、そんな時はいつも出発の3カ月くらい前から『1カ月でマスターできる●●語』といった本を使って勉強をします。期間を3倍にしたところでマスターできるわけではないのですが…少なくとも挨拶をしたり、道や宿、食堂を尋ねたり、要望を伝えたりなど最低限のコミュニケーションは取れるようになります。

満点バイクとカリブ海をのぞむ満点バイクとカリブ海をのぞむ

 「Ola!」

 走っていると、道行く人が挨拶をしてくれます。「パッカパッカパッカ、リンリンリン」…聞きなれない音が背後から近づいてきたぞ、と思ったら馬車! あちこちで馬や馬車で移動している人々を見かけました。

 宿は「カサ(casa)」と呼ばれる民宿を選びました。ライセンスを持った家庭が、旅行者へ宿として自宅の設備やサービスを提供していて、キューバ式家庭菜園「オルガノポニコ」で育てた野菜のごはんなど、家庭料理をいただくこともできます。ちょっとしたホームステイ気分が味わえるのでおすすめです。

 道は交通量も少なくとても走りやすかったのですが、地元の人に道を尋ねながら走っていたある日、私の理解が悪かったのか案内が適当だったのか、道に迷ってしまったことがありました。どうやら全然違う方向に走ってしまっていたようです。

満点バイクも大型トラックに乗せる満点バイクも大型トラックに乗せる
赤土のバナナ畑が広がる道をヒッチハイカーを乗せたトラックが走る赤土のバナナ畑が広がる道をヒッチハイカーを乗せたトラックが走る
casaを尋ねたら子連れママが自転車で送ってくれたcasaを尋ねたら子連れママが自転車で送ってくれた

 元のルートに戻るのに、地元の人たちに混ざって大型トラックのヒッチハイクを体験しました。ヒッチハイク先導係(!)みたいなおばさんが道にいて、トラックを止めてくれた上に自転車を担ぎ上げるのをいっしょに手伝ってくれました。何十人もが乗り合うトラックに揺られ、自転車だと数時間かかる道をスイスイ。

 それから印象的だったのは、キューバ人はサルサが大好きだということ。夕食の後、突然サルサ教室がはじまったり、夜、部屋で日記を書いていたら「踊りに行かないの? どこか具合が悪いの? 大丈夫!?」と心配されたり(笑)

キューバ人はサルサが大好き! 民家に次々と人が集まってくるキューバ人はサルサが大好き! 民家に次々と人が集まってくる

 街を歩いていた時、民家から大音量の音楽が聞こえてきたので覗いてみると、キーボードと歌の生演奏に集まった近所の人たちが踊っていました。「おいでよ!」と誘われるままに飛び入り参加し、狭い部屋にギュウギュウになって大盛り上がり。帰国して会社に戻ってからも、サルサの音楽がしばらく頭から離れませんでした。

文・イラスト 山田美緒

山田美緒山田美緒(やまだ・みお)
大阪府生まれ。サイクリストとして世界中を旅してきたほか、一般社団法人コグウェイを設立し、「四国ディスカバリーライド」などを主催。著書に、アフリカ大陸縦断記をまとめた『マンゴーと丸坊主』、女性サイクリストたちとの旅や交流の体験記『満点バイク』がある。ブログURL(http://mantem.exblog.jp/)

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