チャリガールMOCOのガールズトーク<12>思えば遠くへ来たもんだ! 世界最古の自転車イベントへ繋がるひと漕ぎがここにある

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 皆さんがスポーツサイクルに乗り始めた頃って、どんな付き合い方をしていたのでしょうか?

 私が自転車を始めた5年前は、週末の英会話レッスンに通う道だけがロードバイクの出番でした。二子新地から恵比寿まで片道13Km、およそ40分だけのお付き合い。それでも、英会話の先生や周りの生徒さんに驚かれたのを覚えています。息を弾ませ、13kmも自転車で走って教室に通う自分の事が、ちょっぴり誇らしい気持ちにもなったものでした。「私って、自転車で都内を颯爽と駆け回るのが趣味なのよ。なんだか都会的でお洒落な感じでしょ!?」っという具合にね。

300Kmに挑戦だ!300Kmに挑戦だ!

 でも半年も経てば、次第に距離を伸ばしてみようという気になり、「週末は、お台場まで行こう」「今度は、横浜の中華街にゴマ団子を食べに行ってみよう」「次は、小田原城を眺めに走っちゃうぞ~」っと張り切ったものです。もちろん、当時はルートを示してくれるような最新ガジェットは持ち合わせず。少しずつ行動範囲を広げ、道を覚えていく子猫の様に、迷っては戻り、疲れては引き返す、そんな事を繰り返しながらの自転車旅。

 「もうちょっと先まで走ったら、どんな景色が待っているのかな。あと2Km頑張れば、最長距離を更新できるぞ」

 カレンダーに書き込まれる記録が、いつの間にか3桁になっていった。こうして、徐々に長距離を走る醍醐味が体の中に沁みわたっていく。仲間も増え、人それぞれの色んな自転車の楽しみ方を教えてもらうようになりました。

・厳しいトレーニングを重ねるレース思考の人
・グルメを中心に近場のポタリングを楽しむ人
・気楽に1人で走ることがメインの人
・みんなでワイワイ遠出をするのが好きな人  などなど…

 もちろん、自転車の楽しみ方に決まりも正解もない。それぞれ自分の目標を定め、自転車との付き合いを楽しんでいます。

ブルべに参加される方に、アドバイスをお聞きするブルべに参加される方に、アドバイスをお聞きする
みんなでワイワイ遠出するのも、賑やかで楽しいみんなでワイワイ遠出するのも、賑やかで楽しい

 ただ、あるとき出会った一人の男性から聞いた言葉が、私の胸に強烈に突き刺さって離れなくなりました。

『去年、PBPを完走した時には、さすがにお尻の皮が剥けて大変な思いをしたよ』

 PBP? なんじゃそれ?

 PBPとは、フランスのパリ~ブレスト間を往復する、世界最古の自転車イベント。「パリ・ブレスト・パリ」と言って、ロングライドイベント「ブルべ」の最高峰とされています。ツール・ド・フランスよりも歴史は古く、何とその総走行距離は1200km。制限時間内の90時間以内に走るというのがレギュレーションです。

自転車とどこまでも! ほんとに自由な乗り物だね 自転車とどこまでも! ほんとに自由な乗り物だね<br />

 これを初めて耳にした私は、もはや意味が分からなかった。想像すら出来なかった。参加者はこの過酷な1200Kmという道のりを、時には野宿し、時には腹痛と闘いながら、嵐の中、強風の中、ただひたすらに、自転車と一緒にパリからブレスト、そしてまたパリのゴール目指して戻ってくるというのです。

 ロングライドにもほどがあるっ!! しかし、それを話す男性は、なんだかとても嬉しそう。

 私の知らない自転車の世界が、ここにある…。想像しようとしただけで、頭痛が襲ってきそうな程の超絶ロングライドなのに、何故こんなにも生き生きとした表情で語ってくれるのだろう。そこには何があるのかな? お尻の皮が剥けちゃうほどなのに…。

300Kmの道のりは、日が落ちてもまだまだ続きます300Kmの道のりは、日が落ちてもまだまだ続きます
無事完走して証明書を発行してもらいました無事完走して証明書を発行してもらいました

 私のワクワクセンサーが働き出しました。知らない世界を、この足で感じてみたい。自転車という相棒と一緒に、どこまでも走ってみたい!

 周りに色々聞いてみたら、日本でも、このブルべは開催されているそうで、なんと、私の故郷・静岡県が発祥だというのです。妙な親近感を覚え、私が走れそうなブルべを調べてみました。

 これまで、東京から実家の静岡県掛川市までの230Kmを、仲間と一緒に走った事はありました。ならば、初めてでも300Kmに挑戦してみよう! 軽い気持ちで、たまたま実家の近くで開催される300Kmのブルべを見つけてエントリー。

 300Kmといえば、太平洋側の東京を出発して、日本海側の上越にまで到達するほどの距離。クルマだって遠慮したいくらいだ。エントリーはしたものの、未知なる不安が押し寄せてきます。それでも私を突き動かしているのは『知らない世界を体験してみたい』という、強い好奇心だけでした。

 果たして、結果は…なんとか無事に完走する事が出来ました!

無事にゴールしたら、やっぱりこのポーズ!無事にゴールしたら、やっぱりこのポーズ!
グルメライドの帰りは、輪行が楽チンですグルメライドの帰りは、輪行が楽チンです

 そして、300Kmというスーパーロングライドイベントを走りぬいた私は、今、またこうして、次に開催される300Kmブルべの準備に勤しんでいます。そう、ブルべの魅力に引き込まれつつあるのです。

 もっと知りたい。もっと走りたい。もっと自由に自転車と旅をしたい。一人旅ではなく、同じ夢と好奇心を持ち合わせた方々と、どこまでも続くアドベンチャーへ!

 最初はほんの10Kmから始まった自転車ライフ。気がつけば、夢中で300Km走っていました。いつか私も【PBP】という壮大なアドベンチャーに挑戦できる時が来るといいな!

ロングライド・ブルべ専門誌「ランドヌール」<写真提供:ランドヌール>

 ※300kmブルべに挑戦した模様は、自転車専門ムック誌「ランドヌール」Vol.3(グラフィック社、1800円+税)に掲載されています。

MOCOチャリガールMOCO
本名:笹本智子。レーサーとして竹芝サイクルレーシングチームに在籍。実業団から市民レースまで様々なレースに参戦している。チャリガールイベントを企画・開催し、自転車を取り巻くすべての人達の「楽しい」「嬉しい」「面白い」を作っている。1980年生まれ。静岡県出身。公式ブログ:http://moco-sasamoto.jugem.jp

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