エウスカルテルチーム インサイドリポート<4>チームの結束力が試されるとき

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 第6ステージで2選手が棄権した悪夢の翌々日、チームは設立以来の危機を迎えることとなった。負傷していたゴルカ・ベルドゥゴが第8ステージ途中で棄権。さらに、エースのサムエル・サンチェスが落車し、左肩甲骨と右手の甲を骨折。これで、あわせて4選手がリタイアした。

 「今年のツールはなんて不幸なのだろう」。口々にそうつぶやくスタッフたち。どれだけ天を仰いでも、彼らがいくら前向きな気持ちの持ち主であるとしても、現実を受け止めるのが精一杯。エースのサンチェスはチームを離れる際、「いままで、支えてくれてありがとう」とスタッフに労いの言葉をかけたものの、『最後まで一緒に戦いたかった』『どうしても1勝したかった』-両者のそんな気持ちが寂しげな表情として現れていた。

力を振り絞ってチームに貢献するゴルカ・イサギレ力を振り絞ってチームに貢献するゴルカ・イサギレ

 当初の目標を失ってしまったチーム。そんななか、レース監督のゴルカ・ゲリカゴイティアは、残された戦力を冷静に分析し、淡々とチームオーダーを繰り出した。第10ステージではエゴイ・マルティネスを区間7位に導き、チームの士気を高めた。

第10ステージで区間7位に入った、エエゴイ・マルティネス第10ステージで区間7位に入った、エゴイ・マルティネス
「つぎは右コーナー」「その次はバンプ」無線を使い冷静に指示を出すレース監督「つぎは右コーナー」「その次はバンプ」無線を使い冷静に指示を出すレース監督

 ツールは残り半分。金星を狙い、チームはいま一度ひとつになろうとしている。

写真・文 和田やずか
 

和田やずか和田やずか(わだ・やずか)
1997年よりフリーランスで写真を撮り始め、一般誌や広告などのほか、自転車関係の写真を多く手がける。ツール・ド・フランス出場のプロチーム「エウスカルテル・エウスカディ」(スペイン)に帯同するのは今年で5回目で、チームメイトから呼ばれるニックネームは「フレッチャ」。レース以外に選手が見せる表情や舞台裏などを写す。

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エウスカルテルチーム インサイドリポート ツール・ド・フランス2012

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