全日本選手権 個人タイムトライアル・ロードレース大会大場と與那嶺が全日本TT初制覇 男女ともに新王者誕生

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 2013年の全日本個人タイムトライアル・ロードレースが6月9日、秋田県の大潟村ソーラー・スポーツセンターで行なわれ、各カテゴリーで日本最速の座が決定した。エリート男子はの大場政登志(Cプロジェクト)が、女子は與那嶺恵理(チームフォルツァ!)が優勝し、男女ともに新チャンピオンの誕生となった。

陽炎が立ち上る直線コースを疾走する大場政登志(Cプロジェクト)陽炎が立ち上る直線コースを疾走する大場政登志(Cプロジェクト)

 日本最大の干拓地である大潟村にある同会場は、主にソーラーカーなどの大会が開催される、オールフラットのコース。途中S字のコーナーが数カ所設けられているものの、気が遠くなるような直線が続く。また周りに風を遮るものがなく、例年選手たちを強風が苦しめている。

 レース当日は、肌寒さの残る曇天模様。風もほぼなくタイムを縮めようとする選手たちにとっては好条件の天候となった。30kmで争われるU23クラスで、山本元喜(鹿屋体育大学)が大会記録となる38分35秒829で優勝するなど、好タイムが続出していく。

 こうした中、今シーズンから海外チームに移籍した昨年の男女全日本チャンピオン2人の走りに注目が集まった。エリート女子に出場する萩原麻由子(Wiggle Honda)と、エリート男子の西薗良太(チャンピオンシステム)だ。

淡々とハイペースを刻む與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!)淡々とハイペースを刻む與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!)

 5月にベルギーで移籍後初勝利を果たした萩原は、全日本タイトルを守りに日本に帰ってきた。海外で活動するためにも、自身が持つ「タイムトライアル」と「ロードレース」の全日本タイトルは決して失いたくないタイトルだ。

 しかし彼女の前に、昨年の全日本選手権ロードで最後の最後まで死闘を演じた與那嶺恵理(チームフォルツァ!)が立ちはだかった。「タイムは見ずに、パワー出力の表示だけ見て走った」と語る與那嶺は、萩原に29秒もの差をつけて勝利。自転車競技歴、わずか2年。驚異の成長を続ける22歳が早くも日本の頂点に立った。

 與那嶺はレース後、「優勝は、フォルツァ!の社長やスタッフ、家族のお陰です。日本ではなく、世界で評価される選手になりたい。今年の世界選手権で結果を残して、世界で活躍できる環境を手にしていきたいです」と語った。

女子エリートの上位3人。左から2位の萩原、優勝の與那嶺、3位の上野女子エリートの上位3人。左から2位の萩原、優勝の與那嶺、3位の上野

 そして、もう一つの注目、男子エリート。萩原同様、昨年の覇者、西薗良太も今シーズンから中国籍のプロコンチネンタルチーム、チャンピオンシステムに移籍を果たした。「全日本タイトルを手にしたことで、海外で走る意識が変わった」という西薗は、今シーズン日本チャンピオンとして恥じないレースをすることを心に刻み、海外を拠点に成長をとげてきた。

 5月のツアー・オブ・ジャパンでも日本人最高位の総合6位。ツール・ド・熊野では落車でリタイアしたものの好調を維持し、「全日本タイムトライアルとロードレースの2冠」を目標に、高いモチベーションでレースに挑むこととなった。

 しかし、レースは思わぬ結果を迎えることとなった。「前半のペースを抑え過ぎた」という西薗は、昨年のタイムから2分以上タイムを落としてゴール。そんな西薗のタイムをわずか1秒上回り、優勝を果たしたのは、Cプロジェクトの大場政登志だった。

 昨年までベルギーを拠点とする若手育成チーム、チームユーラシアに所属。今シーズンからCプロジェクトに移籍し、国内に拠点を移した大場だったが、ここまで思うような結果が出すことができないでいた。そうした中、シーズンはじめからターゲットにしていた「全日本タイムトライアルのタイトル」にしっかりと照準を合わせてきた。

男子の上位6人表彰。後列中央がチャンピオンジャージを着る大場男子エリートの上位6人表彰。後列中央がチャンピオンジャージを着る大場

 勝因を「負けたくないという気持ち」と語る通り、得意のタイムトライアルで、気持ちを全面に出し、誰よりも速くゴールを駆け抜けた。大場にとってプロ初勝利が全日本選手権という大金星。優勝が決まった瞬間溢れだした涙が、ここまでの苦労を物語っていた。

 一方敗れた西薗は、2週間後に控える全日本選手権でのリベンジを誓う。「これでモチベーションがより高くなりました。次はしっかりと狙いに行きます」とレース後にコメントした。

 全日本選手権ロードレースは6月23日。大分県、平成森林公園周辺の特設コースで行われる。

(写真・文 シクロチャンネル

男子エリート結果(42km)
1 大場政登志(Cプロジェクト) 55分19秒463(45.54km/h)
2 西薗良太(チャンピオンシステム) +1秒26
3 窪木一茂(和歌山県教育委員会) +24秒84
4 武井亨介(チーム・フォルツァ!) +44秒04
5 豊田勉(豊田業務店) +1分00秒87
6 安井雅彦(シマノレーシング) +1分07秒96

女子エリート結果(21km)
1 與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!) 28分57秒581(43.50km/h)
2 萩原麻由子(Wiggle Honda) +29秒82
3 上野みなみ(鹿屋体育大学) +1分37秒

男子ジュニア結果(21km)
1 岡篤志(Cプロジェクト) 27分57秒661(45.06km/h)
2 樋口峻明(横浜高校) +24秒20
3 山本大喜(榛生昇陽高校) +28秒44

男子U17結果(15km)
1 石上優大(横浜高校) 20分41秒298(43.50km/h)
2 安田開(北桑田高校) +10秒54
3 川田竜也(浦和工業高校) +2分31秒56

男子U23結果(30km)
1 山本元喜(鹿屋体育大学) 38分35秒829(46.63km)
2 橋本英也(鹿屋体育大学) +1分05秒98
3 倉林巧和(日本体育大学) +1分16秒04

女子ジュニア結果(15km)
1 坂口聖香(パナソニックレディース) 22分50秒252(39.40km/h)
2 伊藤杏菜(Ready Go JAPAN) +45秒23
3 元砂七夕美(榛生昇陽高校) +51秒77

女子U17結果(15km)
1 坂口楓華(パナソニックレディース) 23分23秒134(38.48km/h)
2 寺田有希(Ready Go JAPAN) +2分51秒50

自転車の映像専門サイト「シクロチャンネル」

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