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つれづれイタリア~ノ<3>美しいトスカーナ州・世界遺産を走ろう! ぶらっとサイクリング―フィレンツェ編

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 舞台は、美しきトスカーナ州です。私自身は、水の都ヴェネツィアのあるヴェネト州出身ですが、やはりトスカーナは美しいなぁといつも感じます。

 トスカーナ州には美しい田園風景のほか、フィレンツェ、ピーザ、ルッカ、シエーナ、サン・ジミニャーノといった都市があり、イタリアが誇る世界遺産の宝庫です。

自転車のグラディエーターたちが愛するトスカーナ

天を見据えるダビデ像(フィレンツェ中心部シニョリーア広場のレプリカ)天を見据えるダビデ像(フィレンツェ中心部シニョリーア広場のレプリカ)

 トスカーナの男はとにかく熱く、荒ぶれています。まるで街にたたずむダビデ像のような猛々しさです。

 14世紀から“花の都”フィレンツェで続く「カルチョ・ストーリコ」は、まさにそれを体現したかのようなイベント。古代ローマのグラディエーターの戦いと思わせるほどの激しさで、上半身裸姿のマッチョな男たちがボールを巡って熱いバトルを繰り広げます。“伝統的なサッカー”とされていますが、サッカーというよりラグビーに近い球技で、地域別に分けられた4チームが参戦します。所属の地区の誇りをかけた戦いは、ある程度の乱闘なら問題なしとされ、見ている観客も熱くなります。18世紀の貴婦人たちには、さぞかし刺激的だったことでしょうね!(どんなイベントか気になった人は、こちらの公式サイトをご覧ください)

両手をあげてゴールするマリオ・チポッリーニ(2002年ミラノ・サンレモ)両手をあげてゴールするマリオ・チポッリーニ(2002年ミラノ・サンレモ)

 そして、多くの自転車競技界の“グラディエーター”たちも、この地に集まっています。トスカーナ出身の「ライオンキング」こと、マリオ・チポッリーニがいい例ですね。女性ファンが多く、ジロ中にホテルの前で待ち構える女性ファンが絶えなかったとチームメートが証言しています。

 イタリア自転車競技代表監督、パオロ・ベッティーニもトスカーナ出身。さらにトスカーナに魅了されてこの地に拠点を置く、イタリア国外から集まった選手もたくさんいます。日本の宮澤崇史(チーム サクソ・ティンコフ)をはじめ、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)やテイラー・フィニー(アメリカ、BMC レーシングチーム)など、世界的に知られている選手たちがトスカーナに集中しています。

 トスカーナは、イタリアの他の州と比べて気候が暖かく、冬でも雨が少ないのが特徴です。山もあれば平坦な道もあり、トレーニングコースも豊富にあるのが自転車選手には魅力ですね。

トスカーナ州に拠点を置く宮澤崇史(2011年)トスカーナ州に拠点を置く宮澤崇史(2011年)

英国セレブリティの別荘地

トスカーナ州の町々を走るプロトン(2013年ジロ・デ・イタリア)トスカーナ州の町々を走るプロトン(2013年ジロ・デ・イタリア)

 自転車選手だけでなく、別荘を所有するなどしてバケーションを楽しむセレブリティも多くいます。特にイギリス人に“トスカーナ好き”が多く、トニー・ブレア(イギリス元首相)、スティング(歌手)、ラッセル・クロウ(俳優)といった面々がトスカーナに別荘を持っています。

 これには、18世紀にイギリス帝国の勢力拡大と産業革命がもたらした莫大な富に伴って、イギリス人たちがバカンスの存在に気づき始めたという、歴史的・文化的な背景があります。ルネッサンス発祥の地であるトスカーナには、優れた芸術はもちろん、おいしいワインと料理、温暖な気候、美しい景色…彼らが憧れているすべての要素がそろっていました。

 またそうして訪れた多くの女性たちは、感情をあまり表に出さない主人が仕事で忙しく留守にしている間、熱い男たちのいるトスカーナの“虜”になったようです。『眺めのいい部屋』『ムッソリーニとお茶を』といった映画からも見てとることができます。

世界遺産フィレンツェを走ろう! 特選モデルコース

美しい“花の都”フィレンツェ美しい“花の都”フィレンツェ

 今年の「UCIロード世界選手権」は、9月29日にフィレンツェで開催されます。私も日本のサイクリストのみなさんと見に行く予定です。

 フィレンツェへ行ったら、ぜひとも自転車を活用してください。平坦な道はほとんどないですが、だからこそ、発見することができるフィレンツェの本当の美しさがあります。みなさんには、とっておきのモデルコースを2つ紹介したいと思います。

1)初心者コース: ピアッツァーレ・ミケランジェロ広場

 ピアッツァーレ・ミケランジェロ広場は知るぞ知る定番の観光スポット。ここからフィレンツェが一望できます。フィレンツェ大聖堂、ポンテ・ヴェッキオ、アルノ川が広がる景色は、見事です。おすすめは夕方の時間帯。サンタマリアのヴェッラ駅を出てアルノ川を越えたら、ひたすら上ります。

2)中級者コース: フィエーゾレ

 サンタ・マリアノヴェッラ駅を北上すると、今年の世界選手権のコースにもなっているフィエーゾレに向かう道があります(サンドメーニコ通り)。

 フィレンツェが見下ろせる丘の上にあるので、息をのむほどの絶景を楽しめますよ。丘のふもとにはオリーブ畑が広がっているので、少し贅沢をしたい場合は高級なオリーブオイルをおみやげに買うこともできます。

 フィエーゾレについたら、ぜひキャンティとイノシシのサラミを楽しんでください! イタリア語でのオーダーの仕方は「きょうの自転車イタリア語」で見られます。

 次回もイタリアを旅します。

マルコ・ファヴァロMarco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)
イタリア語講師。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会で、自転車にまつわるイタリア語講座「In Bici」(インビーチ)を担当する。サイクルジャージブランド「カペルミュール」のモデルや、Jスポーツへ「ジロ・デ・イタリア」の情報提供なども行なう。東京都在住。ブログ「チクリスタ・イン・ジャッポーネ

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