ツール・ド・熊野 2013 第3(最終)ステージポッゾが制しヴィーニファンティーニが再び1・2 総合はアレドンドが初優勝

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 ツール・ド・熊野は6月2日、最終第3ステージが古式捕鯨発祥の地である和歌山県の太地町で開催され、プロローグで優勝したマッティア・ポッゾと第1ステージ優勝したミケーレ・メルローのヴィーニファンティーニ・セッレイタリアが1・2フィニッシュとなった。個人総合優勝はジュリアン・アレドンド(コロンビア、チームNIPPO・デローザ)が守った。

右端のマッティア・ポッゾ(ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)がステージ優勝(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)右端のマッティア・ポッゾ(ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)がステージ優勝(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)
スタート前、各賞ジャージ(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)スタート前、各賞ジャージ(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)

 118人で始まった今年のツール・ド・熊野は、第2ステージを終えた時点で29人がすでにリタイア。また第2ステージでの落車により阿部‎嵩之(チーム右京)が出走を取りやめ、88人が第3ステージのスタートラインに並んだ。

 コースは太地半島の10kmの周回を10周する、距離100kmのロードレース。標高差自体は大きくないが起伏に富み、山岳賞も設定される。

 昨年より従来のコースに加え、上り入口前に太地港を小さく正方形に回る“寄り道”が加わり、集団内での位置取りがより重要となった。集団の後方が太地港を出る頃には、集団先頭は上りの中腹まで上がって加速されている。前方で走っていないと体力を削り取られるコース設定で、クリテリウム要素もあるロードレースだ。

 ツール・ド・熊野の各賞のリーダージャージを作製しているチャンピオンシステムジャパンの棈木社長のスターターによる号砲で最終ステージがスタート。

 最初から逃げる作戦はどこのチームも同じで、スタート後から早速アタック合戦が始まった。ハイペースで進む中、意外にも1周目でエスケープが決まった。マート・オハベー(エストニア、チャンピオンシステム プロサイクリングチーム)、エリック・シェパード(オーストラリア、OCBCシンガポール・コンチネンタルサイクリングチーム)、安原大貴(マトリックスパワータグ)の3人が協力してエスケープを始める。

総合首位のアレドンドを擁するチームNIPPO・デローザがコントロール(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)総合首位のアレドンドを擁するチームNIPPO・デローザがコントロール(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)
梶取崎灯台をバックにアップダウンゾーンを走る集団(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)梶取崎灯台をバックにアップダウンゾーンを走る集団(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)

 集団はヴィーニファンティーニとチームNIPPO・デローザの支配でエスケープグループとの差を調整している中、集団内で落車や機材トラブルが頻発。下り坂での落車や、道路幅が狭いことや対面通行でのトラブルは、集団中盤から後方で発生していた。

 途中からNIPPOに加えて、日本を代表するスプリンター西谷泰治を擁する愛三工業も集団コントロールに加わり、エスケープ集団とメーン集団は最大1分20秒差までにキープされる。

 後半8周目になり、ヴィーニファンティーニが集団を牽引を開始。一気にペースが上がり、集団からポロポロと選手が遅れだした。

最終周回、ヴィーニファンティーニがコントロール(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)最終周回、ヴィーニファンティーニがコントロール(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)

 ラスト1周でエスケープグループは捕まり、45人での集団は1つのままゴールスプリントに流れこみ、ヴィーニファンティーニのスプリンターによる1・2フィニッシュで2013ツール・ド・熊野が終わった。日本人ステージ最高位は平井栄一(ブリヂストンアンカー)の4位だった。

 個人総合成績では、第2ステージでリーダージャージを獲得したアレドンドが首位の座を守り切り、日本でのステージレースでは初の総合優勝となった。日本人は土井雪広(チーム右京)の5位が最高で、これが今大会を通じて唯一のUCIポイント獲得だった。

 NIPPO・デローザは個人総合1・2・4位と山岳賞1・2位と団体総合を獲得する圧倒的な支配であった。イタリアプロコンチネンタルチームのヴィーニファンティーニに対しても、力勝負で打ち負かす真っ向勝負で制する強さだ。チームとして抜け出している力であり、成績だけで見ると外国人選手が抜き出しているように思えるが、最後の勝負所までのレースを作っている福島晋一、内間康平、中根英登の日本人3選手の実力も相当に高い。大門監督が進めている日本の“チーム”によるツールドフランスやグランツール出場は現実味を帯びてきている。

個人総合表彰。左から3位のアール、優勝のアレドンド、2位のバリアーニ(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)個人総合表彰。左から3位のアール、優勝のアレドンド、2位のバリアーニ(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)
チーム総合表彰(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)チーム総合表彰(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)

 4日間の熱い闘いが終わった。最終的には海外勢の強さが際立った内容であったが、世界との差を感じ、日本の若い選手は何が足りないかを感じ考え、次のステップを超えるキッカケになればと感じられた。

 ツール・ド・熊野は公道レースで、地元地域の協力が有ってこその大会である。年々大会は大きくなっており、今回は地元企業のキナンAACAが特別参加となった。スポーツが地域に根付く事で、チームが生まれ地域によって成長し、またチームが地域に貢献する相乗効果が生まれていくことが、非常に重要となっていくだろう。

(文 内山靖樹)

第3ステージ結果
1 マッティア・ポッゾ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) 2時間28分41秒
2 ミケーレ・メルロー(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) +0秒
3 シモーネ・カンパニャーロ(イタリア、チームNIPPO・デローザ)
4 平井栄一(ブリヂストンアンカー)
5 アンソニー・ジャコッポ(オーストラリア、、ヒューオンサーモン・ジェネシスウェルスアドヴァイザーズ)
6 ジャン・チャンジェ(韓国、チャンピオンシステム プロサイクリングチーム)

個人総合時間順位
1 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、チームNIPPO・デローザ) 7時間38分38秒
2 フォルツナート・バリアーニ(イタリア、チームNIPPO・デローザ) +5秒
3 ネイサン・アール(オーストラリア、ヒューオンサーモン・ジェネシスウェルスアドヴァイザーズ) +24秒
4 シモーネ・カンパニャーロ(イタリア、チームNIPPO・デローザ) +25秒
5 土井雪広(チーム右京) +34秒
6 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー) +34秒

個人総合ポイント賞
2 マッティア・ポッゾ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) 55pts
1 ミケーレ・メルロー(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) 53pts
3 シモーネ・カンパニャーロ(イタリア、チームNIPPO・デローザ) 44pts

個人総合山岳賞
1 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、チームNIPPO・デローザ) 17pts
2 フォルツナート・バリアーニ(イタリア、チームNIPPO・デローザ) 12pts
3 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、チーム右京) 5pts

新人賞
1 エリック・シェパード(オーストラリア、OCBCシンガポール・コンチネンタルサイクリングチーム) 7時間44分16秒

チーム総合
1 チームNIPPO・デローザ 22時間56分40秒
2 ブリヂストンアンカー サイクリングチーム +5分04秒
3 チーム右京 +6分32秒

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