ツール・ド・熊野 2013 第1ステージメルローが集団スプリントを制してリーダージャージも獲得 ヴィーニファンティーニが1・2フィニッシュ

  • 一覧

 ツール・ド・熊野は2日目、いよいよ本格的なロードレースの始まりとなる第1ステージが、和歌山県新宮市の赤木川清流コースで5月30日に開催された。レースはミケーレ・メルロー(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)が集団スプリントを制して優勝し、イエローの総合リーダージャージも同時に手に入れた。

新宮市の市街地からのパレードスタート(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)新宮市の市街地からのパレードスタート(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)

 レースはまず新宮駅前をパレードスタート。プロローグを制してリーダージャージを着用しているマッティア・ポッゾ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)を先頭に、地元地域の方々の声援の中、熊野川沿いを上流まで18kmのパレード走行を行った。

 熊野川町さつき温泉前から、1周15.8kmの周回コースを7周回する、合計110.6kmのロードレースが正式スタート。熊野川の支流である、赤木川沿いのコースだ。

 朝は涼しかったものの、正式スタートの11時45分には26℃まで上昇。コースの標高差は25mと少ないが、スピードコースで川沿いに曲がりくねりながら細い道でのアップダウンがあり、集団の前方と後方ではスタミナの消耗が違ってくる。

 スタート直後から各チームの選手によるアタックが頻発。1周目は井上和郎(ブリヂストンアンカー)が単独アタックし、一時は20秒まで差が広がるものの、活性化している集団にまもなく吸収。コース終盤にある約200m程度の10%を超える坂の手前から、カウンターアタックとして阿部嵩之(チーム右京)が飛び出した。

 2周目には阿部とチームメートの、現在日本チャンピオンジャージを着用する土井雪広と、タン・ワンイップ(香港、チャンピオンシステム)、入部正太朗(シマノレーシングチーム)の3人が集団を飛び出して阿部に合流。合計4人のエスケープグループになった。

 リーダージャージを擁するヴィーニファンティーニがメーン集団のコントロールを始めると、4人のエスケープと集団はあっという間に差が広がり1分以上の差に。集団のペースは落ち着き、最大2分10秒まで広がるものの、それ以上の差にはさせることはない。

 3周目に入った直後、宇都宮ブリッツェンのエースである飯野智行が、落ちていたボトルを避け切れずに落車するアクシデントが発生。前輪が壊れて走行不能となり、集団後方を走るチームのサポートカーから交換ホイールを受け取って再スタートした。ちょうど集団も落ち着いている状況だったのは不幸中の幸いで、約1周を使って集団に復帰した。

入り組んだコース折り返し付近を走るメーン集団。ヴィーニファンティーニに加えNIPPOが先頭を占める(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)入り組んだコース折り返し付近を走るメーン集団。ヴィーニファンティーニに加えNIPPOが先頭を占める(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)

 レース中盤の4周目からチームNIPPO・デローザがコントロールに加わると、メーン集団のペースが上がり始めた。最大2分以上あったタイム差が、瞬く間に縮まっていく。集団の後ろを走るチームカーの速度計は、平坦で時速55〜60kmを継続している。5周目に逃げは吸収され、レースは振り出しに戻った。

 そのままNIPPO・デローザの内間康平が集団をさらにペースアップ。これに耐えかねた選手が離されて、大きくは4つの集団に分かれる。一時は先頭グループにNIPPOとヴィーニファンティーニとシマノレーシングが固まり、国内で平坦コースが得意なブリヂストンアンカーや愛三工業の多くの選手が第2集団に取り残される場面もあった。

 レースも後半に差し掛かって風が時折強く吹く中、最終ラップでようやく第2集団が第1集団に追いつき、50人強の集団になった。集団内では各チームがスプリンターに良い位置を確保するためにエースを牽引しながら、静かな赤木川清流を横にそれぞれのチームの列車対決が繰り広げられる。

 ゴールスプリント争いは、最終コーナーに集団前方付近で接触しての落車が発生する中、昨日プロローグで優勝したポッゾに発射されたメルローが優勝。ポッゾもそのまま2位に入り、ヴィーニファンティーニがプロコンチネンタルチームの実力を見せ付けて1位、2位フィニッシュを飾った。

ミケーレ・メルロー(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)が集団スプリントを制して優勝(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)ミケーレ・メルロー(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)が集団スプリントを制して優勝(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)
ステージの上位3人。左より3位のジャン、優勝のメルロー、2位のポッゾ(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)ステージの上位3人。左より3位のジャン、優勝のメルロー、2位のポッゾ(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)
ステージ優勝のメルローが総合首位のイエロージャージも獲得した(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)ステージ優勝のメルローが総合首位のイエロージャージも獲得した(ツール・ド・熊野 実行委員会提供)

 メルローはボーナスタイムを得て、総合リーダージャージも獲得。日本人最高位は畑中勇介(シマノレーシングチーム)が6位。7位には中島康晴(愛三工業レーシング)が入った。

 海外で活動している選手が活躍している中、日本のクラブチームのほとんどは、チームの半分の選手が、ここ第1ステージで早くもリタイアを余儀なくされた。昨今のスポーツ自転車ブームで、日本最高峰のJプロツアーを擁するJBCF(全日本自転車競技連盟)の登録者が増えているものの、スピードの経験とレース勘や環境。上げればキリがないが、日本のクラブチームはまだまだ改善点がある事は明らかだ。

 第2ステージは本格的な熊野山岳コース109.3km。距離は短かいが勾配が厳しい千枚田峠を2回上り、また勝負所の札立峠が待ち受ける。毎年このステージを制した選手がそのまま総合優勝に決まることが多い。海外チームにどれだけ国内15チームが対抗する事ができるか非常に楽しみだ。

(文 内山靖樹)

第1ステージ結果
1 ミケーレ・メルロー(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) 2時間29分56秒
2 マッティア・ポッゾ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) +0秒
3 ジャン・チャンジェ(韓国、チャンピオンシステム プロサイクリングチーム)
4 シモーネ・カンパニャーロ(イタリア、チームNIPPO・デローザ)
5 アンソニー・ジャコッポ(オーストラリア、ヒューオンサーモン・ジェネシスウェルスアドヴァイザーズ)
6 畑中勇介(シマノレーシングチーム)

個人総合時間順位
1 ミケーレ・メルロー(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) 2時間30分37秒
2 マッティア・ポッゾ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) +3秒
3 ジャン・チャンジェ(韓国、チャンピオンシステム プロサイクリングチーム) +8秒
4 入部正太朗(シマノレーシングチーム) +9秒
5 アンソニー・ジャコッポ(オーストラリア、ヒューオンサーモン・ジェネシスウェルスアドヴァイザーズ) +9秒
6 吉田隼人(シマノレーシングチーム) +11秒

個人総合ポイント賞
1 ミケーレ・メルロー(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) 33pts
2 マッティア・ポッゾ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) 30pts
3 アンソニー・ジャコッポ(オーストラリア、ヒューオンサーモン・ジェネシスウェルスアドヴァイザーズ) 21pts

個人総合山岳賞
1 阿部‎嵩之(チーム右京) 4pts
2 入部正太朗(シマノレーシングチーム) 2pts

新人賞
1 チョイ・キホー(香港、ホンコンチャイナ) 2時間30分48秒

チーム総合
1 ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア 7時間32分22秒
2 愛三工業レーシングチーム +1秒
3 シマノレーシングチーム +2秒

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

ツール・ド・熊野2013

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載