高橋祥哲の「オーストラリアにハートを描け!」<1>ちょんまげ姿でメルボルンへ 自転車レーンが整備された街を快走!

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ハート 自転車で大きなハート型のルートを走り、オーストラリア大陸にGPSログの軌跡で大きなハートを描こう―。こんな壮大な自転車旅「バイシクル・ハート・チャレンジ2013」を計画し、サイクリストの高橋祥哲さん(33)が2013年5月中旬、成田空港からメルボルンへと飛び立ちました。なぜか、このチャレンジのために髪型を“丁髷(ちょんまげ)”に結った高橋さん。世界一大きなハートを描くチャレンジを、同時進行で「Cyclist」に寄稿していただきます。第1回は、日本を発ってから、オーストラリアで走り始めた日まで。いきなりトラブルに見舞われました…


オーストラリアのハイウェイは自転車OK。雰囲気が高速道路のようなので、やや不安だが、自転車とは何度も遭遇したオーストラリアのハイウェイは自転車OK。雰囲気が高速道路のようなので、やや不安だが、自転車とは何度も遭遇した

実は初めての海外旅行

 出発の朝、友人3人が見送りに来て、これから旅をする僕の自転車の箱詰めを手伝ってくれた。自転車梱包用のダンボール箱にバイクを詰めるのだけれど、思った以上にバラバラにしなければ入りそうにない。作業を写真に撮って、友人には本気で心配されながら、手順を必死に覚えた。パーツをいじるのは得意ではないし、掃除ぐらいならまだしも自転車の組み立てなんてやったこともない。成田空港ヘ向かうクルマの中、後悔と不安が押し寄せてくるが、もうやるしかないのだ。

表参道の美容室kindさんで、出発前日のちょんまげ結い上げ。ジャージは今回のチャレンジで着用する、自身でデザインしたものだ表参道の美容室kindさんで、出発前日のちょんまげ結い上げ。ジャージは今回のチャレンジで着用する、自身でデザインしたものだ

 拙者、海外に出るのは初めてでござる。そんな僕の髪型はこの『ハートチャレンジ』のために、東京のど真ん中、表参道の美容室「kind」さんに結い上げてもらった丁髷になっている。走行中はヘルメットで見えないけれど、オーストラリアの人たちの反応が楽しみだ。ちなみに、出国審査は丁髷でも問題なかったけど、審査するお姉さんは半笑い。そりゃそうか。

 空港では搭乗の手続きをするが、荷物が重過ぎて、このままでは追加料金が5万円を超えてしまうとカウンターで告げられた。「安くした方がいいですよね」と、親切にも箱を開けて荷物を減らして手荷物を増やす作戦を提案してくれた結果、超過料金は1万6000円で済んだ。

成田空港に着き、荷物を載せたカートを押すが、期待よりは不安が大きい成田空港に着き、荷物を載せたカートを押すが、期待よりは不安が大きい
日本語がまだ通じるので、殿の気分で味わった最初の機内食。この先、日本語や日本食が恋しくなるのだろうか日本語がまだ通じるので、殿の気分で味わった最初の機内食。この先、日本語や日本食が恋しくなるのだろうか

 今回は成田からシンガポールを経由し、メルボルンへ入る。機内の時間は、「ビーフ or チキン」という質問を期待していたのに、「チキンか西京焼」で拍子抜けしたが、殿になった気分でゆったりと食事をし、その後はほとんど寝ていた。

 

丁髷のせい? 空港で受けた厳重チェック

ベコベコに潰れた箱を開け、中身は無事なのか確認するベコベコに潰れた箱を開け、中身は無事なのか確認する
日本人ならば当然! と、カートはユーロップカーのを選んだ日本人ならば当然! と、カートはユーロップカーのを選んだ

 丁髷が怪しいせいか、乗り換えの搭乗手続きでほとんどの服を脱がされ、厳重なチェックをされつつも、無事にオーストラリアへ到着した。 そして自転車を入れた箱とは、案の定、ぐっちゃぐちゃでの再会となった。

 メルボルン空港に着いたのは早朝だった。日本との時差が1時間なのでカラダはラク。早速、自転車を組み立て始めるが、すでにフェンダーは曲がってしまい上手く付かない。外していた変速機をなんとか装着し、シフトチェンジにやや不満があるものの形にはなった。作業の途中、空港のクルーに「OH! SAMURAI! 」「NOBUNAGA! 」と言われ、拙者ありがたき幸せ。彼とは熱い握手を交わした。

この状態から組み立てる。走り出すまで3時間近くかかってしまったこの状態から組み立てる。走り出すまで3時間近くかかってしまった
なんとか形になった自転車。空港周辺はフリーウェイで囲まれ、市内に向かうのには苦労したなんとか形になった自転車。空港周辺はフリーウェイで囲まれ、市内に向かうのには苦労した

 オーストラリアは、聞いたことがないような生き物の鳴き声が周りからたくさん聞こえてくる。予約しているユースホステルまでは約20km。交通は日本と同じで左側通行だ。ランナバウトというぐるぐる回る交差点があるが、こっちのドライバーは自転車に対して優しい人が多いのか、気をつける意識が高いのか、お互い気持ちよく走れている気がした。自転車レーンも広い範囲で整備されている。道路に駐車している車もあるが、たいていは自転車レーンがしっかり分かれているので、都心部でもかなり走りやすい。

町中は路面電車が走るので、電線が張り巡らされている町中は路面電車が走るので、電線が張り巡らされている

 市内への道はフリーウェイで自転車が走行不可。日本でいう高速道路だ。一方、ハイウェイは自転車の通行が可能だが、場所によってはすぐ横を時速100キロ以上で車が走っていくので、結構怖い。やや迷子気味に走行していると、地元のサイクリストの夫婦と出会い、メルボルンへ行きたいことをなんとか単語を並べて英語で伝えると、途中まで着いてこいと言ってくれた。

 ハンドサインはおよそ日本と一緒。違うのは、町中を走っているクロスバイクのおばちゃんもハンドサインをしているってことかな。後ろの自転車に対してだけでなく、周りの車に対してもハンドサインを行う。スマートで格好良い。親切なサイクリストの夫婦とは少し走ってお別れし、丁髷はまた迷子になった。

ゴミは落とさなかったが、寝袋は…?

道中で最初に見つけた大きな自転車ショップ道中で最初に見つけた大きな自転車ショップ

 この街にはサイクリストが多く、家族で楽しんでいる人もいた。大人の自転車と、子供の自転車がくっついて2台並ぶ感じの自転車を見たが、なんとも可愛らしい。オーストラリアはヘルメット着用が義務なので、装着率9割以上。みんなかぶっていた。乗っていても車に道を譲られることが多く、「Nice Bike!」って声をかけられることも多かった。

 走っていると、大きな自転車ショップを見つけたので入ってみる。メリダやビアンキ、SRAMのコーナーが大きく扱われている。ここではハイカロリーなエナジーバーを購入した。

 オーストラリアの景色を楽しみつつ、寄り道もして、無事にユースホステルへ到着。自転車をガレージに停めさせてもらった。

何度も迷子になりつつ、拙い英語を駆使して、最初の宿へ到着何度も迷子になりつつ、拙い英語を駆使して、最初の宿へ到着
ユースホステルのガレージに自転車を停めさせてもらったユースホステルのガレージに自転車を停めさせてもらった

 じつはここで寝袋がないことに気がついたのだった。周りには注意をしていたし、ゴミを落とさないようにしていたから忘れたはずはない! でも、自転車を組み立て始めたときはあった紫色の寝袋は、なくしてしまったようだ…。寝袋、安くないぜ。無念。

 「でも、逆境こそチャンスでござる……」

(続く)

高橋祥哲高橋祥哲(タカハシヨシノリ)
1980年生まれ。姉2人、弟1人の4人兄弟で育つ。趣味は自転車ジャージのデザインで、コンテストでのグランプリ受賞経験もある。サイクリストとしては、2012年8月に自宅(川崎)から青森県の龍飛崎まで1150kmを走破。また「チームイナリ」として、ホビーレースやエンデューロを仲間と楽しんでいる。好きなアーティストはももいろクローバーZ。このチャレンジに際して、髪を丁髷に。

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