工具はともだち<24>工具の価格、どうして高い? 高価なカーボン製パーツを破損リスクから回避するデジタル型トルクレンチ

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 現在活躍している直読式のトルクレンチは、ダイアル型とそれをデジタル表示したデジタル型。どちらも、締付けているトルクがリアルタイムで把握できるのが、利点です。

直読式デジタル型トルクレンチ直読式デジタル型トルクレンチ
直読式ダイヤル型トルクレンチ直読式ダイヤル型トルクレンチ

 ボルトの破断に繋がる締め付けすぎのリスクに加え、カーボンパーツなどシビアな締付けが要求されるタイプは、高価なパーツの破損というリスクが付きまといます。そのようなリスクを回避しつつ確実な締付け、メンテナンス作業を実現するには、プレセット型のようなシグナル式よりも、自分がどれだけの力を加えて締付けているのか、破損は大丈夫かなどを視認・意識できる直読式トルクレンチが適していますね。

 ただし、高価な工具であるというのは最大の難点です。特にデジタル型は、内部構造が複雑になるため部品点数が多くなり、トルクレンチのカテゴリーの中では、どうしても高価になってしまいます。なので、サイクリストの皆さんにひとり1本お持ちいただくことを強くおすすめできないのが、メーカー側としてもつらいところです。それでも、高価なカーボンパーツを壊すくらいなら…と“清水の舞台から飛びおりる”気持ちで導入するという割り切り方もあるかもしれませんが。

 KTCでは、今のように高価なパーツが自転車に採用されていなかった10数年前より、時代の変化とともに、皆さんに気軽にトルクレンチを使ってもらえる時が必ずくると想定し、そんなニーズに合致するコンパクトな製品の開発を、地道に進めてきました。メーカーとしてのの意地もあったと思いますけどね。次回、そのデジタル型トルクレンチ、通称“デジラチェ”に焦点を当てていきます。

◇      ◇

40年以上も前のレアなビーム型トルクレンチ40年以上も前のレアなビーム型トルクレンチ

 閑話休題、前回登場した「ビーム型トルクレンチ」が、偶然にも、KTC社員の自宅から新品で“発掘”されました! これはかなりレアな商品です。正確な製造年月日はわからなかったものの、パッケージから判断すると、なんと40年以上も前の商品だったことが判明。京都にある「ものづくり技術館」の歴史展示級のシロモノです。つくりもしっかりしていて、十分使用できる状態ではありますが、新計量法対象外ということで残念ながら実際に使用はできません。

 全国的に梅雨入り。ジテツウをしばらくできないと思うと憂鬱ですが、「ツール・ド・フランス」の季節が近づいてきたということでもありますね。私はしばらくは室内で、サイクリスト向けの新しい商品企画でもしようかと目論んでいます。「こんな製品作ってよね」とリクエストがありましたら、ぜひお聞かせください。

小池覚(こいけ・さとる)
KTC(京都機械工具)へ入社後、販売企画や商品開発に携わる。学生時代から二輪、四輪が趣味で、整備経験が豊富。自転車は実は始めたばかりだが、工具のプロとして、サイクリストにも整備の“いろは”を伝えることに燃えている。

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