レンタサイクルで彦根サイクリング<2>河内風穴に寺社国宝 湖東の幅広い観光スポットを巡る

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 彦根レンタサイクル「めぐりんこ」で自転車を借りて、1日サイクリング観光に出発した筆者。連載第1回を終えて、合計で10分ほどしか自転車に乗っていない割には、1時間半近く歩いているような気がする。第2回はもう少し自転車で走りたいものだが、果たしてどうなるやら。(米山一輝)


彦根の電車はサイクルトレイン

近江鉄道の鳥居本駅。昭和6年開業時の駅舎が現在も使われている近江鉄道の鳥居本駅。昭和6年開業時の駅舎が現在も使われている

 前回立ち寄った佐和山遊園を後にして、佐和山トンネルをくぐり、国道8号線をしばらく北に走ると、近江鉄道の鳥居本駅に到着する。昭和6年の開業当初から変わらない、独特の洋風建築の駅舎が目を引く。ここから電車に乗って移動するのだ。

 滋賀県東南部に路線を展開する近江鉄道では、自転車をそのまま持ち込める「サイクルトレイン」を通年で実施している。全33駅中25駅が自転車持ち込み可能で、平日9時~16時と土休日の終日利用できるので、かなり便利なのではないだろうか(肝心の彦根駅が自転車での出入り不可なのが残念ではあるが)。

 しばらく待つと、全面広告の電車がゆっくりと駅に入ってきた。元西武の中古車両を改造した電車は、外見は大幅に変わってしまっているが、車内は西武の趣をそのまま残している。実は筆者はサイクルトレインを使うのは初めてで、若干ドキドキしながら自転車を電車に突っ込んだのだが、特に何も言われなかった。サイクルトレインだから当然なのだが、やはり新鮮な経験だ。

近江鉄道の電車に乗る近江鉄道の電車に乗る
車内は西武時代の面影がよく残っている車内は西武時代の面影がよく残っている

 電車はゴトゴトとゆっくりのんびり走る。その走行音から地元では「ガチャコン電車」の呼び名で親しまれているという。ゴトゴトガチャコンと走り、終点の多賀大社前まで、30分ほどをかけて到着した。

「お多賀さん」で長寿祈願

 駅からマークローザで再び走り出し、すぐに多賀大社に到着した。「お多賀さん」として古くから長寿祈願の神として信仰を集めており、豊臣秀吉も生母である大政所の病気平癒を祈願し、成就の際には1万石もの寄進を行ったという。社内には「太閤」の名を冠したものがいくつか残っている。社殿もとても優美だ。

壮麗な多賀大社の社殿壮麗な多賀大社の社殿
多賀大社駅前にある大鳥居多賀大社駅前にある大鳥居
枝垂桜が綺麗な時期でした枝垂桜が綺麗な時期でした
能舞殿もある能舞殿もある
美しい拝殿美しい拝殿
門の正面にある太閤橋門の正面にある太閤橋

自然のチカラ 河内風穴

 進路を北向きの山あい方面に取り、次に目指すのは「河内の風穴」だ。やっとまとまった距離を走ることになる(と言っても10km程度だが)。若干上り基調の道は、本格的な峠道ではないものの、地味に堪える。マークローザのギア範囲だとギリギリ走れるくらいで、これ以上勾配がきつくなるとまずいなぁと思いながら走ったが、何とか走れる程度のうち、峠の取り付きくらいのところで目的地に到着した。

やたら急な石段でなかなか辛いやたら急な石段でなかなか辛い

 河内の風穴は、総面積1544平方メートルの広さを誇る、関西有数の鍾乳洞だ。料金所からしばらく歩くと、また絶壁の階段。ヒイヒイ言いながら上ると、入口のような場所にたどり着いた。しかし、「壁じゃん!」。……と思って近付いてみると、とても小さな入口が。かがんで這うようにして奥に進んでいく。

やっとたどり着いた入口…ふさがってる?やっとたどり着いた入口…ふさがってる?
…と思ったらこんな小さな入口が…と思ったらこんな小さな入口が
背の低い通路を抜けていくと背の低い通路を抜けていくと
急激に広がった景色は圧巻急激に広がった景色は圧巻

 おおお、これは凄い。

 「鍾乳洞」からイメージするような感じではないものの、自然の力を感じさせる壮大なスケールの風穴だ。奥はまた狭く入り組んでいるため、一般客は入ることができない。向こう側はまたどこかに通じているのだろうか。

比較になるものが写ってないので分かりにくいでが、とても広い比較になるものが写ってないので分かりにくいでが、とても広い
奥でまた少々狭くなったところ奥でまた少々狭くなったところ
ここから先は立ち入り禁止。まだまだ未測量の部分も残されているとかここから先は立ち入り禁止。まだまだ未測量の部分も残されているとか

湖東三山 西明寺

 来た道を多賀まで下り、そこから国道307号線を南下していく。この道、平野部と山間部の境界付近を通っているため、結構アップダウンがきつい。道幅の割にはダンプなどの大型車も多く、やや走りづらい印象だ。今さらルート変更する余裕もないので、我慢してしばらく走り続けると、道沿いに西明寺の入口に着いた。

西明寺。湖東三山のひとつ西明寺。湖東三山のひとつ
林の中をじわじわ上っていく林の中をじわじわ上っていく
庭園は苔がむしている庭園は苔がむしている
二天門(重要文化財)二天門(重要文化財)
門を通して本堂を望む門を通して本堂を望む
西明寺の本堂(左)と三重塔。ともに国宝西明寺の本堂(左)と三重塔。ともに国宝

 西明寺は平安時代の834年に創建されたという、天台宗の寺院で、金剛輪寺、百済寺とあわせて「湖東三山」として知られている。「三山」というからにはやっぱり山なわけで、入口から本堂までがまた結構長い(もちろん上っている)。今日はサイクリングというより、歩いてばかりだ。いやほんと、自転車用シューズじゃなくて良かった……。

 本堂は鎌倉時代初期の建立。戦国時代の織田信長による焼き討ちからも難を逃れ、現代までその姿を残している。1951年に国宝の第1号指定を受けたうちのひとつだ。隣接する三重塔も国宝。本堂は中に入ることができて、奥に安置してある仏像などについての説明を受けることができる。案内役のオッチャンが軽妙に説明してくれるが、仏像ごとに「これのご利益は…で、お札は1枚ウン円ね」みたいなのがいちいちあって、ちょっと面白かった。

ここも山です 金剛輪寺

やっと本堂が近付いてきた。手すりが少々風情をそぐやっと本堂が近付いてきた。手すりが少々風情をそぐ

 国道307号線をさらに南下すると、今度は金剛輪寺にたどり着く。ここも湖東三山の1つ。もう1つは東近江市にある百済寺だが、こちらは「めぐりんこ」のエリア外になってしまうので、今回はパスとする。

 事前に調べていて何となく予想はついていたが、ここも入口から本堂までが遠い。実は少々時間が足りなくなってきていたので、周辺のもろもろは今回はパスして、黙々と奥まで歩く。

 高く生い茂った木々の間を進んでいくと、最後は急な石段が登場した。なかなか荘厳な風景のはずなのだが、道のど真ん中にステンレスの手すりが設置されていて、ちょっと興ざめさせられる。確かにうっかりしていたら、簡単に転んでケガをしそうな石段ではあるが、もう少し何とかならないかなあ。なんて書きつつも、なかなか疲れてきていたので、手すりにはしっかりお世話になってしまったのだが。

 二天門をくぐった本堂まわりは、西明寺に比べるとやや広くて、より整備されている感じだ。こちらも本堂は国宝である。

急な石段を上がった先にある二天門急な石段を上がった先にある二天門
二天門には大きな草鞋が下げられる二天門には大きな草鞋が下げられる
桜とマッチする本堂桜とマッチする本堂
金剛輪寺の本堂(国宝)金剛輪寺の本堂(国宝)
三重塔三重塔

次回予告:やっと平地 えっ聖地?

何が聖地ってアレですよ何が聖地ってアレですよ

 そんなこんなで、以下次回。ここまでサイクリングのわりに山を「歩いて」ばかりの今回の企画だけど、最終回はやっと平地に出られて楽チン、になるはず。

 そして次回はちょっと聖地巡礼なども。感動のフィナーレに……たどり着けるかなあ?

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