いざ“聴覚障害者のオリンピック”へデフリンピック日本代表選手たちが富士ヴェロフェスタを疾走 今夏のソフィア大会に向け強化練習

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今夏のデフリンピックでロード種目の日本代表に内定した(左から)早瀨憲太郎、箭内秀平、宮田大、一条厚、簑原由加利、得利雄介の6選手今夏のデフリンピックでロード種目の日本代表に内定した(左から)早瀨憲太郎、箭内秀平、宮田大、一条厚、簑原由加利、得利雄介の6選手

 富士スピードウェイ(静岡県小山町)で5月11日に開かれたロードレース&エンデューロ大会「富士ヴェロフェスタ」に、“聴覚障害者のオリンピック”とも呼ばれるろう者の国際的な総合スポーツ大会「デフリンピック」出場を目指す日本代表の内定選手6人が出場した。あいにくの雨のレースだったが、6人とも120kmソロの部で力走。総合5位を筆頭に好成績を連発し、今夏のデフリンピックでの活躍に弾みをつけた。

富士ヴェロフェスタのスタート前、円陣を組んで気合いを入れるデフリンピック日本代表の内定選手たち =2013年5月11日、富士スピードウェイ富士ヴェロフェスタのスタート前、円陣を組んで気合いを入れるデフリンピック日本代表の内定選手たち =2013年5月11日、富士スピードウェイ

 デフリンピックとは、「聴覚障害者=Deaf」と「オリンピック=Olympic」を組み合わせた名称。オリンピックやパラリンピックと同様に4年に1度、世界各国で開かれ、今年は7月26日から8月4日にかけて、ブルガリアの首都ソフィアで開催される。夏季大会の20競技にはサイクリングも含まれ、以前からあるロード種目に加え、今夏からMTB種目も加わる。

今年3月、デフリンピックを目指して強化合宿に臨んだ選手たち今年3月、デフリンピックを目指して強化合宿に臨んだ選手たち

 日本がサイクリング競技に選手を送り込むのは今大会が初めて。これに先立ち、選手の国際大会派遣などに向けて2010年に設立された「日本ろう自転車競技協会」に40人以上が加入してデフリンピック出場を目指してきた。

 同協会が選手選考を進めた結果、今春、男子5・女子2の計7人の代表選手が内定した(1人は補欠)。全日本ろうあ連盟による7月の正式決定を受け、本大会へ向かう。男子5人は全員がロード種目に登録するほか、うち2人はMTBにも出場予定。また女子はロード1人、MTB1人が選出された。

ソロ120kmで女子トップタイムをマークした簑原由加利選手 =2013年5月11日、富士スピードウェイソロ120kmで女子トップタイムをマークした簑原由加利選手 =2013年5月11日、富士スピードウェイ

 富士ヴェロフェスタにはロード代表の男子5人、女子1人が出場。世界大会を目指すだけあって実力も意識も高く、最高位の早瀬憲太郎選手は120kmソロの部で総合5位に食い込んだ。また、女子の蓑原由加利選手は女子のトップ(総合49位)でフィニッシュした。

富士スピードウェイを疾走する宮田大選手 =2013年5月11日、富士スピードウェイ富士スピードウェイを疾走する宮田大選手 =2013年5月11日、富士スピードウェイ
ソロ120kmの総合15位でフィニッシュする得利(とくよし)雄介選手 =2013年5月11日、富士スピードウェイソロ120kmの総合15位でフィニッシュする得利(とくよし)雄介選手 =2013年5月11日、富士スピードウェイ
レース後、健闘を称えあって記念撮影 =2013年5月11日、富士スピードウェイレース後、健闘を称えあって記念撮影 =2013年5月11日、富士スピードウェイ

■富士ヴェロフェスタ デフリンピック内定選手団リザルト(5月11日、富士スピードウェイ)
【120Kmソロ】
・総合 5位 早瀬憲太郎選手
・総合 15位 得利雄介選手
・総合 46位 宮田大選手
・総合 49位 簑原由加利選手
・総合 66位 一条厚選手
・総合162位 箭内秀平選手(ケガのためDNF)

※デフリンピックMTB種目 日本代表内定選手
・早瀬憲太郎選手(Jシリーズ エキスパートクラス)
・箭内秀平選手(Jシリーズ エキスパートクラス)
・早瀬久美選手

◇           ◇

 デフリンピックの歴史は古く、夏季大会は1924年にフランスで、冬季大会は1949年にオーストリアで初開催された。参加資格は、補聴器をはずした裸耳状態での聴力損失が55デシベルを超えている者とされ、競技中は選手の安全確保の観点から補聴器の装用が禁止されている。

 1989年に国際パラリンピック委員会が発足した当時、デフリンピックを主催する国際ろう者スポーツ委員会も加盟していたが、その後、聴覚障害者を取り巻く実情に沿ってデフリンピックの独自性を追求するため、1995年に組織を離れた。現在はパラリンピックにろう者が参加できない状況となっている。

 デフリンピックの知名度は日本国民の3%程度にとどまっているとされ、認知度向上や支援の輪の拡大が課題となっている。全日本ろうあ連盟では、デフリンピックの啓発サイトを開設してパンフレットを提供したり、応援ピンバッジを販売して収益を選手団派遣に充てるなどして支援活動を展開している。

■日本ろう自転車競技協会

■デフリンピック公式ウェブサイト

■デフリンピック啓発ウェブサイト

政府インターネットテレビ「耳が聞こえない人たちのオリンピック デフリンピック」

デフリンピックではMTB種目にも3選手を送り込むデフリンピックではMTB種目にも3選手を送り込む
デフリンピックを目指し、今年3月の強化合宿で疾走する選手たちデフリンピックを目指し、今年3月の強化合宿で疾走する選手たち

(取材協力・写真提供 日本ろう自転車競技協会)

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