ツアー・オブ・ジャパン2013 第6ステージ大集団のゴールスプリントで西谷が炸裂、東京ステージを連覇 総合優勝はバリアーニに栄冠

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 ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)は5月26日、第6ステージが東京都内で行われ、大集団によるゴールスプリントを西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が制して、東京ステージ2年連続の勝利を飾った。3位に吉田隼人(シマノレーシング)、5位に土井雪広(Team UKYO)が食い込むなど日本人選手の活躍が際立つステージとなった。6日間を通しての個人総合成績ではフォルッナート・バリアーニ(イタリア、チームNIPPO・デローザ)がリードを守って優勝。日本人最高位は西薗良太(チャンピオンシステム プロサイクリングチーム)の6位だった。

雄叫びを上げてガッツポーズする西谷泰治雄叫びを上げてガッツポーズする西谷泰治
日比谷のスタート地点に現れた選手たち日比谷のスタート地点に現れた選手たち

 最終ステージは、ほぼ完全な平坦路で行われるスプリンター向けのコース。日比谷シティ前を出発、1.2kmのパレードランを経てレースは本格スタート。14.7kmかけて大井埠頭に入り、7.0km×14周の周回コースが決戦の場となる、全長112.7kmのステージだ。

 この日は好天に恵まれ、気温もグングン上昇。スタート前の選手たちが控える日比谷公園には多くのファンが詰め掛け、トップ選手と交流する姿も見られた。

 午前11時、大歓声のなかで日比谷シティ前をスタート。パレードランが終了するとともに、集団ではアタック合戦の火ぶたが切られた。アタックがかかっては潰され、という展開が続き、逃げが決まらないまま集団は大井埠頭の周回に入った。

単独での逃げを決めた中村誠単独での逃げを決めた中村誠
メーン集団はNIPPO・デローザが鉄壁のコントロールメーン集団はNIPPO・デローザが鉄壁のコントロール
大井埠頭の倉庫街を縫って走る集団大井埠頭の倉庫街を縫って走る集団

 ようやく決まったのは、なんと中村誠(宇都宮ブリッツェン)の単独逃げ。集団に対し1分30秒以上の差をつける、長距離の独走となった。時には、メーン集団に対する声援に匹敵、あるいはそれを超えるほどの大きな声が中村1人に送られた。

 集団は総合リーダーのバリアーニを擁するチームNIPPOがコントロール。その後ろにはヴィーニファンティーニ、ブリヂストンアンカーが控え、ステージ初優勝の欲しいランプレ・メリダは集団後方に陣取った。中間ポイントでは、中村が通過したあとの2位争いが起こることもなく、ポイント賞リーダージャージを着るデネグリが余裕の2位通過でポイント賞へ着々と近づいていった。

徐々に逃げとの差を詰める集団。先頭は福島晋一徐々に逃げとの差を詰める集団。先頭は福島晋一
果敢に逃げ続ける中村に沿道から大きな声援果敢に逃げ続ける中村に沿道から大きな声援

 10周目に突入する頃には、集団の中でも位置取りに変化が見られ、中村とのタイム差も縮まり始めた。

 メーン集団は、13周目の終わりでついに中村を吸収。しかし、2周を残して捕まえたことで、さらなる逃げを成立させてしまうことになった。クレイグ・ルイス(アメリカ、チャンピオンシステム プロサイクリング)、フロリス・ゴジネン(オランダ、ドラパック サイクリング)、エリック・シェパード(オーストラリア、OCBCシンガポール・コンチネンタルサイクリングチーム)が抜け出し、10秒、20秒とリードを広げていく。ラスト1周に入った段階で集団の先頭を引いていたのは、ステージ優勝を目標としていないチームNIPPO・デローザ。明らかに、集団のスピードは上がっていなかった。

カウンターで飛び出した3人カウンターで飛び出した3人
メーン集団は差を付けられてしまう。慌てたランプレ・メリダが先頭に入るメーン集団は差を付けられてしまう。慌てたランプレ・メリダが先頭に入る
最終周回、メーン集団を大きく引き離した3人最終周回、メーン集団を大きく引き離した3人

 逃げ切りの気配も漂うなか、たまらずブリヂストンアンカーが集団を引き始め、ランプレも追走のために1人を送り込むと、徐々にタイム差は縮まり出す。それでも、残り5kmで20秒差。しかも順調に先頭交代を続ける3人の逃げは強力で、すぐに追いつけるものではなかった。残り2km、スプリントのために余力を残したかったランプレもほとんど総出で追走をかけると、これがギリギリのところで実を結ぶ。ゴールまで1kmを切ったところで、観客のどよめきとともに、逃げの3人は飲み込まれた。

 こうして最後の直線でスプリントが開始された。しかし、各チームがきれいにトレインを組んでのスプリントとはいかず、混沌としたなかでの勝負に。必死の追走を見せたランプレのマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)がトップで駆け抜けるかと思われたが、それを差し切ったのは西谷だった。今大会2勝目、東京ステージは2年連続優勝だ。

ゴールライン上、西谷とリケーゼがハンドルを投げあうゴールライン上、西谷とリケーゼがハンドルを投げあう
西谷泰治がステージ2勝目、東京ステージは2年連続優勝西谷泰治がステージ2勝目、東京ステージは2年連続優勝
ステージ優勝の西谷泰治ステージ優勝の西谷泰治

 今大会では第1ステージを制して、一度はリーダージャージを着た西谷だったが、第4・富士山ステージ以降に体調を崩し、前日の第5・伊豆ステージでは最下位でかろうじて完走。リタイアする可能性もあったという。しかも愛三工業は前日までに落車トラブルなどで3人を失い、東京ステージに臨んだのは西谷を含め3人だけ。このため西谷は東京ステージの優勝だけに目標を絞り、途中のスプリントポイントは捨ててゴール勝負に集中した。

 「このステージで日本人に期待してくれているファンの皆さんもいらっしゃるので、とにかくスタートラインに並んで、やれることをやろうと思っていました。こんな僕だったけど、チームメートがしっかり周りについてサポートしてくれたので、安心して走ることができました」と西谷は安堵の表情で語った。

 吸収され、集団から一人遅れた中村には、ゴール後もひと際大きな声援が送られ、中村もそれに手を挙げて応えた。


2年連続の個人総合優勝を飾ったバリアーニ2年連続の個人総合優勝を飾ったバリアーニ
チーム総合優勝の、チームNIPPO・デローザチーム総合優勝の、チームNIPPO・デローザ
ポイント賞を守ったデネグリポイント賞を守ったデネグリ
山岳賞のヴィガノ山岳賞のヴィガノ
今年新設の新人賞を獲得したアレドンド今年新設の新人賞を獲得したアレドンド

(文 米山一輝、平澤尚威・写真 米山一輝)

第6ステージ結果
1 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) 2時間34分31秒
2 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ) +0秒
3 吉田隼人(シマノレーシング)
4 アディック・オスマン(マレーシア、チャンピオンシステム プロサイクリング)
5 土井雪広(チームUKYO)
6 シモーネ・カンパニャーロ(イタリア、チームNIPPO・デローザ)

個人総合順位
1 フォルッナート・バリアーニ(イタリア、チームNIPPO・デローザ) 15時間39分44秒
2 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、チームNIPPO・デローザ) +1分11秒
3 ダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカー) +1分36秒
4 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストン アンカー) +2分39秒
5 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、ヒューオンサーモン・ジェネシスウェルスアドヴァイザーズ) +3分26秒
6 西薗良太(チャンピオンシステム プロサイクリングチーム) +3分46秒

総合ポイント賞
1 ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)56pts
2 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) 41pts
3 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ) 38pts

総合山岳賞
1 ダビデ・ヴィガノ(イタリア、ランプレ・メリダ) 22pts
2 ロビー・ハッカー(オーストラリア、ドラパック サイクリング) 20pts
3 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、ヒューオンサーモン・ジェネシスウェルスアドヴァイザーズ) 15pts

新人賞
1 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、チームNIPPO・デローザ) 15時間40分55秒

チーム総合
1 チームNIPPO・デローザ 47時間10分24秒

 

【映像:TOUR OF JAPAN 2013】

 

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