ツアー・オブ・ジャパン2013 第5ステージタフなレースは集団スプリントへ アールが勝利、西薗は5位 総合優勝はバリアーニがほぼ手中に

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 ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)は5月25日、第5ステージが静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターで行われ、ネイサン・アール(オーストラリア、ヒューオンサーモン・ジェネシスウェルスアドヴァイザーズ)が集団でのスプリントを制して勝利した。個人総合首位はフォルッナート・バリアーニ(イタリア、チームNIPPO・デローザ)が守った。日本人選手では西薗良太(チャンピオンシステム プロサイクリングチーム)がトップとタイム差なしの5位に入り、総合6位の座を守っている。

ネイサン・アールが集団スプリントを制して優勝。西薗が5位に入ったネイサン・アールが集団スプリントを制して優勝。西薗が5位に入った
朝9時半にレーススタート朝9時半にレーススタート

 日本競輪学校に隣接する日本サイクルスポーツセンターは、通常は5kmの周回コースが使用されているが、TOJではこれに加えて普段入れない急勾配の追加コースや、さらには駐車場の外周道路、競輪学校の構内道路などを組み合わせて、1周12.2kmのスペシャルコースが設定される。レースはこれを12周回、146.4kmで争う。

 ほぼ上りと下りだけで構成される厳しいコース。最終の第6ステージが平坦設定のため、総合争いで大きくタイム差を付けるには、この日がラストチャンスだ。またスプリンター以外の選手にとってもステージ優勝のラストチャンスとなり、ポイント賞や山岳賞なども含め、さまざまな思惑と利害関係が交錯するステージとなる。

1周目から抜け出しを図る井上和郎(ブリヂストンアンカー)1周目から抜け出しを図る井上和郎(ブリヂストンアンカー)
集団はNIPPOがコントロール集団はNIPPOがコントロール

 レースは曇り空の過ごしやすい気候の中でスタート。1周目から、逃げを狙う複数の選手がアタックを開始した。山下貴宏(チームUKYO)、井上和郎(ブリヂストンアンカー)、寺崎武郎(日本ナショナルチーム)の3人がまず抜け出し、これを後から追った清水都貴(ブリヂストンアンカー)、ウィリアム・ウォーカー(オランダ、ドラパック サイクリング)、トマス・ラボウ(オランダ、OCBCシンガポール・コンチネンタルサイクリングチーム)の3人が合流して、6人の逃げ集団を形成した。

 アンカーは実績のある日本人のベテラン2人を逃げに乗せ、「今日は日本人で勝ちに行く」というレース前の水谷壮宏監督の言葉を裏付ける動きだ。

上り坂をゆく逃げグループ上り坂をゆく逃げグループ
集団はヴィーニファンティーニもコントロールに加わる集団はヴィーニファンティーニもコントロールに加わる

 メーン集団はリーダーチームのNIPPO・デローザと、ポイント賞リーダージャージを擁するヴィーニファンティーニ・セッレイタリアがペースを作る。逃げる6人との差は少しずつ開き、5周目には3分半のタイム差となった。メーン集団はひとかたまりで脱落する選手もおらず、安定したペースで周回を重ねる。

競輪学校のバンク横をゆく逃げグループ競輪学校のバンク横をゆく逃げグループ
5周目のメーン集団5周目のメーン集団
伊豆ベロドロームの横を走るメーン集団伊豆ベロドロームの横を走るメーン集団

 タイム差が縮まり始めたのは、8周目、残り5周となってから。2分半、1分45秒と急速にその差が縮まり、メーン集団では徐々に集団から遅れる選手が出始める。逃げ集団ではタイム差の減少を受けて、清水らがペースアップ。まず山下が遅れ、続いて井上も遅れて先頭は4人に。9周目には寺崎とウォーカーが遅れ、先頭は清水とラボウの2人の逃げとなった。

メーン集団が逃げとの差を詰め始めるメーン集団が逃げとの差を詰め始める
逃げグループは追走をかわすためにペースアップして分裂逃げグループは追走をかわすためにペースアップして分裂

 しばらくのの間、トップと集団とのタイム差は1分前後で推移する。集団をコントロールするNIPPO・デローザは、総合リーダーのバリアーニをトップ集団でゴールさせたい考え。またヴィーニファンティーニは、ポイント賞リーダーのピエールパオロ・デネグリ(イタリア)らスプリンターでゴール勝負に持ち込みたい。ともに集団のままゴールスプリントとなった方が都合が良いため、カウンターアタックを警戒しつつ前を捕えるタイミングを測っている様子だ。

追走を続けるメーン集団の先頭はカンパニャーロ追走を続けるメーン集団の先頭はカンパニャーロ
山岳ポイントへの急勾配区間を走る逃げの2人山岳ポイントへの急勾配区間を走る逃げの2人
11周目の上り。逃げの2人の後方に集団が迫る11周目の上り。逃げの2人の後方に集団が迫る

 残り2周となり、ついに逃げの2人は吸収された。集団の先頭はしばらくブリヂストンアンカーが固めるが、明確な攻撃を見せるにはいたらない。残り1周の手前で、地元・修善寺工業高校(現・伊豆総合高校)出身の平塚吉光(愛三工業レーシングチーム)が単独アタック。10秒ほどの差を付けて最終周回に突入するが、しばらくして吸収されてしまう。

 続いてエリック・シェパード(オーストラリア、OCBCシンガポール)が、それが吸収されると今度はダレン・ラプトーン(オーストラリア、ドラパック サイクリング)が、それぞれアタックを仕掛けるが、動きはいずれも単発に終わる。メーン集団はハイペースを保って人数を若干減らしたものの、20人ほどが残ったまま、最終ホームストレートでのゴールスプリント勝負となった。

 観客の並ぶゴール前から最初に見えたのは、オレンジのヒューオン・ジェネシスのウェア。上りからのスプリントで先行したアールが、そのままゴールまで先頭を譲らず、ステージ優勝をもぎ取った。

ホームストレートに現れた集団。先行するアールが後ろを見るホームストレートに現れた集団。先行するアールが後ろを見る
土井はバリアーニを従えて6位ゴール土井はバリアーニを従えて6位ゴール
ステージ優勝のネイサン・アールステージ優勝のネイサン・アール
バリアーニは個人総合優勝をほぼ手中にバリアーニは個人総合優勝をほぼ手中に

 優勝したアールは、「息をつく暇もないタフなステージで、後ろの集団で可能な限り体力を温存した。残り半周で(集団スプリント勝負が濃厚になって)勝つチャンスがあると思い、“勝つぞ!勝つぞ!”と自分に言い聞かせながら走った。ゴール300m手前でアタックして後ろを見たら間が開いていて、それで勝つことができた」とレースを振り返る。将来はプロツアーチームに所属して、グランツールなど大きなレースに出場したいという。

 最後のスプリントで集団がわずかに割れてタイム差が付いたが、現在日本人最高位の総合6位に付ける西薗良太はタイム差なしの5位でゴールに飛び込んだ。自身の総合6位とUCIポイント獲得をほぼ確定させるとともに、この日のステージ順位でもUCIポイントを獲得した。

 総合の上位8人までと、各賞リーダーの顔ぶれには変化がなく、総合首位はバリアーニが堅守。2年連続の個人総合優勝を、ほぼ手中に収めた。26日の最終・東京ステージは、日比谷シティ前を午前11時にスタートし、大井埠頭を周回する112.7kmの平坦コース。毎年、高速レースとなり、激しいゴールスプリントが展開される。

(写真・文 米山一輝)

第5ステージ結果
1 ネイサン・アール(オーストラリア、ヒューオンサーモン・ジェネシスウェルスアドヴァイザーズ) 4時間29分38秒
2 エリア・ファビッリ(イタリア、ランプレ・メリダ) +0秒
3 ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)
4 ロビー・ハッカー(オーストラリア、ドラパックサイクリング)
5 西薗良太(チャンピオンシステム プロサイクリング)
6 土井雪広(チームUKYO) +2秒

個人総合順位
1 フォルッナート・バリアーニ(イタリア、チームNIPPO・デローザ) 13時間05分13秒
2 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、チームNIPPO・デローザ) +1分11秒
3 ダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカー) +1分36秒
4 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストン アンカー) +2分39秒
5 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、ヒューオンサーモン・ジェネシスウェルスアドヴァイザーズ) +3分26秒
6 西薗良太(チャンピオンシステム プロサイクリングチーム) +3分46秒

総合ポイント賞
1 ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)41pts
2 ネイサン・アール(オーストラリア、ヒューオンサーモン・ジェネシスウェルスアドヴァイザーズ) 30pts
3 フォルッナート・バリアーニ(イタリア、チームNIPPO・デローザ) 30pts

総合山岳賞
1 ダビデ・ヴィガノ(イタリア、ランプレ・メリダ) 22pts
2 ロビー・ハッカー(オーストラリア、ドラパック サイクリング) 20pts
3 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、ヒューオンサーモン・ジェネシスウェルスアドヴァイザーズ) 15pts

新人賞
1 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、チームNIPPO・デローザ) 13時間06分24秒

チーム総合
1 チームNIPPO・デローザ 39時間26分51秒

伊豆ステージ フォトギャラリー

 

【映像:TOUR OF JAPAN 2013】

 

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