ジロ・デ・イタリア2013 第17ステージ山岳で飛び出したヴィスコンティが独走で2勝目 カヴェンディッシュはゴール勝負に持ち込めず

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 ジロ・デ・イタリアは22日、カラヴァッジョからヴィチェンツァまでの214kmで第17ステージが行われ、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム)が第15ステージに続く2勝目、チーム4勝目を飾った。マリア・ローザはヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)がキープしている。

第15ステージに続き今大会2勝目を挙げたヴィスコンティ第15ステージに続き今大会2勝目を挙げたヴィスコンティ

 ラスト18km地点の4級山岳クロザーラ以外は平坦なコース。翌日の第18ステージは山岳が舞台の個人タイムトライアル、そして19、20ステージも山岳ステージとなるため、スプリンターたちはこの日のステージに勝負をかけた。

スタートで会話するカヴェンディッシュ(左)とチポッリーニスタートで会話するカヴェンディッシュ(左)とチポッリーニ
カラヴァッジョでスタート地点に集まる選手たちカラヴァッジョでスタート地点に集まる選手たち

 レース開始の旗が振られるとすぐ、第9ステージで優勝したマキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ チーム)をはじめ、ミゲルアンヘル・ルビアノ(コロンビア、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ)、ヘルト・ドックス(ベルギー、ロット・ベリソル)、ルーク・ダルブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が逃げグループを形成。集団との差を3~4分として進めていった。

スタート直後から逃げ続けた4人の選手スタート直後から逃げ続けた4人の選手

 メーン集団はオメガファルマ・クイックステップ、アルゴス・シマノが中心となってコントロール。この日は風もなく、集団内ではディープリム・ホイールで軽快に走る選手たちが、リラックスした様子で談笑する場面もみられた。

 87.4kmの補給地点前で、安定した速度で進む集団を嫌い、クリスチャン・メイヤー(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)らオリカ・グリーンエッジ勢がアタックを連発。しかしこれは奏功しない。カヴェンディッシュを擁するオメガファルマ・クイックステップは、150.3km、172km地点の中間スプリントポイント獲得に向けて集団コントロールを徹底した。

古い橋を通過するプロトン古い橋を通過するプロトン

 130km地点が近づいた頃、逃げる4人が乗車姿勢を低く構え直し、ローテーションをしながらスピードをアップ。メーン集団との差を5分まで広げた。しかしメーン集団はオメガファルマ・クイックステップがメンバーを前方に揃えて体勢を立て直し、差を広げないようコントロール。徐々に差を詰めていった。

 最初の中間スプリントポイントまで1kmとなると、逃げ集団ではベルコフが前に出て積極的にポイントを獲得。メイン集団ではカヴェンディッシュがチームメートとともにしっかりとポイントを押さえた。

 2回目の中間スプリントポイントも、先頭はベルコフで通過。メイン集団でもカヴェンディッシュがポイントを取り、このステージで計4ポイントを加算した。

 残り34kmを過ぎると、先頭グループのベルコフはチームカーから受け取ったボトルを背中に詰め込み、チームメートをサポートする準備を始めた。そのまま逃げる足を止め、後続集団を待機するため脱落。この時点で、先頭グループとメーン集団との差は1分にまで縮まっていた。

終盤、攻撃に出たディルーカ終盤、攻撃に出たディルーカ

 クロザーラの上りの手前では、細いヘアピンカーブが続く丘を越える。先頭ではルビアノがペースアップ。メーン集団ではスプリント勝負を避けたいヴィーニファンティーニ・セッレイタリアがリードしていったものの、細い道に阻まれて思うようにスピードアップできない。

 山岳へ入ると、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリアのダニーロ・ディルーカ(イタリア)がアレッサンドロ・プローニ(イタリア)を従えてアタック。前方ではルビアノが飛び出して単独で先頭に。クロザーラの上りは5.3kmと短いながら、最大勾配12%とあなどれない山岳だ。カヴェンディッシュも苦しい表情で食らいついていく。

 山頂まで3km、ゴールまで19.5kmの地点で、先頭のルビアノにディルーカが合流。しかし、およそ30秒差のメーン集団から飛び出したジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム)が追いつき、抜き去っていく。ディルーカはその勢いについていけない。

単独でゴールを目指すヴィスコンティ単独でゴールを目指すヴィスコンティ

 山岳ポイントは、迷いなくアタックしたヴィスコンティがトップで通過。そのまま単独で下りへ突入し、後続にリードを広げていく。

 下り終えたヴィスコンティと、後続のマリア・ローザ集団との差はおよそ30秒。集団から遅れをとったカヴェンディッシュのグループは、そこからさらに1分半差だ。

 カヴェンディッシュが遅れたことで、集団は統率が取れずアタックが相次ぎ、混沌とした状態が続く。ヴィスコンティはその間も20秒ほどの差をキープし、ゴールを目指して突き進んだ。

 ラスト2kmからのテクニカルな急カーブをこなし、最終コーナーを曲がった残り250m地点で勝利を確信したヴィスコンティは、ジャージの前を締め直し、両手を大きく広げてゴールへ飛び込んだ。

 カヴェンディッシュは1分37秒差でフィニッシュ。ゴール直後は悔しそうな表情を見せたものの、ポイント賞争いでは2位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)に13ポイント差とリードを広げ、表彰台ではポール・スミス本人から直接マリア・ロッソ・パッショーネを着せてもらって笑顔をみせた。

 また、新人賞争いでトップのカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル ラモンディアル)は残り2kmでマシントラブル。“ラスト3kmの救済措置”が適用され、同集団内で走っていたラファル・マイカ(ポーランド、チーム サクソ・ティンコフ)とのタイム差は、そのまま5秒となっている。

 今ステージのゴール地点、ヴィチェンツァ出身のフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)は4位でフィニッシュした。

(文 柄沢亜希/写真 砂田弓弦)

第17ステージ結果
1 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム) 5時間15分34秒
2 ラムーナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ) +19秒
3 ルカ・メゲッツ(スロベニア、チーム アルゴス・シマノ)
4 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)
5 ダニロ・ホンド(ドイツ、レイディオシャック・レオパード)
6 サルヴァトーレ・プッチョ(イタリア、スカイ プロサイクリング)
7 サーシャ・モドロ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォレ・CSFイノクス)
8 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ)
9 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター チーム)
10 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)

個人総合(マリア・ローザ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 73時間11分29秒
2 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +1分26秒
3 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイ プロサイクリング) +2分46秒
4 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ) +3分53秒
5 ブシェメスワフ・ニエメツ(ポーランド、ランプレ・メリダ) +4分13秒
6 マウロ・サンタンブロージオ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) +4分57秒
7 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +5分15秒
8 ラファル・マイカ(ポーランド、チーム サクソ・ティンコフ) +5分20秒
9 ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム) +5分47秒
10 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ブランコ プロサイクリングチーム) +7分24秒

ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 113pts
2 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 109pts
3 マウロ・サンタンブロージオ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) 89pts

山岳賞(マリア・アッズーラ)
1 ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォレ・CSFイノクス) 79pts
2 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム) 45pts
3 ジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ) 41pts

新人賞(マリア・ビアンカ)
1 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) 73時間16分44秒
2 ラファル・マイカ(ポーランド、チーム サクソ・ティンコフ) +5秒
3 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ブランコ プロサイクリングチーム) +9分49秒

チーム総合
1 スカイ プロサイクリング 219時間16分11秒
2 アスタナ プロチーム +4分27秒
3 ブランコ プロサイクリングチーム +4分58秒

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