ツアー・オブ・ジャパン2013 第3ステージ3人のスプリントを制したデネグリが優勝 NIPPO勢が総合1、2位に浮上

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 ツアー・オブ・ジャパンは22日、第3ステージが長野県飯田市で行われ、ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)が先頭集団3人によるゴール争いを制して優勝した。総合成績ではこの日3位でゴールしたジュリアン・アレドンド(コロンビア、チームNIPPO・デローザ)がトップに立った。日本人では西薗良太(チャンピオンシステム プロサイクリングチーム)のステージ7位が最高で、西薗は総合でも4位に順位を上げている。

スプリントでNIPPOの2人を単独で打ち破ったデネグリがステージ優勝スプリントでNIPPOの2人を単独で打ち破ったデネグリがステージ優勝

 この日のコースは、飯田駅前をパレードスタートし、下堅久地区の12.2kmの周回コースを12周した後に、松尾総合運動場前にゴールする148km。高低差が激しい天竜川沿いの周回コースは選手を苦しめ、例年ここで総合争いが大きく動く、重要なステージだ。

スタート地点の飯田駅前に並んだ総合4賞のリーダージャージスタート地点の飯田駅前に並んだ総合4賞のリーダージャージ
駅前の目抜き通りをパレードスタート駅前の目抜き通りをパレードスタート
逃げの6人逃げの6人

 午前8時45分、飯田市長の先導でパレードがスタート。天竜川を渡って周回コースに入ると、レースは1周目から総合を狙う有力チームがアタックを仕掛けてペースアップ。2周目の山岳ポイントを通過して、6人の逃げが形成された。

 ダビデ・ヴィガノ(イタリア、ランプレ・メリダ)、マリウス・ヴィズィアック(ポーランド、マトリックス パワータグ)、ロビー・ハッカー(オーストラリア、ドラパック サイクリング)、吉田隼人(シマノレーシングチーム)、福島晋一(チームNIPPO・デローザ)、阿部‎嵩之(チームUKYO)からなる逃げグループは、4周目には1分半ほどの差を付けるが、メーン集団も逃げが大差を付けることは容認せず、有力チームが集団前方を占めてペースを保ち続ける。

急勾配を進む逃げの6人急勾配を進む逃げの6人
山岳ポイントは3回中2回をダビデ・ヴィガノ(イタリア、ランプレ・メリダ)がトップ通過山岳ポイントは3回中2回をダビデ・ヴィガノ(イタリア、ランプレ・メリダ)がトップ通過

 5周目にメーン集団からステファノ・ボルチ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)が単独抜け出して集団から約30秒先行すると、続く6周目の上りでは、これにブリッジを掛ける形でアレドンドやフォルッナート・バリアーニ(イタリア、チームNIPPO・デローザ)らがアタックし、メーン集団は大きく分裂することになった。幾つかのグループが下りで合流して、29人の追走の第2集団を形成。レース半分の6周を終えた時点で逃げの6人との差は39秒と、射程圏内におさめた。

アレドンドが上りで集団を崩しにかかる。付いていける選手はわずかだアレドンドが上りで集団を崩しにかかる。付いていける選手はわずかだ
アレドンドらを追走する土井、西薗らアレドンドらを追走する土井、西薗ら

 8周目、この追走集団から5人が抜け出し、逃げの6人に合流して11人の先頭グループを再構成。ランプレやヴィーニファンティーニが攻撃に出た形だが、NIPPOはシモーネ・カンパニャーロを前に送り込んで動きに対応している。

第2集団から抜け出した5人の追走グループ第2集団から抜け出した5人の追走グループ
メーングループはバリアーニがペースを作る。すぐ後ろにアレドンドメーングループはバリアーニがペースを作る。すぐ後ろにアレドンド

 しばらく11人のグループで走っていた先頭だが、10周目の上りでクリスティアーノ・モングッジ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)がアタック。福島とカンパニャーロのみが反応して3人が先行した。福島は最初の逃げから先頭集団を逃さず、驚異的な走りを見せ続ける。しかし11周目の上りで、モングッジはNIPPOの2人を振り切り、ついに単独で先頭に躍り出た。

単独先頭となったモングッジ単独先頭となったモングッジ
単独追走する福島晋一単独追走する福島晋一
メーン集団を粉砕したアレドンド。後ろを確認するメーン集団を粉砕したアレドンド。後ろを確認する

 一方、第2集団ではアレドンドが上りでアタックを仕掛け、集団を粉砕。アレドンドに続くことができたのは、バリアーニ、デネグリ、トマ・ルバ(フランス、ブリヂストン アンカー)のみ。少し遅れて西薗を含むグループ、さらに後方で飯野智行(宇都宮ブリッツェン)、窪木一茂(マトリックス パワータグ)、土井雪広(チームUKYO)らが追った。

アレドンドを追う西薗良太アレドンドを追う西薗良太
わずかに遅れて追走する窪木一茂と飯野智行わずかに遅れて追走する窪木一茂と飯野智行
序盤から動きをチェックしていた土井雪広。終盤に力つきる序盤から動きをチェックしていた土井雪広。終盤に力つきる

 アレドンドらと西薗のグループが下りで1つになり、9人の追走集団を形成。先頭のモングッジから25秒差で最終周回に突入する。

 追走集団では上りでアタックがかかり、抜け出したアレドンドとバリアーニ、そしてデネグリの3人が、山岳ポイントの手前でついにモングッジを捕えた。レースの最終局面は、NIPPOとヴィーニファンティーニが2対2の戦いとなった。

 スプリント力ではやや劣るNIPPO勢は、アップダウンで攻撃を仕掛け、まずは単独先行で脚を使っていたモングッジをふるい落とした。先頭3人は周回コースを抜け、そのまま最初のパレードで渡った天竜川を逆に渡ってゴールへと向かう。

 2対1でNIPPO有利かと思われたスプリント争いだったが、ゴール手前200mでデネグリが最後尾から加速すると、NIPPOの2人はまるで反応することができなかった。デネグリが数の不利をものともしない強力なスプリントでステージ優勝を手にした。

西薗良太はステージ7位。総合では日本人最高位の4位に浮上した西薗良太はステージ7位。総合では日本人最高位の4位に浮上した
土井雪広は14位ゴール土井雪広は14位ゴール
日本人を複数含む15位集団。先頭は平塚吉光日本人を複数含む15位集団。先頭は平塚吉光
ステージ優勝を飾ったデネグリステージ優勝を飾ったデネグリ
デネグリはポイント賞ジャージも獲得デネグリはポイント賞ジャージも獲得

 「アレドンドとバリアーニに上りで付いていけたことが大きかった。NIPPOは上りでとても強かったが、スプリントには自信があるので、彼らから最後まで離れなかったことが勝利につながった」と話すデネグリ。この日のように、比較的短距離の上りを繰り返すコースは得意としているという。デネグリはこの日総合ポイント賞のブルージャージも獲得した。

アレドンドが昨年に続き、ここ飯田ステージで総合リーダーの座についたアレドンドが昨年に続き、ここ飯田ステージで総合リーダーの座についた

 ステージで敗れたNIPPOの2人だが、総合では1位と2位に躍り出た。総合トップはアレドンド。昨年の飯田ステージではNIPPOが1-2フィニッシュを飾ってアレドンドがリーダージャージを獲得しており、今年もほぼその再現といえる展開となった。

 アレドンドは「目標は総合優勝。ステージ優勝にはこだわっていない」と話す。昨年は富士ステージでチームメートのバリアーニにリーダージャージを譲る形になったが、「この順位を守りたい。とにかく総合優勝することを考えて、自分に期待して走りたい」と静かに決意を語った。

 各賞ジャージは、個人総合のアレドンドをはじめ、ポイント賞はデネグリ、山岳賞がダビデ・ヴィガノ(イタリア、ランプレ・メリダ)、新人賞がアレドンドと、総合4賞全てが入れ替わる結果となった。

山岳賞は逃げでポイントを荒稼ぎしたヴィガノが獲得山岳賞は逃げでポイントを荒稼ぎしたヴィガノが獲得
新人賞も獲得したアレドンド。長野県観光PRキャラクター「アルクマ」くんと新人賞も獲得したアレドンド。長野県観光PRキャラクター「アルクマ」くんと

 この日は前日同様に日差しの強い初夏の陽気となり、気温も上昇。厳しいレース展開に集団から脱落する選手も多く、この日は未出走を含めて23人もの選手がレースを去ることになった。

 「ツアー・オブ・ジャパン」は移動日を1日挟んで、24日には最大の勝負所となるヒルクライムレース「富士山ステージ」を迎える。

第3ステージ結果
1 ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) 3時間52分40秒
2 フォルッナート・バリアーニ(イタリア、チームNIPPO・デローザ) +0秒
3 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、チームNIPPO・デローザ)
4 クリスティアーノ・モングッジ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) +20秒
5 ダレン・ラフォーン(オーストラリア、ドラパックサイクリング)
6 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストン アンカー)

個人総合順位
1 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、チームNIPPO・デローザ) 7時間55分40秒
2 フォルッナート・バリアーニ(イタリア、チームNIPPO・デローザ) +2秒
3 ダレン・ラフォーン(オーストラリア、ドラパックサイクリング) +24秒
4 西薗良太(チャンピオンシステム プロサイクリングチーム) +24秒
5 クリスティアーノ・モングッジ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) +30秒
6 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストン アンカー) +31秒

総合ポイント賞
1 ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)25pts
2 パク・ソンビャク(韓国、KSPO) 25pts
3 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、チームNIPPO・デローザ) 24pts

総合山岳賞
1 ダビデ・ヴィガノ(イタリア、ランプレ・メリダ) 19pts
2 ロビー・ハッカー(オーストラリア、ドラパック サイクリング) 14pts

新人賞
1 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、チームNIPPO・デローザ) 7時間55分40秒

チーム総合
1 チームNIPPO・デローザ 23時間50分06秒

(写真・文 米山一輝)

 

【映像:TOUR OF JAPAN組織委員会/2013】

 

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