ツアー・オブ・ジャパン2013 第2ステージパクがイタリア勢を蹴散らしスプリント勝利、総合でも首位に 韓国勢が3賞を独占

  • 一覧

 ツアー・オブ・ジャパンは21日、第2ステージが岐阜県美濃市で行われ、パク・ソンビャク(韓国、KSPO)がゴールスプリントを制して優勝した。パクはボーナスタイムを得て総合時間でもトップに立ち、グリーンのリーダージャージを獲得した。

パク・ソンビャク(韓国、KSPO)がスプリント争いを制してステージ優勝パク・ソンビャク(韓国、KSPO)がスプリント争いを制してステージ優勝

 この日は「うだつの上がる町並み」で知られる美濃市の旧市街をスタートし、昨年の岐阜国体で自転車競技が行われた21.3kmの周回を7周半する、160.7kmのコース。この周回路は、長良川沿いで下り基調の広い道が中心で、1カ所だけ約2kmの丘越えがあるものの、全体としてはスピード系に分類される。スプリント狙いのチームが主導権を握るステージだ。

“うだつ”の上がる町並み。家屋の2階屋根下にうだつ(防火壁)が並ぶ“うだつ”の上がる町並み。家屋の2階屋根下にうだつ(防火壁)が並ぶ
地元のゆるキャラ「うだつくん」も応援に駆け付けた。シマノレーシングの野寺監督と地元のゆるキャラ「うだつくん」も応援に駆け付けた。シマノレーシングの野寺監督と
レース前に別府匠監督(右)と打ち合わせをする西谷泰治(左)レース前に別府匠監督(右)と打ち合わせをする西谷泰治(左)
旧市街地の歴史的な町並みからスタートする旧市街地の歴史的な町並みからスタートする
スタート最前列に並んだ各賞リーダージャージを着る3人スタート最前列に並んだ各賞リーダージャージを着る3人
2人での大逃げとなったジャン・チャンジェとジャン・ジミン2人での大逃げとなったジャン・チャンジェとジャン・ジミン

 レースはスタート直後にアタックをしたジャン・チャンジェ(韓国、チャンピオンシステム)とジャン・ジミン(韓国、KSPO)が抜け出し、逃げを容認したメーン集団に大きく差を付ける展開となった。

 メーン集団はリーダーチームの愛三工業がコントロールするが、現韓国チャンピオンのジャン・チャンジェらのスピードは強力で、逃げた2人は最初の60kmを過ぎる頃には10分弱の大差を築き上げた。初夏の強い日差しが、選手たちの体力をじりじり奪う。

 残り5周、ゴールまで約100kmの頃からようやくランプレ・メリダやヴィーニファンティーニ・セッレイタリアなどがメーン集団の牽引に加わり、先頭との差は減少に転じた。残り4周でその差は8分半、残り2周では3分半へと急速に縮まった。

レース後半、ランプレ・メリダやヴィーニファンティーニ・セッレイタリアもメーン集団のコントロールに加わったレース後半、ランプレ・メリダやヴィーニファンティーニ・セッレイタリアもメーン集団のコントロールに加わった
補給所を通過する逃げの2人補給所を通過する逃げの2人
補給所に差し掛かるメーン集団補給所に差し掛かるメーン集団
ジャン・ジミンが落車で遅れ、ジャン・チャンジェ1人での逃げとなるジャン・ジミンが落車で遅れ、ジャン・チャンジェ1人での逃げとなる
メーン集団の先頭を走る中根英登(チームNIPPO・デローザ)メーン集団の先頭を走る中根英登(チームNIPPO・デローザ)

 先頭ではジャン・ジミンが落車しストップしたことで、ジャン・チャンジェ1人のみでの逃げになった。山岳ポイントを先頭のまま通過するジャンだが、集団はすでにジャンから約30秒差にまで迫る。残り1周を前に、ジャンは吸収されてレースは振り出しに戻った。

 最終周回はスプリントをにらんだ戦いとなった。上りで西薗良太(チャンピオンシステム プロサイクリングチーム)ら数人が僅かに抜け出すが、下りですぐに吸収。集団前方はマキシミリアーノ・リケーゼを擁するランプレ勢が主にペースを作る。

スプリントはパクが果敢な先行を見せたスプリントはパクが果敢な先行を見せた

 下りきって3カ所の直角コーナーを抜けると、残り1kmは直線路だ。ランプレとヴィーニファンティーニのイタリア勢同士の勝負かと思われたが、ゴール前200mで先頭に踊り出たのは上下黒のウェア、KSPOのパクだった。パクはそのままゴールラインを先頭で駆け抜けて優勝。ガッツポーズで勝利の雄叫びを上げた。

 ゴール争いをした先頭集団はわずか5人。残り1kmで中切れが発生したためだ。リーダージャージの西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)は、4秒遅れの第2集団で11位ゴール。ステージ1位の10秒のボーナスタイムと合わせて、パクに総合成績での逆転を許す結果となってしまった。総合3位に後退した西谷は「明日はまたレースが大きく動く。苦手なコースではないので、希望を捨てずに頑張りたい」と語る。しかしこの日、愛三工業はアシストの綾部勇成を落車リタイアで失い、今後がの戦いが厳しくなった。

西谷らの集団は先頭からわずかに離れてしまった西谷らの集団は先頭からわずかに離れてしまった
集団が分かれたことで、西谷はリーダージャージを手放す結果となった集団が分かれたことで、西谷はリーダージャージを手放す結果となった
美濃和紙の法被を着てご機嫌のパク美濃和紙の法被を着てご機嫌のパク

 優勝したパクは、韓国の国内選手権をはじめアジア選手権やアジア大会でも勝利経験がある、韓国を代表する選手。日本ではツール・ド・北海道で2004年と2010年にステージ2勝ずつを挙げており、梅丹本舗チームに所属していたこともあるなど、日本のファンにはおなじみの選手だ。

 「最後はランプレやヴィーニファンティーニの選手の後ろにつけ、最終コーナーを5番手あたりの良いポジションでクリアーできたことが勝利に結びついた。今日は非常に幸運だった」と話すパク。6月には自国最大のレースである“ツール・ド・韓国”を控えており、「ツアー・オブ・ジャパンで頑張ることで、韓国のレースに向けての厳しいトレーニングとしたい。総合でも頑張るが、富士の上りがとてもきついので、まず各ステージのスプリントを狙っていく」と意気込みを語った。

総合山岳賞は逃げ続けたチャンが獲得総合山岳賞は逃げ続けたチャンが獲得
総合リーダージャージを獲得したパク総合リーダージャージを獲得したパク。ポイント賞も獲得

 パクは総合リーダーと共に、ポイント賞のブルージャージも獲得。山岳賞のレッドジャージは逃げ続けて山岳ポイントを重ねたチャンが、新人賞のホワイトジャージはアンドレア・パリーニ(ランプレ・メリダ)が獲得した。レース展開、結果とも、韓国勢の活躍が目立つステージとなった。

◇           ◇

 第3ステージは5月22日に長野県飯田市で、厳しいアップダウンを含む148kmで争われる。コースの難易度が高いだけに、総合争いが大きく動くことが予想される。

 午前8時45分にスタートするレースの模様は、地元の飯田ケーブルテレビが今年もインターネットライブ中継を行なう。同局のWebサイト(http://www.iidacable.tv)、またはUSTREAMサイト(http://ustre.am/Bg21)で視聴できる。また、twitterによる応援メッセージは、ハッシュタグ #iidacatv で募集される。

第2ステージ結果
1 パク・ソンビャク(韓国、KSPO) 3時間59分23秒
2 ミケーレ・メルロー(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) +0秒
3 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ)
4 ウィリアム・ウォーカー(オーストラリア、ドラパック サイクリング)
5 アンドレア・パリーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6 シモーネ・カンパニャーロ(イタリア、チームNIPPO・デローザ) +4秒

個人総合順位
1 パク・ソンビャク(韓国、KSPO) 4時間02分50秒
2 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ) +2秒
3 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) +2秒
4 アンドレア・パリーニ(イタリア、ランプレ・メリダ) +6秒
5 ソ・ジョンヤン(韓国、KSPO) +9秒
6 マリウス・ヴィズィアック(ポーランド、マトリックス パワータグ) +9秒

総合ポイント賞
1 パク・ソンビャク(韓国、KSPO) 25pts
2 ミケーレ・メルロー(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) 20pts
3 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ) 18pts

総合山岳賞
1 チャン・ジェジャン(韓国、チャンピオンシステム プロサイクリングチーム) 15pts
2 ジャン・ジミン(韓国、KSPO) 6pts
3 中根英登(チームNIPPO・デローザ) 5pts

新人賞
1 アンドレア・パリーニ(イタリア、ランプレ・メリダ) 4時間02分56秒

チーム総合
1 愛三工業レーシングチーム 12時間09分01秒

(写真・文 米山一輝)

 

【映像:TOUR OF JAPAN組織委員会/2013】

 

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

ツアー・オブ・ジャパン2013

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

  • タイム
    アルプデュエズ01 ディスク

    ディスクブレーキで伝統の走りを進化

  • リブ
    AVAIL ADVANCED

    走る好奇心を止めない リブの新型‟無敵”ロードバイク

  • インプレッション一覧へ

    連載