ジロ・デ・イタリア2013 第12ステージ雨のショートステージ カヴェンディッシュが通算100勝目 ウィギンス屈辱の総合争い脱落

  • 一覧

 イタリアで開催中のジロ・デ・イタリアは16日、第12ステージがロンガロネからトレヴィーゾの間で行われ、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)が集団ゴールスプリントを制して今年のジロ3勝目、自身通算100勝目を挙げた。個人総合首位はヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)が守っているが、総合4位に付けていた昨年のツール・ド・フランス王者、ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)がメーン集団から遅れ、総合優勝争いから事実上脱落した。

区間優勝を達成したカヴェンディッシュ。自身通算100勝目だ区間優勝を達成したカヴェンディッシュ。自身通算100勝目だ

 この日のステージは距離134kmと、タイムトライアルを除く今ジロの中間ステージとしては最短。山岳ポイントも途中に4級山岳が2つあるのみで、スプリント勝負が濃厚なショートステージだ。

 本来であれば総合を争う選手は「休戦日」となるべきステージだが、天候不順が続く今年のジロは、この日も大粒の雨が降る中でのレース。これが総合勢にも波乱を呼ぶことになった。

まず逃げを決めた4人の選手まず逃げを決めた4人の選手
メーンから単独で飛び出して逃げに追い付きにかかるマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)メーンから単独で飛び出して逃げに追い付きにかかるマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)


マルカートを先頭に逃げ続ける5人の逃げ集団マルカートを先頭に逃げ続ける5人の逃げ集団

 レースは前半から5人の選手が逃げる展開。ファビオ・フェッリーネ(イタリア、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ)、マキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ チーム)、ベルト・デバッケル(ベルギー、チーム アルゴス・シマノ)、マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)、マウリツ・ラメルティンク(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)からなる逃げ集団は、メーン集団に最大3分以上の差を付けた。中でもヴァカンソレイユはエースナンバーのマルカートを含む2人が逃げに入り、逃げ切りでのステージ勝利を狙う。

 逃げを容認したメーン集団は、前半からオメガファルマ勢など、スプリント狙いのチームが先頭を牽引。ステージの距離が短いこともあり、逃げ集団に対してあまり大きな差を与えずにコントロールを続けている。

 レース後半、2つ目の4級山岳を越え、残すは平坦のみというところになって、メーン集団に異変が起きた。集団が中切れを起こし、後ろの集団にウィギンスが入ってしまったのだ。

 今回のジロでは、雨のステージの下り区間で再三集団から遅れる姿を見せていたウィギンス。この日も下りで遅れたか。スカイのチームメートが集団でカバーして一度はメーン集団に追い付くが、逃げに対する追走のペースアップが本格化する中、メーン集団は再度割れ、またもやウィギンスは前に残れない。

 これまた再度スカイ勢が束になってメーン集団を追走するが、明らかに苦しそうなウィギンスは、このチームメートが牽引する集団にも付いていけずに離れてしまう。チームメート達は再び待って牽引するが、肝心のウィギンスが付いて来れなければ、ペースを上げることもできない。

メーン集団で先頭を引くスティーヴン・カミングス(イギリス、BMCレーシングチーム)メーン集団で先頭を引くスティーヴン・カミングス(イギリス、BMCレーシングチーム)

 一方メーン集団では、ウィギンスの不調が伝わったか、総合狙いのBMCの選手も牽引に加わってペースを上げ、ウィギンスの集団にとどめを刺しに掛かる。風邪で体調不良とも伝えられているウィギンスは、総合争いの舞台ではないはずのこのステージで、まさかの遅れをとる展開となってしまった。

 追いつめられつつある逃げ集団は、メーン集団から約30秒の差をもってゴールのトレヴィーゾの街に突入。一度ゴール地点を通過した後、急なコーナーが続く市街地の7.5kmの周回を1周してゴールとなる。ようやく雨は止んだものの、路面はまだ濡れたまま。凸凹や横断歩道のペイントなどの“障害物”も多い市街地のコースに、メーン集団も思うようにタイム差を縮められない。

 わずかな望みをつないで残り1kmを前で通過した逃げの5人だが、残り500mでついにメーン集団に吸収されてしまった。ここからはスプリンターの勝負。チームメートのリードアウトを得たカヴェンディッシュが、残り150mで最高の形で先頭に解き放たれた。こうなると現役最強スプリンターに敵はいない。カヴェンディッシュが今年のジロ3勝目を手に入れた。

 カヴェンディッシュはこれが通算100勝目。表彰式では「100」の文字が入った記念のTシャツを観客に投げ入れアピール。この日はポイント賞リーダーの座も取り戻している。個人総合ではニバリが危なげなくマリア・ローザをキープした。

ウィギンスを囲みながら遅れてゴールしたスカイ勢ウィギンスを囲みながら遅れてゴールしたスカイ勢

 ウィギンスはチームメートに守られながら、メーン集団から3分17遅れて屈辱のゴール。総合争いから脱落するとともに、スカイのエースは事実上、リゴベルト・ウラン(コロンビア)に交代することになった。鳴り物入りの優勝候補筆頭として参戦したウィギンスが、今後果たしてウランのアシストに回るのか、それともジロ撤退の決断を下すのか、その動向が注目される。

(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

第12ステージ結果
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 3時間01分47秒
2 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ) +0秒
3 ルカ・メゲッツ(スロベニア、チーム アルゴス・シマノ)
4 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レイディオシャック・レオパード)
5 ブレット・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
6 マヌエル・ベッレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル)
7 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8 サーシャ・モドロ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォレ・CSFイノクス)
9 イオアニス・タモリディス(ギリシャ、エウスカルテル・エウスカディ)
10 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター チーム)

個人総合(マリア・ローザ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 46時間28分14秒
2 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +41秒
3 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイ プロサイクリング) +2分04秒
4 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ブランコ プロサイクリングチーム) +2分12秒
5 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ) +2分13秒
6 マウロ・サンタンブロージオ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) +2分55秒
7 ブシェメスワフ・ニエメツ(ポーランド、ランプレ・メリダ) +3分35秒
8 ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム) +4分05秒
9 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル) +4分17秒
10 ラファル・マイカ(ポーランド、チーム サクソ・ティンコフ) +4分21秒

ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 83pts
2 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 73pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール プロサイクリング) 60pts

山岳賞(マリア・アッズーラ)
1 ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォレ・CSFイノクス) 46pts
2 ジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ) 26pts
3 ロビンソンエドゥアルド・チャラプド(コロンビア、コロンビア) 23pts

新人賞(マリア・ビアンカ)
1 ラファル・マイカ(ポーランド、チーム サクソ・ティンコフ) 46時間32分35秒
2 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル ラモンディアル) +1分05秒
3 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ブランコ プロサイクリングチーム) +4分34秒

チーム総合
1 スカイ プロサイクリング 138時間49分53秒
2 ブランコ プロサイクリングチーム +2分12秒
3 ランプレ・メリダ +9分44秒

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

ジロ・デ・イタリア2013

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載