女子高生が駅前でヘルメット着用を呼びかけ自転車乗車中の事故死者が全国ワースト 埼玉県警が啓発に本腰

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 埼玉県内で自転車を運転中に事故で死亡した人が4月末までに15人に上り、全国ワースト1となっていることが13日までの県警のまとめで分かった。県警によると、自転車をめぐる事故では自転車側に何らかの違反があったとみられる事例が多くなっている。ヘルメット着用で助かった可能性のあるケースも目立ち、「自転車月間」とされる5月にあわせて啓発活動に力を入れている。(中村昌史)

「恥ずかしがらずにヘルメットを」 高校生、浦和で着用呼びかけ

埼玉県内の高校生が交通安全のたすきをかけて、自転車乗車時のヘルメットの着用を呼びかけた埼玉県内の高校生が交通安全のたすきをかけて、自転車乗車時のヘルメットの着用を呼びかけた =さいたま市

 自転車に乗る際のヘルメット着用を呼びかけようと、県立浦和第一女子高の生徒らがJR浦和駅周辺でキャンペーンを行い、デザインにこだわったヘルメットを展示したり、LEDライトや反射板を配布したりした。

 県警によると、昨年度、自転車が関係する死亡事故のうち、死因の8割は頭部への致命傷。ヘルメットをかぶっていれば命が救われた例も多いとみられる。同校2年の加藤優莉(ゆり)さん(16)は「身近な自転車による事故の多さに驚いた。恥ずかしがらずにヘルメットを着用してもらえれば」と話した。

「日本一」の地域性背景

 県警交通企画課によると、今年4月末までに県内で自転車に乗っている際に交通事故で死亡した人は全国最多の15人。県内の交通事故による死者の24・2%を占めた。

埼玉県内の自転車運転中の事故死者数埼玉県内の自転車運転中の事故死者数

 過去5年の統計では、いずれも全国ワースト5以内の死者数を記録している。高齢者も目立ち、今年死亡した15人のうち過半数の8人を占めた。

 事故多発の背景には「自転車王国」とされる地域性があるようだ。埼玉は県民1人当たりの自転車保有率や、自転車出荷台数が全国1位。県警幹部も「平地が多く、自転車に乗りやすい環境がある」と指摘する。

 交通マナーの問題点も浮き彫りになっている。県警によると、自転車の関係した死亡事故のうち、自転車側に何らかの違反があったケースは約8割。交差点で一時停止をせずに進入したり、突発的な車線変更をしたりして衝突を招くなど、安全運転の義務違反に関係するものが多いという。

啓発+厳格対応も

 こうした中、道交法を適用して自転車の違反行為を摘発する対応も進む。平成23年の摘発数は74件で、前年の21件から大幅増。24年にはさらに増えて104件となり、今年もすでに46件の摘発があった。

 摘発対象となってきたのは、社会問題化したブレーキのない競技用自転車のほか、飲酒運転や整備不良の自転車を運転するなど、重大事故を招きかねない悪質なものが中心。さらに、口頭での指導・警告を繰り返し無視するなどの行為についても厳しく対処してきた。

 県警は自転車月間にあわせ、マナーアップの周知を図り、街頭での指導や取り締まりを強化している。

 県警幹部は「免許制度のない自転車の運転者にも甘えは許されない。速度の出る自転車の危険性を十分認識してほしい」と話した。

産経新聞・埼玉版より)

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