ジロ・デ・イタリア2013 第9ステージ雨の下りでアタックしたベルコフが独走優勝 昨年の覇者ヘシェダル遅れる

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 イタリアで開催中のジロ・デ・イタリアは12日、第9ステージがサンセポルクロからフィレンツェまでの181kmで行われ、雨の下りで単独アタックを敢行したマキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ チーム)が60km近くを独走で逃げ切って勝利した。マリア・ローザは変わらずヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)がキープするが、雨の山岳ステージで昨年のジロ覇者のライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)が遅れをとるなど、若干波乱含みの展開となった。

長距離の逃げを成功させて独走優勝を飾ったベルコフ長距離の逃げを成功させて独走優勝を飾ったベルコフ

 この日は途中に4つの山岳ポイントがあり、今回のジロで初めてカテゴリー1級の山岳を越える。ただ最後は頂上ゴールではないため、総合争いの日というよりは、逃げ切り勝ち狙いや山岳賞争いが中心となるステージだ。

スタートに立つニバリスタートに立つニバリ
スタートは好天に恵まれた第9ステージだったが…スタートは好天に恵まれた第9ステージだったが…


逃げグループに入った山岳リーダーのヴィスコンティだったが…逃げグループに入った山岳リーダーのヴィスコンティだったが…

 レースは序盤から逃げを狙うアタックが繰り返され、12人の逃げ集団が形成された。現在青の山岳賞リーダージャージを着るジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム)や、山岳賞争いで3位につけるステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォレ・CSFイノクス)、5位のロビンソンエドゥアルド・チャラプド(コロンビア、コロンビア)が含まれている。

 最初の2級山岳の頂上前、山岳ポイント争いに飛び出したのはピラッツィとチャラプドの2人。先行したピラッツィをポイント目前でかわそうとしたチャラプドだが、コーナーの内側から抜こうとしたため、前を走るピラッツィに行く手を阻まれる形になってブレーキ。山岳ポイントはピラッツィが先頭通過し、チャラプドは怒りのアピールを見せた。2人に反応できなかったヴィスコンティは山岳4位通過で、山岳賞リーダーの座が危うくなった。

 下りに入ってもそのまま2人が先行する形。ここに下りで単独追い付いてきたマキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ チーム)が合流し、3人の先頭グループとなる。天気は分厚い雲から、ついに雨が降り始めた。メーン集団は先頭から約6分差で、マリア・ローザのニバリを擁するアスタナが淡々とコントロールする。

山岳ポイントを取りに行くピラッツィ山岳ポイントを取りに行くピラッツィ

 続く1級山岳の上りでは、今度はチャラプドがアタック。ピラッツィがチームカーと会話をしている隙を狙っての不意打ちだ。これをピラッツィが追走して潰し、2人が睨み合いの牽制をしている間にベルコフが淡々と追い付いてくるという不安定な展開。山岳ポイント争いは、残り1kmで切れの良いアタックを見せたピラッツィが、追い込むチャラプドから逃げ切って再びトップ通過し、この日を終えての山岳賞トップを確定させた。淡々と上るベルコフは45秒差で頂上を通過する。

 ここから雨の下りが約30kmほど続く。下り始めて5kmほどで早くも先頭の2人に追い付いたベルコフが、今度はそのまま2人を置き去りにして単独先頭に立った。身長184cmと大柄なベルコフは安定したハイペースを刻み、下りを終えた時点で2位グループに対し、約3分の大差を築き上げることに成功した。

この日も危なげない走りを見せたマリア・ローザのニバリ。エヴァンス(左)も安定しているこの日も危なげない走りを見せたマリア・ローザのニバリ。エヴァンス(左)も安定している

 一方メーン集団は1級山岳からの下りで、昨年のツール・ド・フランス覇者で今回も優勝候補の一角であるブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)が集団から遅れてしまい、スカイのアシスト勢が集団でメーン集団に引き戻す姿が見られた。今回のジロでは雨のステージですでにタイムを失っているウィギンスは、この日の下りでも一時は1分以上遅れ、脚力以外の部分で弱味を露呈した形だ。

 独走を続けるベルコフは、続く3級山岳、4級山岳も先頭で通過。上りはマイペースながら、下りと平坦で安定したスピードを最後まで保って、そのままゴールまでの逃げ切りに成功。自身のジロ初勝利を飾った。

 カチューシャチームは今回のジロ2勝目。今シーズン当初はUCIのプロツアーライセンス不認可騒動から、一時はジロ出場も危うかったが、そのイメージを払拭する活躍を見せている。

区間2位に入ったベタンクールは“ガッツポーズ”でゴール区間2位に入ったベタンクールは“ガッツポーズ”でゴール

 2位には最後追い込んだメーン集団から単独アタックを掛けたカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル ラモンディアル)が、優勝と勘違いしたようなガッツポーズでゴール。3位には逃げ集団から生き残りのハリンソン・パンタノ(コロンビア、コロンビア)が入った。

 マリア・ローザのニバリはメーン集団でゴールして首位を堅守。下りで危うさを見せたウィギンスも、最終的には集団でレースを終えた。しかし最後の4級山岳で昨年のジロの覇者であるヘシェダルが脱落。メーン集団から1分余り遅れてのゴールとなり、総合で6位から11位に転落した。

 初日から休み無くレースを続けたジロは、ようやく最初の休養日を迎える。休養日を挟んでの2週目は、本格的な山岳ステージが目白押しとなり、総合争いがより激しくなっていくことが予想される。

(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

第9ステージ結果
1 マキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ チーム) 4時間31分31秒
2 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル ラモンディアル) +44秒
3 ハリンソン・パンタノ(コロンビア、コロンビア) +46秒
4 トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、チーム アルゴス・シマノ) +54秒
5 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +1分03秒
6 ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム)
7 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)
8 マウロ・サンタンブロージオ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア)
9 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール プロサイクリング)
10 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)

個人総合(マリア・ローザ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 34時間19分31秒
2 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +29秒
3 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ブランコ プロサイクリングチーム) +1分15秒
4 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) +1分16秒
5 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ) +1分24秒
6 セルジオルイス・エナオ(コロンビア、スカイ プロサイクリング) +2分11秒
7 マウロ・サンタンブロージオ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) +2分43秒
8 ブシェメスワフ・ニエメツ(ポーランド、ランプレ・メリダ) +2分44秒
9 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイ プロサイクリング) +2分49秒
10 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム) +3分02秒

ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)
1 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 61pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 58pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール プロサイクリング) 52pts

山岳賞(マリア・アッズーラ)
1 ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォレ・CSFイノクス) 38pts
2 ロビンソンエドゥアルド・チャラプド(コロンビア、コロンビア) 23pts
3 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム) 16pts

新人賞(マリア・ビアンカ)
1 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ブランコ プロサイクリングチーム) 34時間22分57秒
2 ラファル・マイカ(ポーランド、チーム サクソ・ティンコフ) +43秒
3 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル ラモンディアル) +2分11秒

チーム総合
1 ブランコ プロサイクリングチーム 102時間19分07秒
2 スカイ プロサイクリング +1分32秒
3 ランプレ・メリダ +4分21秒

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