ツール・ド・フランス2012 第9ステージマイヨジョーヌが見せた強さ ウィギンスが個人TTで圧勝

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 ツール・ド・フランス第9ステージはアル・ケ・スナン〜ブザンソンの41.5kmで争われる個人タイムトライアル。前半は起伏があり、終盤はテクニカルなコーナーが続くコースだ。休息日を控え、総合を争う選手たちが熱い走りを見せた。その中でももっとも輝いたのが、総合首位でスタートしたブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)だった。

マイヨジョーヌを着てのTTでツール初勝利を飾ったブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)マイヨジョーヌを着てのTTでツール初勝利を飾ったブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)

 今日のステージ上位進出の目安となるであろうタイムを最初に記録したのは、個人タイムトライアルの世界チャンピオン、トニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ)。プロローグではパンクしバイク交換を交換したマルティンだが、なんとこのステージでもパンク。今ツールは落車で手をカゲするなど、まったくついていない。それでも53分40秒というタイムを出した。

現TT世界チャンピオンのトニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ)。TTではさすがの存在感を見せた現TT世界チャンピオンのトニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ)。TTではさすがの存在感を見せた
スタート台に立つグスタフ・ラーション(スウェーデン、ヴァカンソレイユ・DCM)スタート台に立つグスタフ・ラーション(スウェーデン、ヴァカンソレイユ・DCM)

 マルティンのタイムを塗り替えたのは、やはりファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・ニッサン)だった。登坂は淡々とこなしながらも、第1計測ポイントを別格のタイムで通過していく。下りやコーナリングの切れ味も鋭い。カンチェッラーラは52分21秒でフィニッシュして暫定トップに躍り出た。

トマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー)は5分22秒差の66位で走ったトマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー)は5分22秒差の66位で走った
第6ステージで敢闘賞を獲得しているデイヴィッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ・バラクーダ)。4分50秒差の54位第6ステージで敢闘賞を獲得しているデイヴィッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ・バラクーダ)。4分50秒差の54位

 しかし、カンチェッラーラより後にスタートしたシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ)、ペーター・ ヴェリトス(スロバキア、オメガファルマ・クイックステップ)といった選手たちも、第1計測ポイントをなかなかの好タイムで通過していく。シャヴァネルは前走者を追い越して52分48秒でゴール。この様子なら、カンチェッラーラのタイムを塗り替える選手が出てくるかもしれない。

アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ プロチーム)は3分47秒差の30位アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ プロチーム)は3分47秒差の30位

 そして最初にカンチェッラーラを脅かしたのは、ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)。プロローグで好調だったヴァンガードレンは、第1計測ポイントでカンチェッラーラを3秒上回る。第2計測ポイントでも2秒のリード。タイム更新に期待がかかるが、後半疲れたかわずかに及ばず、9秒遅れの52分30秒でフィニッシュ。この時点の暫定2位となる。

 スタート順が後になるほど、総合上位となるこのステージ。やはり、第1・第2計測ポイントをまずまずのタイムで通過していく選手が続々と現れる。そしてクリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)が第1計測ポイントでトップタイムを叩き出す。

ステージ5位に終わったカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)ステージ5位に終わったカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)

 そんな中で苦しいレースとなってしまったのが、昨年の覇者でタイムトライアルが得意なカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)だ。上位陣が第1計測ポイントを21分台で通過する中、エヴァンスは22分台。後方からは現在総合首位のブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)がロケットスタートを決めていた。

 フルームは51分59秒でフィニッシュし、これでカンチェッラーラのステージ勝利が消える。エヴァンスは53分07秒でフィニッシュ。この時点の暫定5位となる。気になるのは、後からやってくるウィギンスのタイム。

 エヴァンスのフィニッシュから程なくして見えてくるウィギンスの姿。黄色いワンピースに身を包んだウィギンスが最後までもがく。出したタイムは51分24秒で、まさに圧勝。ステージ優勝はウィギンス、2位にフルーム、3位にカンチェッラーラ、エヴァンスは6位という結果になった。ウィギンスはツールのステージを初めて勝利した。

TT改善の成果を見せたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)TT改善の成果を見せたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

 ウィギンスは当然ながら総合首位を守り、2位のエヴァンスに1分53秒の差をつけて休息日を迎える。エヴァンスに次ぐ総合3位には2分7秒遅れのフルーム。そしてこのステージをそつなくまとめたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)は2分23秒遅れの総合4位につけている。新人賞はヴァンガードレンが取り返した。

 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー)はこのステージを58分38秒の125位でフィニッシュしている。

 

第10ステージ結果
1 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) 51分24秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) +35秒
3 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・ニッサン) +57秒
4 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +1分6秒
5 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ) +1分24秒
6 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +1分43秒
7 ペーター・ ヴェリトス(スロバキア、オメガファルマ・クイックステップ) +1分59秒
8 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +2分7秒
9 デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ チーム) +2分0秒
10 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レイディオシャック・ニッサン) +2分0秒
125 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +7分14秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) 39時間9分20秒
2 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +1分53秒
3 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) +2分7秒
4 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +2分23秒
5 デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ チーム) +3分2秒
6 アイマル・スベルディア(スペイン、レイディオシャック・ニッサン) +3分19秒
7 マキシム・モンフォール(ベルギー、レイディオシャック・ニッサン) +4分23秒
8 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +5分14秒
9 ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル チーム) +5分20秒
10 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル ラモンディアル) +5分29秒
121 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +48分25秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 217 pts
2 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 185 pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル チーム) 172 pts
4 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、スカイ プロサイクリング) 129 pts
5 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD) 109 pts
6 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) 95 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ プロチーム) 21 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 20 pts
3 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 18 pts
4 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ・ビッグマット) 16 pts
5 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) 12 pts
6 ミカエル・モルコフ(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク) 9 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 39時間14分34秒
2 レイン・タラマエ(エストニア、コフィディス ルクレディアンリーニュ) +42秒
3 トニー・ギャロパン(フランス、レイディオシャック・ニッサン) +45秒
4 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ・ビッグマット) +3分39秒
5 ゴルカ・イサギレ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +5分11秒
6 ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、チーム ヨーロッパカー) +13分55秒

チーム総合
1 レイディオシャック・ニッサン 117時間36分25秒
2 スカイ プロサイクリング +1分25秒
3 オメガファルマ・クイックステップ +13分25秒

 
(文 須賀川健一/写真 砂田弓弦)

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