ジロ・デ・イタリア2013 第8ステージ若き英国チャンピオン、ドーセットがグランツールでもTT制覇 マリア・ローザはニバリの手に

  • 一覧

 ジロ・デ・イタリアは10日、第8ステージの個人タイムトライアルがガビッチェ・マーレからサルターラまでの54.8kmで行われ、アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター チーム)が1時間16分27秒のタイムで優勝した。総合成績首位のマリア・ローザは、トップから21秒遅れでゴールしたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)が獲得した。

マリア・ローザを着たニバリマリア・ローザを着たニバリ
レース前半に好タイムをマークしたアレックス・ドーセット。このタイムを破る選手は現れず、ステージ優勝を果たしたレース前半に好タイムをマークしたアレックス・ドーセット。このタイムを破る選手は現れず、ステージ優勝を果たした

 今ステージはTTとしては距離が長いうえ、難易度も高いコースになっている。曲がりくねった道が続くテクニカルな序盤、まっすぐな平坦路でスピードを出せる中盤、そして終盤の登りでは、ゴール前に近づくにつれて勾配がきつくなるという設定。ステージ優勝を狙うTTスペシャリストや、前日に遅れたブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)の巻き返し、TTが得意ではない総合上位勢がタイムを失わずにゴールできるかにも注目が集まる。

 レースの基準タイムとなったのは、39番スタートのドーセットが記録した1時間16分27秒。2011、12年のイギリスTTチャンピオンが見事なタイムを叩き出し、暫定首位として、緊張の面持ちで後続選手たちのゴールを待った。

 好タイムでゴールしてくるTTスペシャリストたちも現れるが、ステフ・クレメント(オランダ、ブランコ プロサイクリングチーム)が32秒遅れ、ルーク・ダルブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)も35秒遅れと及ばず。タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム)は14秒遅れで届かずステージ3位に入った。

2位となったウィギンス2位となったウィギンス

 優勝候補のなかでも一足早くスタートしたのは、総合23位のウィギンス。前日に失った1分24秒をTTだけで取り戻す力はもっているウィギンスだが、スタートしてから18分ほどでバイクを交換。その影響で26km地点の第1計測では遅れたものの、後半で追い上げ10秒遅れでゴール。バイク交換のロスが惜しまれるが、総合順位では4位に浮上した。

山岳リーダーの青いスーツに身を包むヴィスコンティ山岳リーダーの青いスーツに身を包むヴィスコンティ

 また、カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)は39秒遅れでゴール。安定した走りで総合2位につけた。得意なはずのTTで奮わなかったのが、前回王者のライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)。ドーセットから2分23秒遅れてのゴールで、ニバリとの差は2分5秒に開いてしまった。

 一方で、ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)は苦手なTTを見事に乗り切ってみせた。第1計測までをうまくこなし、51.5km地点の第2計測ではタイムを落としたものの、最後の上りで挽回し53秒遅れでゴール。

 こちらもTTが得意とは言えないニバリだが、最後から2番目でスタートとすると、驚きの走りを見せる。第1計測を1位通過し、スカルポーニと同様に第2計測で遅れながらも、最終的には21秒遅れでゴールした。これを見たドーセットは胸を撫で下ろし、最終走者、ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム)の結果を待つだけとなった。

力走するニバリ力走するニバリ
観客から声援を受けて走るマリア・ローザ、ベニャト・インチャウスティ観客から声援を受けて走るマリア・ローザ、ベニャト・インチャウスティ

 マリア・ローザを着るインチャウスティだったが、1.5kmを残しドーセットのタイム、1時間16分27秒が経過。これによりドーセットはステージ優勝が確定、一緒にレースを見守った家族と喜び抱き合った。古巣のスカイではグランツール出場の機会を与えられなかった24歳が、移籍1年目にして初のステージ優勝。英国TTチャンピオンとしての実力を証明した。

 結局、インチャウスティは4分2秒遅れでゴールし、マリア・ローザはニバリが獲得。この日の変動で、総合上位には優勝を争う選手が名を連ねており、今後の攻防に期待がかかる。休養日を翌日に控える第9ステージには、今大会初の1級山岳が登場する。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第8ステージ結果
1 アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター チーム) 1時間16分27秒
2 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) +10秒
3 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム) +14秒
4 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +21秒
5 ステフ・クレメント(オランダ、ブランコ プロサイクリングチーム) +32秒
6 ルーク・ダルブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +35秒
7 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +39秒
8 マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、チーム サクソ・ティンコフ) +45秒
9 セルジオルイス・エナオ(コロンビア、スカイ プロサイクリング) +53秒
10 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)

個人総合(マリア・ローザ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 29時間46分57秒
2 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +29秒
3 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ブランコ プロサイクリングチーム) +1分15秒
4 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) +1分16秒
5 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ) +1分24秒
6 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ) +2分05秒
7 セルジオルイス・エナオ(コロンビア、スカイ プロサイクリング) +2分11秒
8 マウロ・サンタンブロージオ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) +2分43秒
9 ブシェメスワフ・ニエメツ(ポーランド、ランプレ・メリダ) +2分44秒
10 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイ プロサイクリング) +2分49秒

ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 58pts
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール プロサイクリング) 52pts
3 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 49pts

山岳賞(マリア・アッズーラ)
1 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム) 14pts
2 エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ) 13pts
3 ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォレ・CSFイノクス) 12pts

新人賞(マリア・ビアンカ)
1 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ブランコ プロサイクリングチーム) 29時間50分23秒
2 ラファル・マイカ(ポーランド、チーム サクソ・ティンコフ) +43秒
3 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分05秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 88時間40分51秒
2 ブランコ プロサイクリングチーム +34秒
3 スカイ プロサイクリング +2分06秒

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

ジロ・デ・イタリア2013

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

  • タイム
    アルプデュエズ01 ディスク

    ディスクブレーキで伝統の走りを進化

  • リブ
    AVAIL ADVANCED

    走る好奇心を止めない リブの新型‟無敵”ロードバイク

  • インプレッション一覧へ

    連載