Jシリーズダウンヒル#1 びわこ高島大会新型カーボンバイクを投入した井本はじめが初戦優勝 若手が表彰台を占める

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ジャパンシリーズ初戦で優勝した井本はじめ選手ジャパンシリーズ初戦で優勝した井本はじめ選手

 国内最高峰となるMTBのシリーズ戦「ジャパンシリーズ」(Jシリーズ)が開幕した。ダウンヒルの初戦は5月3~4日にかけて滋賀県の箱館山スキー場で開催され、井本はじめ(LOVE BIKES)が優勝した。

 MTBダウンヒルは、スキー場のゲレンデ等を利用して作られた下り坂のコースを高速で駆け下りる個人タイムトライアル競技。過激でダイナミックな走りが見る者を魅了する“エクストリームスポーツ”としても人気が高い。今年のジャパンシリーズは全6戦で争われ、ポイントランキングによって年間のチャンピオンが決定する。

 まずは今季注目の体制と、機材スポーツとも言われるダウンヒル競技に使用されるトップライダー達のマシンを紹介する。

昨年のランキング1位を獲得し、ゼッケン1番をつける井手川直樹(Devinci/SUNSPI.com)のDevinci WILSONカーボン。チェーンステーを除き、カーボン製となっている。フロントフォークはエアスプリングのボクサー。ワールドカップへの参戦を前提に、多彩なセッティングを考慮に入れてエアタイプを導入している。今大会の前週に、同会場で行われた大会で転倒し万全の体調ではない中での参戦となった昨年のランキング1位を獲得し、ゼッケン1番をつける井手川直樹(Devinci/SUNSPI.com)のDevinci WILSONカーボン。チェーンステーを除き、カーボン製となっている。フロントフォークはエアスプリングのボクサー。ワールドカップへの参戦を前提に、多彩なセッティングを考慮に入れてエアタイプを導入している。今大会の前週に、同会場で行われた大会で転倒し万全の体調ではない中での参戦となった
2年連続の全日本チャンピオン、清水一輝(AKI FACTORY TEAM)のKONA Supreme Operator。昨年のアジア大陸選手権でも優勝し、いま最も乗れているライダーの1人。今大会はアルミ製を持ち込んだが、次戦までにはカーボンフレームの同バイクを導入する予定との事2年連続の全日本チャンピオン、清水一輝(AKI FACTORY TEAM)のKONA Supreme Operator。昨年のアジア大陸選手権でも優勝し、いま最も乗れているライダーの1人。今大会はアルミ製を持ち込んだが、次戦までにはカーボンフレームの同バイクを導入する予定との事
青木卓也(TEAM GIANT)のGIANT GROLY 0。ダニー・ハートが使用して世界選手権優勝バイクとなったこのマシン。効率的なペダリングを実現し、ブレーキングにも影響されない特性を持つ、マエストロサスペンションを採用したバイク青木卓也(TEAM GIANT)のGIANT GROLY 0。ダニー・ハートが使用して世界選手権優勝バイクとなったこのマシン。効率的なペダリングを実現し、ブレーキングにも影響されない特性を持つ、マエストロサスペンションを採用したバイク
MARSH/SANTACRUZで参戦する事になった永田隼也が持ち込んだのはSANTACRUZ V-10カーボン。チューブ入りの状態でも16キロ中盤と、ダウンヒルバイクとしては最軽量の部類に入るだろう。昨年までは井手川と一緒に試走する姿がよく見受けられたが、今年はずっと1人で練習走行していたのが印象的だった。「まだバイクに慣れていませんからね(笑)。まずは乗り込まないと。」とは本人の弁MARSH/SANTACRUZで参戦する事になった永田隼也が持ち込んだのはSANTACRUZ V-10カーボン。チューブ入りの状態でも16キロ中盤と、ダウンヒルバイクとしては最軽量の部類に入るだろう。昨年までは井手川と一緒に試走する姿がよく見受けられたが、今年はずっと1人で練習走行していたのが印象的だった。「まだバイクに慣れていませんからね(笑)。まずは乗り込まないと。」とは本人の弁
若手の九島勇気は今年からTURNER/玄武の体制でターナーDHRに乗る。オフシーズンにはニュージーランドに遠征し、良い環境でトレーニングできたそうだ。フロントフォークはFOXを使用若手の九島勇気は今年からTURNER/玄武の体制でターナーDHRに乗る。オフシーズンにはニュージーランドに遠征し、良い環境でトレーニングできたそうだ。フロントフォークはFOXを使用
井本はじめ(LOVE BIKES)は以前より噂されていたカーボンバイク、EVIL UNDEADを持ち込んだ。可変ヘッドアングル、オフセットされたリアユニットなど、メカニカルな部分でも最先端をいくバイクだ。まだ組んだばかり、というこのバイクは会場でも注目の的となっていた井本はじめ(LOVE BIKES)は以前より噂されていたカーボンバイク、EVIL UNDEADを持ち込んだ。可変ヘッドアングル、オフセットされたリアユニットなど、メカニカルな部分でも最先端をいくバイクだ。まだ組んだばかり、というこのバイクは会場でも注目の的となっていた
現役復帰を果たした最強のライダー、安達靖(DIRTFREAK/SARACEN)のSARACEN MYST。フロントフォークにはカヤバ製のスペシャルタイプを装着。カドワキコーティングによって塗装されたマットイエローが目を引く。大会期間中にカーボン製のリアバックが届き、本番ではそちらを使用していた現役復帰を果たした最強のライダー、安達靖(DIRTFREAK/SARACEN)のSARACEN MYST。フロントフォークにはカヤバ製のスペシャルタイプを装着。カドワキコーティングによって塗装されたマットイエローが目を引く。大会期間中にカーボン製のリアバックが届き、本番ではそちらを使用していた
国内では敵無しの強さを誇る女王、末政実緒は今年からDIRTFREAK/SARACENに移籍。こちらのMYSTは彼女のために特別に製作されたSサイズとなっている。ヘルメット、ジャージ、フレームと紫を基調としたコーディネート。このフレームもカドワキコーティングによって塗装されている国内では敵無しの強さを誇る女王、末政実緒は今年からDIRTFREAK/SARACENに移籍。こちらのMYSTは彼女のために特別に製作されたSサイズとなっている。ヘルメット、ジャージ、フレームと紫を基調としたコーディネート。このフレームもカドワキコーティングによって塗装されている
第1シングルトラックを走る清水一輝第1シングルトラックを走る清水一輝

 さてレースは、前日のタイムドセッションで阿藤寛(Topknot Racing)がマークした3:20.621を7秒近く上回る、驚異的なタイムで清水一輝が予選をトップ通過した。

路面コンディションは完全ドライとなる中で、予選2位の九島勇気に1.8秒の差をつけた。3位には新しいバイクを持ち込んだ永田隼也が続く。

 予選上位30名によってリバーススタートで行われる決勝では、予選13位通過だった井本はじめが3:14.305の好タイムでホットシートに座る。

得意の箱館山で、その走りが注目された安達靖は8位と沈んだ得意の箱館山で、その走りが注目された安達靖は8位と沈んだ

 そこから後続の予選上位選手達のタイムは意外に伸びず、ついに予選トップタイムの清水一輝の出番まで井本のタイムは更新されることはなかった。その清水もタイムを伸ばす事ができず、ゴール前で時計が動き始めるタイミングで、すでに井本のタイムを上回る事は不可能な事がわかるほど。この瞬間、井本の優勝が決まった。2位には九島、3位には今年からジャイアントのサポートを受ける浅野善亮(GIANT/HottSpin)が入り、若手が表彰台を占める結果となった。

 開幕戦に新しいカーボンバイクであるEVIL UNDEADを持ち込んだ井本だったが、ノーマークに近かったと言える中で、あっけなく優勝をさらっていった。

第2シングルトラックの出口を飛ぶ井本はじめ第2シングルトラックの出口を飛ぶ井本はじめ
男子表彰式、左から九島勇気、井本はじめ、浅野善亮男子表彰式、左から九島勇気、井本はじめ、浅野善亮

 「予選でも転倒していたし、みんなからあまり注目されてなかったのが逆に良かったです。バイクも調子良かったし、気持ちよく走れました」とコメント。多くの選手が決勝の1本で転倒やミスをしており、優勝候補だった清水も中盤で大きく転倒し、タイムを伸ばせなかった。ゴール後の清水は「ライバルは井本や九島だろうと思っていました。はじめの優勝には驚かないですね。(井本が)乗れているのはわかっていましたから」とコメントした。

 女子は末政実緒が貫禄勝ち、新しいチームに早くも勝利をプレゼントするかたちとなった。2位には若手の中川綾子、3位に中村美佳が入った。

第3シングルトラックに進入する末政実緒第3シングルトラックに進入する末政実緒
女子表彰式 左から中川綾子、末政実緒、中村美佳女子表彰式 左から中川綾子、末政実緒、中村美佳

 男子は有力選手が表彰台を逃し、波乱とも言える開幕となったが、ポイント争いは面白くなったと言えるだろう。次戦は5月31日と6月1日に、長野県の富士見パノラマ会場で開催される。

男子エリート結果
1 井本はじめ(Love bikes) 3:14.305
2 九島勇気(玄武/Turner) +0.719
3 浅野善亮(GIANT/HottSpin) +1.564
4 永田隼也(MARSH/SANTACRUZ) +1.751
5 井手川直樹(Devinci/SUNSPI.COM) +3.265
6 青木卓也(TEAM GIANT) +3.887
7 清水一輝(AKI FACTORY TEAM) +4.120
8 安達靖(DIRT FREAK/SARACEN) +4.404
9 向原健司 +5.789
10 小山航(BANSHEE) +6.716

女子エリート結果
1 末政実緒(DIRT FREAK/SARACEN) 3:39.893
2 中川綾子(Team YRS) +12.294
3 中村美佳(福井和泉MTB PARK) +15.366
4 中川弘佳 +18.078
5 木下論子(WAKO`s Zone 髑髏団) +30.976
6 九島あかね(玄武/Turner) +34.004


(文・写真 中川裕之)

中川裕之中川裕之(なかがわ ひろゆき)
’06年、大きな病気を乗り越える課程で写真を撮り始める。
’11年からは活動の場を海外に広げ、山の中を走る自転車レースを追いかけている。
MTBのコアな部分にフォーカスした雑誌SLmの発行人。
http://www.slmedia.jp/slm-mtbphotojournal/

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