ジロ・デ・イタリア2013 第5ステージゴール前1kmでの集団落車 混乱のスプリントをデゲンコルプが制してジロ初勝利

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 イタリアで開催中のジロ・デ・イタリアは第5ステージ。コゼンツァからマテーラに至る203kmのレースは、ゴールまで残り1kmのコーナーで落車が発生。混乱の中のゴールスプリントを力でねじ伏せたジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ)が勝利した。総合首位のマリア・ローザはルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ チーム)が変わらずキープしている。

第5ステージを制したジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ)第5ステージを制したジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ)
昨日の遅れの件をウイギンスに説明するスカイの広報、チョーニ昨日の遅れの件をウイギンスに説明するスカイの広報、チョーニ
スタートで余裕を見せるマリア・ローザのパオリーニスタートで余裕を見せるマリア・ローザのパオリーニ
コゼンツァをスタートコゼンツァをスタート

 ジロはイタリア南部でのステージが続く。この日は全体としてはほぼ平坦なものの、残り20kmで短いながらも急な峠を越え、その後もアップダウンをこなして最後は市街地に若干上り基調でゴールするという、一筋縄ではいかないステージだ。ゴール地点のマテーラは、サッシ(洞窟住居)が有名で、ユネスコの世界遺産にも登録されている。

 レースはスタート直後のアタック合戦から、6人の逃げが形成され、途中1人がメーン集団に戻って5人の逃げとなった。逃げは最大で7分差をメーン集団に付けるが、レース中盤より徐々にをスプリント勝負を狙うチームがメーン集団のコントロールを担うようになり、その差は縮まり始めた。

途中で降り出した強い雨の中を逃げる選手途中で降り出した強い雨の中を逃げる選手

 前日に引き続き、やや天気は不安定で、時折大粒の雨が選手たちを濡らす。メーン集団はアルゴス・シマノ、オリカ・グリーンエッジが中心となってペースを作り、残り30kmでその差は2分を切るところまで縮まった。

 残り25kmを切り、4級山岳の上りに入ったところで逃げは吸収。集団先頭はモビスターがペースを作る。距離は短くカテゴリーも4級と低い上りだが、後半の傾斜がきつく、最大勾配は10%に達する意外な難所だ。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)ら“上りに対応できない”スプリンターたちは、ここでメーン集団から遅れを取ってしまった。

 山頂付近でのアタックから、3人の逃げが約10秒差で残り10kmを通過する展開。最終局面に向けてペースが上がる中、現在総合2位のリゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイ プロサイクリング)や、総合11位のトム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)がパンクでの一時停止を強いられる。雨は上がったが、濡れた路面にはまだ小さなゴミが多そうだ。

 残り8kmで逃げは吸収。代わって残り5kmでユベール・デュポン(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル)がアタック。牽制気味の集団を尻目に差を広げるが、マテーラの市街地に入っての残り3kmで吸収される。集団先頭はBMCレーシングが固め、2番手にはカデル・エヴァンスがステージを狙うかのように陣取るが、残り2kmで他のチームもどんどん先頭に上がってくる。

 いよいよ残り1km目前。ところがここで集団の3番手に付けていたアルゴス・シマノのアシスト選手が、直角コーナーで車輪を滑らせ、すぐ前を走っていた2番手の選手を巻き込みながら落車してしまう。ほぼ先頭で起こったこのアクシデントに集団は大混乱。先頭にいて唯一難を逃れたマルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォレ・CSFイノクス)が、1人抜け出した形で残り1kmを通過する。

この日もマリア・ローザを守ったパオリーニこの日もマリア・ローザを守ったパオリーニ

 不意に押し出される形となったカノーラ。ゴール目指して必死でペダルを踏むが、もともと残り1kmまでのアシストのつもりだったのか、すでに力を使い果たしてしまっている様子だ。カノーラの後ろから白いウェアのデゲンコルプが迫る。鬼の形相で追走のロングスプリントを掛けたデゲンコルプは、息も絶え絶えのカノーラを残り300mでかわすと、そのまま先頭でゴールに飛び込んだ。

 優勝したデゲンコルプは、昨年ブエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン1周レース)でステージ5勝の快挙を成し遂げているスプリンター。ジロは今回が初勝利だ。上りもこなせるスプリンターとして定評があり、この日も終盤の難所をメーン集団でクリアーしたことで、最後スプリント勝負でその力を爆発させる機会を得た。

 落車の影響から集団はバラバラになったが、ゴールまで3kmを切っての事故のため、100人余りにタイム差なしの救済措置が適用された。総合上位陣に変動はない。

(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

第5ステージ結果
1 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) 4時間37分48秒
2 アンヘル・ビシオソ(スペイン、カチューシャ チーム) +0秒
3 ポール・マルテンス(ドイツ、ブランコ プロサイクリングチーム)
4 セルジオルイス・エナオ(コロンビア、スカイ プロサイクリング)
5 マッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ)
6 ハリンソン・パンタノ(コロンビア、コロンビア)
7 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシングチーム)
8 イエンス・クークレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
9 グレガ・ボレ(スロベニア、ヴァカンソレイユ・DCM)
10 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム)

個人総合(マリア・ローザ)
1 ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ チーム) 15時間18分51秒
2 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイ プロサイクリング) +17秒
3 ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム) +26秒
4 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +31秒
5 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ) +34秒
6 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)
7 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ チーム) +36秒
8 セルジオルイス・エナオ(コロンビア、スカイ プロサイクリング) +37秒
9 マウロ・サンタンブロージオ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セッレイタリア) +39秒
10 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +42秒

ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)
1 ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ チーム) 35pts
2 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 30pts
3 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 28pts

山岳賞(マリア・アッズーラ)
1 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター チーム) 13pts
2 ロビンソンエドゥアルド・チャラプド(コロンビア、コロンビア) 9pts
3 ウィレム・ウォーテルス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) 9pts

新人賞(マリア・ビアンカ)
1 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 15時間20分06秒
2 ラファル・マイカ(ポーランド、チーム サクソ・ティンコフ) +19秒
3 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +26秒

チーム総合
1 カチューシャ チーム 45時間13分27秒
2 スカイ プロサイクリング +24秒
3 アスタナ プロチーム +45秒

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