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福光俊介の「週刊サイクルワールド」<10>イタリア一周の旅がスタート! 序盤ステージから“BIG 7”が動き出す熱い展開に

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 待ちに待ったジロ・デ・イタリアが開幕。3週間で3454.8kmを走破する“イタリア一周の旅”は、現在イタリア南部を進行中。元来、静かに流れるはずの序盤ステージが、思いがけず熱い展開に。目が離せない毎日となりそうです。


2週間後を見据えた総合有力勢の駆け引き

ブラッドリー・ウィギンスジロ・デ・イタリア2013第2ステージの表彰台でシャンパンを掛け合うスカイ プロサイクリングの選手たち

 本文を執筆している段階では、第3ステージまでが終了。結果はレースレポートをご覧になっていただきたいが、ここまでは予想通りの展開と言えるのではないだろうか。既にイタリア人選手がステージ勝利を挙げ、マリア・ローザも着用。他のグランツールと比較して“地元志向”が強いイタリアのファンも、一安心といったところか。

 それにしても、今年のジロは熱い。もちろん毎年熱いレースが繰り広げられているわけだが、今回はいつもと趣が違う印象だ。何より、マリーナ・ディ・アシェーアへと向かう第3ステージで早くも有力選手が動きを見せたことが大きい。

 今大会は山岳とTTのバランスがとれたステージ構成になったこともあって、実績豊富なオールラウンダーが顔を揃える。特に、ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)、ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)、サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)、ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)、カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)、ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ブランコ プロサイクリング)の7選手が主役と見る向きが強い。これは主催者側の扇動も大きいとは思うが、それでも“BIG 7”の実力は抜きんでていると言える。

 ■チームプレゼンテーションでの各選手

ライダー・ヘシェダルライダー・ヘシェダル
ヴィンチェンツォ・ニバリヴィンチェンツォ・ニバリ
サムエル・サンチェスサムエル・サンチェス
ミケーレ・スカルポーニミケーレ・スカルポーニ
カデル・エヴァンスカデル・エヴァンス
ロベルト・ヘーシンクロベルト・ヘーシンク

 レースに話を戻すと、ここまで早く脚を見せてしまうことは、手の内を明かすことにつながるので、どの選手も極力おとなしく走りたいはず。しかし、第2ステージのチームタイムトライアルの結果や、第8ステージに控える54.8kmの長距離TTでつくであろうタイム差を考えて、先手を打つ作戦をとった選手がいるということだろう。同時に、山岳での登坂力では、各選手の差はそう大きくならないと見ているのかもしれない。まずは第8ステージの結果が、1つのポイントとなるはずだ。

 これだけ序盤から激しい展開が続くと、中盤から終盤のステージにかけて、とんでもないサバイバルレースとなる可能性がありそうだ。観る側としては、大いに望むところである。

「ブエルタ・ア・エスパーニャ」出場チームが決定!

パンプローナの闘牛場はブエルタ・ア・エスパーニャ2012のチームタイトライアルのゴールとなったパンプローナの闘牛場はブエルタ・ア・エスパーニャ2012のチームタイトライアルのゴールとなった

 先日発表となったツール・ド・フランスに続き、ブエルタ・ア・エスパーニャの出場チームが5月3日、主催のウニプブリク(Unipublic)から発表された。UCIプロチーム19チームに加え、プロコンチネンタルチームから選出するワイルドカード3チームから構成される。出場チームは次のとおり。

2013年ブエルタ・ア・エスパーニャ出場チーム
 
●UCIプロチーム

アージェードゥーゼル ラモンディアル(フランス)
チーム アルゴス・シマノ(オランダ)
アスタナ プロチーム(カザフスタン)
ブランコ プロサイクリングチーム(オランダ)
BMCレーシングチーム(アメリカ)
キャノンデール プロサイクリングチーム(イタリア)
エウスカルテル・エウスカディ(スペイン)
エフデジ(フランス)
ガーミン・シャープ・バラクーダ(アメリカ)
カチューシャ チーム(ロシア)
ランプレ・メリダ(イタリア)
ロット・ベリソル(ベルギー)
モビスター チーム(スペイン)
オメガファルマ・クイックステップ サイクリングチーム(ベルギー)
オリカ・グリーンエッジ(オーストラリア)
レイディオシャック・レオパード・トレック(ルクセンブルク)
チーム サクソ・ティンコフ(デンマーク)
スカイ プロサイクリング(イギリス)
ヴァカンソレイユ・DCM プロサイクリングチーム(オランダ)
 
●ワイルドカード(プロコンチネンタルチームから選出)
カハルーラル セグロスRGA(スペイン)
コフィディス ソリュシオンクレディ(フランス)
チーム ネットアップ・エンデュラ(ドイツ)

 スペイン唯一のプロコンチネンタルチームであるカハルーラル セグロスRGAは、昨年の活躍もあり順当に選出。6年連続の選出となったコフィディス ソリュシオンクレディは、かつての山岳王ダヴィ・モンクティエ(フランス)の実績のほか、大会のスポンサーでもあることが決め手に。そして3枠目には、昨年のジロ・デ・イタリアでインパクトを残したチーム ネットアップ・エンデュラ(昨年のジロ当時はチーム ネットアップ)の手に渡った。

 今年のブエルタは、8月24日から9月15日までの日程。スペイン北東部のガリシア州ビラノーバ・デ・アロウサでのチームタイムトライアルで開幕する。

今週の爆走ライダー: ルカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ チーム)

「爆走ライダー」とは…
1週間のレースの中から、印象的な走りを見せた選手を「爆走ライダー」として大々的に紹介! 優勝した選手以外にも、アシストや逃げなどでインパクトを残した選手を積極的に選んでいきたい。

 積極的に前方で展開する走りや、一瞬の勝負勘など、玄人好みの選手ではないだろうか。

 クラシックなどワンデーレースで存在感を発揮する選手だが、一方でグランツールでの印象が正直なところ薄い。実際、長いキャリアがありながら2007年から2010年までグランツール不出場。ジロもなんと今年が初出場だ。

ジロ・デ・イタリア2013第3ステージの表彰でポディウムガールのキスを受けるパオリーニジロ・デ・イタリア2013第3ステージの表彰でポディウムガールのキスを受けるパオリーニ

 第3ステージでの勝利は、ワンデーレースの戦い方そのものだった。次々と繰り出されるライバルたちのアタックを巧くやり過ごし、ここぞの場面で抜け出す。多くの選手がダウンヒルで落車する中、石畳のレースなどで培った抜群のバイクコントロールがいきた。もっとも、総合成績に絡む選手ではないため、有力どころが彼の動きを見送ったことも幸いしたが、それでも一撃で勝利を射止めるあたり、経験と実績に裏打ちされた走りを披露したと言えるだろう。

 2011年の現チーム加入後は、昨年限りで引退したオスカル・フレイレ(スペイン)のために走る場面も多かったが、今年は晴れて自分の勝利を狙えることが多くなった。36歳と大ベテランの域に達しているが、息の長い選手としてまだまだ走り続けてほしい。

文 福光俊介・写真 砂田弓弦

福光俊介福光俊介(ふくみつ・しゅんすけ)
自転車ロードレース界の“トップスター”を追い続けて数十年、気がつけばテレビやインターネットを介して観戦できるロード、トラック、シクロクロス、MTBをすべてチェックするレースマニアに。2011年、ツール・ド・フランス観戦へ実際に赴いた際の興奮が忘れられず、自身もロードバイク乗りになる。自転車情報のFacebookページ「suke’s cycling world」も充実。本業は「ワイヤーママ徳島版」編集長。

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