エウスカルテルチーム インサイドリポート<3>「シ・セ・プエデ!」(やれば、出来る!)

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 ベテラン選手のミケル・アスタルロサが恐れていた集団落車。それが彼を含む3人のチームメイトに、降り注いでしまった。

サコッシュを受け取ったミケール・アスタルロサ。このあと25kmほど走ったところで落車に巻き込まれ、左肘を負傷しリタイアとなった ©和田やずかサコッシュを受け取ったミケール・アスタルロサ。このあと25kmほど走ったところで落車に巻き込まれ、左肘を負傷しリタイアとなった ©和田やずか

 7月6日の第6ステージ。沿道の観客も多くなり、どことなくバカンスが始まったような金曜日だった。雨が降ったり止んだりと不順な天候をものともせず、集団はペースを上げた。

 残り25km、惨劇が起こってしまった。ゴール地点のモニターでTV中継を見ていたチームスタッフは心配そうに画面を注視しながら、喧噪で聞きづらい無線に耳を押し当てた。聞こえてくるのは、ベテランのアスタルロサがリタイア。アメツ・チュルカとヴェルドゥゴが負傷しながら走っていると、チームにとって残念な一報だ。

右腕と右膝を負傷したアメツ・チュルカ。 ゴール後、迎えのマッサージャーが足早にチームバスへと誘導した ©和田やずか右腕と右膝を負傷したアメツ・チュルカ。 ゴール後、迎えのマッサージャーが足早にチームバスへと誘導した ©和田やずか
選手が7人となってしまったエウスカルテルチーム。 有望な若手、ゴルカ・イサギレの活躍に期待がかかる ©和田やずか選手が7人となってしまったエウスカルテルチーム。 有望な若手、ゴルカ・イサギレの活躍に期待がかかる ©和田やずか

 「今日は最悪の一日だ」そうつぶやき、渋い顔をするスタッフ。

 いつも賑やかな夕食が一転して通夜のようだ。負傷した選手に声を掛けるにも、あまりに気の毒で言葉にならない。翌日のステージから不出場となる、アスタルロサとチュルカの涙目から無念さが痛いほど伝わった。

 『シ・セ・プエデ!』(やれば、出来る!)の言葉を胸に、エウスカルテルチームは、残る7人の選手で山岳ステージを戦うことになった。

写真・文 和田やずか
 

和田やずか和田やずか(わだ・やずか)
1997年よりフリーランスで写真を撮り始め、一般誌や広告などのほか、自転車関係の写真を多く手がける。ツール・ド・フランス出場のプロチーム「エウスカルテル・エウスカディ」(スペイン)に帯同するのは今年で5回目で、チームメイトから呼ばれるニックネームは「フレッチャ」。レース以外に選手が見せる表情や舞台裏などを写す。

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エウスカルテルチーム インサイドリポート ツール・ド・フランス2012

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