ツール・ド・フランス2012 第6ステージ落車に翻弄され続けるプロトン サガンが3勝目で前日のリベンジ!

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 ツール第6ステージは、エペルネからメスに至る205kmで争われた。コースはほぼ平坦で、序盤1週目では最後のスプリンター向けステージ。終盤に発生した大規模落車を生き残った集団スプリントを制したのは、ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)だった。

エスケープを続ける4人の選手エスケープを続ける4人の選手
エスケープを追うプロトン。この日はオリカ・グリーンエッジ勢が目立ったエスケープを追うプロトン。この日はオリカ・グリーンエッジ勢が目立った

 レースはスタート直後のアタック合戦から単独抜け出したデイヴィッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ・バラクーダ)に合流する形で、逃げグループが形成される。ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、チーム ヨーロッパカー)、ロマン・ザングル(ベルギー、コフィディス ルクレディアンリーニュ)、カールステン・クローン(オランダ、チーム サクソバンク・ティンコフバンク)、そしてザブリスキーの4人は、レース最初の1時間で、プロトン(メーン集団)に6分半近い大差を付けることに成功する。

 一方集団では序盤、前日まで2連勝中のアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル チーム)を含む数名の落車が発生する。今年のツールはここまで、本当に落車が多い。集団はレース中盤より徐々に前との差を詰め始めるが、その最中にも時折落車が発生する。

落車したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル チーム)だが、区間争いに加わった落車したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル チーム)だが、区間争いに加わった
チームメートにサコッシュを渡すサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)チームメートにサコッシュを渡すサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

 ゴールまで残り約45kmで逃げとの差は約1分。ここから逃げグループも本格的にペースアップするが、プロトン側もいよいよ万全の追い込み体制。しかし残り26kmでまたも集団内で落車が発生。今度は道幅一杯に広がる大クラッシュだ。現場は選手とチーム関係者や大会スタッフが人車入り交じっての大混乱となり、100名以上の選手が足止めされてしまう。

 ここで昨年総合3位のフランク・シュレク(ルクセンブルク、レイディオシャック・ニッサン)が落車でストップ。落車の影響でトム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ・バラクーダ)ら4人がリタイア。そして半分以上の選手がプロトンから遅れをとってしまう。この日のステージ勝利を狙うマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、スカイ プロサイクリング)や、日本の新城幸也(チーム ヨーロッパカー)もこの中だ。

落車に巻き込まれたボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ プロチーム)落車に巻き込まれたボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ プロチーム)
落車で倒れ込んだホセイバン・グティエレス(スペイン、モビスター チーム)だが、このあと集団に復帰落車で倒れ込んだホセイバン・グティエレス(スペイン、モビスター チーム)だが、このあと集団に復帰

 大落車を生き残った選手はおよそ70人ほど。ペースを上げて逃げを追い込む。残り3kmを切り、いよいよ吸収かと思われたその瞬間、ザブリスキーが単独アタック。他の3人はすぐに集団に飲まれるが、タイムトライアルのスペシャリストのザブリスキーは単独でトップスピードを維持し、粘り続ける。残り1km少々でついに吸収されるものの、この最後の追走に大きな力を使ったプロトンは、その勢いを一瞬止めてしまう。

 先頭にはこの数ステージで見慣れたロット・ベリソルのトレインが形成されてはいるが、そのスピードは明らかに落ちてしまっている。アシスト選手3人の後ろにつくグライペルだが、スピードが落ちた状態でのコーナー出口でクリス・ベックマン(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)に前に入られてしまう。グライペルの後ろにはサガン、さらにその後ろにはゴスが付ける。

 いよいよスプリント。ここで何とベックマンの自転車のチェーンが切れてしまう。目の前の出来事に一瞬ひるんだグライペルは加速が鈍い。これを逃さずサガンが切れ味鋭い加速でゴールを獲り、驚きのステージ3勝目を挙げた。前日は落車の影響でゴールスプリントに参加できなかったサガンだが、見事そのリベンジを果たした。

3勝目を挙げたペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)3勝目を挙げたペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

 先頭集団は約60名のみ。マイヨジョーヌのファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・ニッサン)や、カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)、ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)らは無事にゴールしたが、落車で遅れたシュレクは必死の追走を試みたものの、結局この日2分余りのタイムを失ってしまった。昨年新人賞を獲得したピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)も同じく遅れている。

 新城は落車に巻き込まれた後はペースを落とし、同じく落車の影響を受けた選手約40名の大集団で、13分24秒遅れでゴールしている。

 

第6ステージ結果
1 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 4時間37分0秒
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル チーム) +0秒
3 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
4 ケニーロベルト・ファンヒュメル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +0秒
5 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、チーム サクソバンク・ティンコフバンク) +0秒
6 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・ベリソル チーム) +0秒
7 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD) +0秒
8 ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ チーム) +0秒
9 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
10 ブレット・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +4秒
158 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +13分24秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・ニッサン) 29時間22分36秒
2 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) +7秒
3 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ) +7秒
4 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +10秒
5 デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ チーム) +13秒
6 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +17秒
7 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +18秒
8 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +19秒
9 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レイディオシャック・ニッサン) +19秒
10 マキシム・モンフォール(ベルギー、レイディオシャック・ニッサン) +22秒
125 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +15分23秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 209 pts
2 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 178 pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル チーム) 167 pts
4 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、スカイ プロサイクリング) 129 pts
5 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD) 109 pts
6 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) 95 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ミカエル・モルコフ(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク) 9 pts
2 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 2 pts
3 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 2 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 29時間22分46秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +0秒
3 トニー・ギャロパン(フランス、レイディオシャック・ニッサン) +1分28秒

チーム総合
1 スカイ プロサイクリング 88時間8分22秒
2 レイディオシャック・ニッサン +4秒
3 BMCレーシングチーム +6秒

敢闘賞
デイヴィッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ・バラクーダ)

 
(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

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