アムステルゴールドレース2013クロイツィゲルが独走でビッグクラシック初優勝 サガン不発、新城幸也は24位

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 春のクラシックレース後半戦“アルデンヌクラシック”の初戦となる「アムステルゴールドレース」が4月14日、オランダで開催され、ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ)が初優勝。2位にはアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)、3位にはサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が入った。日本勢で唯一出場の新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は36秒遅れの24位で完走した。

ガッツポーズでアムステルゴールドレース2013のゴールを決めたロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ)ガッツポーズでアムステルゴールドレース2013のゴールを決めたロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ)

 アムステルゴールドレースは今年から、ゴール地点がこれまでのカウベルグ(登坂距離1200m、最大勾配12%、平均勾配5.8%)の頂上から、1.8km先へと変更。2012年ロード世界選手権と同じゴール前レイアウトは、カウベルグ頂上からゴールまで平坦となり、パンチャーはもちろん、スプリント力のある選手にもチャンスが広がった。全長251.8kmのコースは、34の上りをこなす4つの周回を複雑に組み合わせたものだ。

 レースは序盤に逃げを決めた5人に、後から2人が合流し7人が先行。ミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)、ヨハン・ヴァンスーメレン(ベルギー、ガーミン・シャープ)ら実績豊富な選手が入り、メーン集団に対し最大で11分のリードを築いた。メーン集団は、今回優勝候補最右翼とも言われたペテル・サガン(スロバキア)を擁するキャノンデール プロサイクリングチームがコントロールする。

 残り93km、メーン集団でアクシデントが発生。道幅が狭くなったところで集団内の数人が落車し、有力選手も巻き込まれた。トマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー)が鎖骨骨折、アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード・トレック)は軽傷を負いそれぞれリタイア。また、優勝候補のフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)もバイク交換を余儀なくされた。

 逃げとメーン集団との差が徐々に縮まる中、残り54kmで逃げ集団はアスタルロサ、ヴァンスーメレン、アレクサンドル・プリュシュイン(モルドバ、イアム サイクリング)の3人になり、さらに残り45kmを前にアスタルロサが上りを利用して独走態勢に入った。

先頭を追走するピーテル・ウイーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)先頭を追走するピーテル・ウイーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)

 さらに残り40kmを切って、メーン集団では再び落車が発生。今度はホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)が巻き込まれ、その後走り出すも結局リタイアしている。

 レースが動き始めたのはその直後。フロムベルグの上りでメーン集団からピーテル・ウイーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)がアタックし、アスタルロサを追走するグループを再構成する。

 カウベルグ4回通過のうち3回目を終え、アスタルロサから追走グループは27秒、メーン集団とは53秒と、それぞれ微妙な差をキープ。レースは最終の15.9kmの小周回へと突入した。ここでメーン集団から飛び出したクロイツィゲルら3人が追走グループに加わると、追走は加速してついにアスタルロサを吸収。7人の先頭集団で残り10kmを通過した。この時点でメーン集団とは24秒差。メーン集団では単発でアタックがかかるも、先行する7人との差を思うように縮めることができない。

 先頭集団は残り9kmでのアンドリー・グリフコ(ウクライナ、アスタナ プロチーム)のアタックをきっかけに活性化。クロイツィゲルが抜け出したのは残り7kmだ。下りを利用してペースアップすると、みるみるうちに後続との差を開き、単独で最後のカウベルグへと突入する。

 一方のメーン集団は、ジルベールを擁するBMCレーシングチームを先頭にカウベルグへ。昨年のロード世界選手権の再現を狙うアルカンシエルのジルベールが満を持してアタックすると、これに対応できたのはゲランスとバルベルデの2人のみ。先頭を追うがしかし、快調に走るクロイツィゲルを捕まえることはできなかった。残り1.8kmの平坦区間も危なげなく走りきったクロイツィゲルが、ガッツポーズでゴールへ飛び込んだ。

アタックするフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)とそれを追うサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)アタックするフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)とそれを追うサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

 26歳のクロイツィゲルは、リクイガス、アスタナでエースとして活躍。2008年にはツール・ド・スイス総合優勝、2010年ツール・ド・フランスで総合8位、2011年ジロ・デ・イタリア総合5位(マリア・ビアンカ獲得)、2012年ジロではステージ1勝と、グランツールの上位常連だが、クラシックレースでは今回が初優勝だ。今シーズン、チーム サクソ・ティンコフ入りし、自身の走りはもちろん、アルベルト・コンタドール(スペイン)のアシストとしても期待されている。

 クロイツィゲルに遅れること22秒。2位争いは集団スプリントになるも、カウベルグで先行していたバルベルデがぎりぎり逃げ切る形で上位を死守。前回優勝のエンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ プロチーム)は、トレーニング中の事故を乗り越え9位。また、注目されたサガンは57秒遅れの36位と不発に終わっている。

アムステルゴールドレース2013の表彰台。優勝のロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ)と、左に2位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)、3位サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)アムステルゴールドレース2013の表彰台。優勝のロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ)と、左に2位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)、3位サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は36秒遅れの24位新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は36秒遅れの24位

 アムステルゴールドレースは、1966年に初開催。オランダのビールメーカーであるアムステル社とその主力製品「ゴールド」をレース名としている。アムステル社はかつてアマチュアロードレースチームを抱え、多数の選手をプロに送り出しており、伝統的に自転車競技を支援している企業でもある。

アムステルゴールドレース2013結果
1 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) 6時間35分21秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +22秒
3 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ)
5 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)
6 セルジオルイス・エナオ(コロンビア、スカイ プロサイクリング)
7 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
8 ピーテル・ウイーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
9 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ プロチーム)
10 バウケ・モレマ(オランダ、ブランコ プロサイクリング)

文・福光俊介 写真・砂田弓弦

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