パリ~ルーベ2013カンチェッラーラが3度目のルーべ制覇 自身2度目の「北のクラシック」3冠も達成

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 第111回パリ~ルーベ(UCIワールドツアー)が4月7日、フランスで開催され、優勝候補のファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード・トレック)が見事期待に応え、3度目の優勝を果たした。カンチェッラーラは、E3ハーレルベーケ、ツール・デ・フランドルと合わせ、自身2010年以来となる「北のクラシック」3冠を達成した。日本から唯一出場した別府史之(オリカ・グリーンエッジ)は途中リタイアに終わった。

小グループを率いて走るファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード・トレック)小グループを率いて走るファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード・トレック)
2.4kmの石畳区間が続くアランベールにはたくさんの観客が押し寄せた2.4kmの石畳区間が続くアランベールにはたくさんの観客が押し寄せた

 「クラシックの女王」あるいは「北の地獄」などと呼ばれるパリ~ルーベの特徴は、平坦なコース上に次々と現れるパヴェ(石畳)。5段階の難易度が設定された27のパヴェは、全長254kmのコースのうち、合計52.6kmにも及ぶ。

 森の中を一直線に突き抜ける「アランベール」や、ゴール前約18kmで登場する「カルフール・ド・ラルブル」などの名だたるパヴェがコースに並ぶ。選手たちは、パンクや落車の危険性、そしてパヴェによる消耗と戦いながらゴールを目指す。

 下馬評はカンチェッラーラ圧倒的有利。昨年の覇者、トム・ボーネン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)が負傷で欠場し、1週間前にフランドルで一騎打ちを演じたペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリングチーム)も次週以降に備えて出場しないため、その優位は不動のものと思われた。

 レースは晴れのコンディションの中スタート。前半から逃げはできるものの、集団も大差を許さず、淡々としたハイペースでレースは進んだ。本格的にレースが動き始めたのは残り50km付近から。カンチェッラーラが先頭でペースを上げると、大人数だったメーン集団は幾つかに分断。その後も先頭付近では数人が抜け出してはまた合流するという展開が続いた。

落車などの危険を回避するために先頭を走るレイディオシャック・レオパード・トレック落車などの危険を回避するために先頭を走るレイディオシャック・レオパード・トレック
別府史之(オリカ・グリーンエッジ)の完走はならなかった別府史之(オリカ・グリーンエッジ)の完走はならなかった

 数人の逃げグループが形成されるなか、カンチェッラーラは少し後ろのグループでやや静観。集団後方でチームカーの監督と直接話をするなど、あわやトラブルかと思わせる様子も見せたが、その後に突如速度を上げてすぐに前方集団に追いつくなど、余力をうかがわせた。

 残り25kmで先頭を走っていたのは、パヴェを得意とするステイン・ヴァンデンベルフ(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)とセップ・ヴァンマルク(ベルギー、ブランコ・プロサイクリング)の2人で、後続に30秒以上の差をつけて逃げていた。しかし、ここでカンチェッラーラが強烈にアタック。オートバイのようなスピードで加速すると、これについていけたのはシクロクロスの元世界王者、ズデニェック・シュティバル(チェコ、オメガファルマ・クイックステップ)ただ1人。カンチェッラーラはシュティバルを引き連れたまま、逃げる2人に合流し、残り19kmで先頭は4人になった。

 この時点でオメガファルマ・クイックステップは先頭グループに2人を送り込んで有利な形勢に。しかし、その後にまさかの不運に見舞われた。最後の難易度5「カルフール・ド・ラルブル」に突入すると、残り16kmでヴァンデンベルフが観客と接触して落車。続いてシュティバルまでもが観客と接触し、落車は免れたものの10秒ほど離されてしまった。

 カンチェッラーラとヴァンマルク2人で「カルフール・ド・ラルブル」を走りきり、残すは難易度の低いパヴェのみ。その後、展開が大きく動くことはなく、勝負はゴール地点のベロドローム(トラック競技場)でのスプリントに委ねられた。

ベロドロームで254.5kmの勝負が決まった瞬間、両手を上げるファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード・トレック)と2着セップ・ヴァンマルク(ベルギー、ブランコ・プロサイクリングチーム)ベロドロームで254.5kmの勝負が決まった瞬間、両手を上げるファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード・トレック)と2着セップ・ヴァンマルク(ベルギー、ブランコ・プロサイクリングチーム)

 競技場に入り牽制状態になった2人は急減速して先頭を譲り合い、前に出ることになったのはヴァンマルクだった。1周半のベロドロームを牽制し合いながらゆっくり回ると、残り半周というところでお互いにスピードアップ。前を走るヴァンマルクが先にスプリントを仕掛けたが、カンチェッラーラがわずかに差し切った。独走で圧勝したE3、フランドルとは一転して僅差のスプリント勝負。さすがのカンチェッラーラも疲れ果てた様子で、両脇を抱えられながら表彰台へと向かった。

フィニッシュ後に観客の声援に応えるファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード・トレック)フィニッシュ後に観客の声援に応えるファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード・トレック)
2013年パリ~ルーベ表彰台。左から2位ヴァンマルク、優勝カンチェッラーラ、3位テルプストラ2013年パリ~ルーベ表彰台。左から2位ヴァンマルク、優勝カンチェッラーラ、3位テルプストラ

 カンチェッラーラがパヴェを模したトロフィーを掲げるのはこれで3度目。そして2010年以来となる「北のクラシック」3冠で、改めて強さを見せつけた。敗れたヴァンマルクは悔しい2位となったが、3位に入ったニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファルマ・クイックステップ)と共に、パリ~ルーベ初表彰台。自身にとって大きなリザルトを残した。

パリ~ルーベ2013 結果
1 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード・トレック) 5時間45分33秒
2 セップ・ヴァンマルク(ベルギー、ブランコ・プロサイクリング)
3 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファルマ・クイックステップ) +31秒
4 グレッヒ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
5 ダミアン・ゴーダン(フランス、チームヨーロッパカー)
6 ズデニェック・シュティバル(チェコ、オメガファルマ・クイックステップ) +39秒
7 セバスティアン・ラングフェルド(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
8 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM)
9 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) +50秒
10 セバスティアン・テュルゴ(フランス、チームヨーロッパカー)

(文・平澤尚威 写真・砂田弓弦)

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