ツール・デ・フランドル2013独走で魅せるカンチェッラーラ、フランドルでも圧勝 好調サガンは2位を確保

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 今年で100周年となる「クラシックの王様」、第97回ツール・デ・フランドルが3月31日、ベルギーで開催され、ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード)が2010年以来となる2度目の優勝を飾った。別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)は84位で完走した。

得意の独走態勢に持ち込んだカンチェッラーラ。もう誰にも止められない得意の独走態勢に持ち込んだカンチェッラーラ。もう誰にも止められない

 レース前に有力視されていたのは、3月20日に開催されたE3ハーレルベーケを独走で圧勝したカンチェッラーラ、24日に開催されたヘント~ウェヴェルヘムでクラシック初優勝を手にしたペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリングチーム)、昨年のツール・デ・フランドル覇者であるトム・ボーネン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)ら強豪たち。そして、今年は「北のクラシック」参戦に燃える別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)の活躍にも期待がかかった。

熱気に包まれたスタート地点熱気に包まれたスタート地点
「クラシックの王様」ツール・デ・フランドルに挑むプロトン「クラシックの王様」ツール・デ・フランドルに挑むプロトン
レース序盤で落車、リタイアした昨年の覇者トム・ボーネンレース序盤で落車、リタイアした昨年の覇者トム・ボーネン

 しかし、レース開始からまもなく、衝撃が走った。スタートからわずか19キロ地点で、ボーネンが落車によりリタイアしてしまう。病院に搬送され、翌週に控えるパリ~ルーベはおろか、今シーズン序盤を棒に振ってしまいかねない負傷となってしまった。

 全長256kmのワンデーレースで勝負どころとなったのは、石畳と激坂だ。最大の難所は、平均11.6%で最大22%、長さ600mという勾配を誇るコッペンベルグ。そして、周回コースで3回ずつ登場する2つの石畳の坂、緩い勾配が2200m続くオウデ・クワレモントと、短いながらも最大勾配20.3%のパテルベルグも、選手たちに立ちはだかった。

チーム内でアシスト役を務め、クラシック・レースでの実績を重ねた別府史之チーム内でアシスト役を務め、クラシック・レースでの実績を重ねた別府史之

 190km過ぎに現れたコッペンベルグでは、集団の途中で1人の選手が止まってしまうと、その後ろでも連鎖して、動けなくなる選手が続出。多くの選手がバイクを担いで激坂を登っていく光景が見られた。最初に止まった選手のすぐ前を走っていたサガンは、危うく難を逃れた形となった。

 コッペンベルグを過ぎてしばらくしたところでカンチェッラーラがパンクするも、落ち着いて集団に復帰。チームメイトのアシストを受けながら、そのまま集団のなかで仕掛けるタイミングを待った。集団からはユルヘン・ルーランス(ベルギー、ロット・ベリソル)らが抜け出し、逃げを図る。

 残り18キロ、集団が先頭から30秒差で3回目のオウデ・クワレモントに突入すると、満を持してカンチェッラーラがアタックを仕掛けた。最後のスプリント力でサガンに劣るカンチェッラーラは、早めにサガンを突き放し、抜群の独走力で逃げ切りたいところだ。しかし、残り2つの坂を乗り切ればスプリント勝負に持ち込めるサガンも離れない。圧倒的なスピードでオウデ・クワレモントを登りきった2人は、先頭のルーランツと合流した。

最後の激坂パテルベルグでペテル・サガンを引き離すファビアン・カンチェッラーラ最後の激坂パテルベルグでペテル・サガンを引き離すファビアン・カンチェッラーラ

 そして最後の激坂、パテルベルグの登り口で、再びカンチェッラーラがアタック。ルーランスがこれで離されるが、サガンは食らいつく。2人で登りきるかと思われたが、頂上を目前に少しずつサガンが遅れ始める。結局、カンチェッラーラが頂上を通過した時点で6秒差。これで残り13km、狙い通りの独走が始まった。

高々と両手を掲げてゴールするカンチェッラーラ高々と両手を掲げてゴールするカンチェッラーラ

 パテルベルグで遅れをとったサガンは、ルーランスと合流し、2人での先頭交代で追走を試みる。ところが、リードを手にしたカンチェッラーラの走りは圧倒的だった。追走を許すどころか、みるみるその差を広げてゴール。最終的には2位に1分27秒差をつけて堂々の独走優勝を果たした。

 サガンとルーランスは、優勝は逃したものの、入賞を目指して迫ってくる集団に飲まれることなく逃げ切り、スプリントに勝ったサガンは2位でのフィニッシュに小さくガッツポーズ。地元ベルギーのルーランスが3位に入った。

表彰台で優勝トロフィーを掲げるカンチェッラーラ表彰台で優勝トロフィーを掲げるカンチェッラーラ
(左から)2位のペテル・サガン、優勝のファビアン・カンチェッラーラ、3位のユルヘン・ルーランス(左から)2位のペテル・サガン、優勝のファビアン・カンチェッラーラ、3位のユルヘン・ルーランス

 カンチェッラーラは、徹底マークを受けて勝利を逃した一昨年、そして落車リタイアした昨年の雪辱を晴らし、ツール・デ・フランドル通算2勝目を手にした。自身が2010年に達成した「北のクラシック」2連勝の再現なるか。7日のパリ~ルーベにも期待がかかる。

ツール・デ・フランドル2013 結果
1 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード) 6時間6分1秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) +1分27秒
3 ユルヘン・ルーランス(ベルギー、ロット・ベリソル) +1分29秒
4 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ) +1分39秒
5 マチュー・ラダニュス(フランス、エフデジ)
6 ハインリッヒ・ハウスラー(オーストラリア、イアム サイクリング)
7 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)
8 セバスティアン・テュルゴ(フランス、チームヨーロッパカー)
9 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ)
10 セバスティアン・ラングフェルド(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
84 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +13分35秒

(文・平澤尚威 写真・砂田弓弦)

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