ツール・ド・フランス2012 第3ステージ期待を裏切らないサガン 荒れた展開のレースを余裕で制し、早くも2勝目

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 ベルギーで幕を開けたツール・ド・フランスが、いよいよフランスに入ってきた。第3ステージは補給地点までは平坦基調だが後半は3〜4級の山岳が6つ登場するというコース。ゴール前も登りでピュアスプリンターの出番はなさそうだが、その分多くの選手にチャンスがありそう。もっとも、戦前の予想はペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)を推す声が圧倒的だ。

エスケープするミカエル・モルコフ(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク)エスケープするミカエル・モルコフ(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク)

 レース序盤には5人の選手による逃げ集団が形成された。逃げに乗っている選手の中には、山岳賞のミカエル・モルコフ(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク)が含まれる。モルコフは3日連続で逃げており、山岳ポイントを稼いでしばらくジャージを守りたいようだ。

 ステージ前半の平坦区間では、レイディオシャック・ニッサンが集団をコントロール。イェンス・フォイクト(ドイツ)やヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ)が中心となって、マイヨジョーヌのファビアン・カンチェッラーラ(スイス)をしっかりと守っている。集団前方にはリクイガス・キャノンデールのアシスト陣の姿も。今日はもちろんサガンで勝ちにいく腹づもりだ。

プロトンの中で走る昨年の勝者カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)プロトンの中で走る昨年の勝者カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
集団の中で笑みを浮かべる新城幸也(チーム ヨーロッパカー)集団の中で笑みを浮かべる新城幸也(チーム ヨーロッパカー)

 逃げ集団の中ではモルコフが、他の選手の様子を伺いつつも第4山岳までしっかりと先頭通過し、この日の山岳賞キープを確実なものとする。

 荒れた路面が多かったこのステージでは、落車が頻発した。残り55km付近の落車ではカンスタンティン・シウツォウ(ベラルーシ、スカイ プロサイクリング)が立ち上がることができず、今ツール最初のリタイヤ選手となってしまう。残り30kmでも落車が発生、ここではホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム)がリタイヤしてしまう。そしてメーン集団が分裂し、トマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー)やマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、スカイ プロサイクリング)は後方に取り残されてしまった。そして落車の影響か、パンクやメカトラブルに見舞われる選手が後を絶たない。

落車したヤネズ・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ プロチーム)落車したヤネズ・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ プロチーム)

 逃げ集団はアンドリー・グリフコ(ウクライナ、アスタナ プロチーム)とモルコフの2人に絞られ、残り6.5kmの第5山岳でモルコフが遅れてメーン集団に吸収。メーン集団はイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が先頭を強力に牽引し、頂上直前でグリコフも吸収された。そして登りきった直後、シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ)が絶妙のアタック。彼は前年にこの日と同じ、ブローニュシュルメールにゴールするコースで行われたフランス選手権を制している。シャヴァネルは最後の登り口まで先行するが、メーン集団もBMCレーシングチームを先頭に追走。ゴールまで450mでシャヴァネルを吸収した。

 ところが残り350m、集団の中程でまたしても落車が発生、何人もの選手がひっかかってしまう。ここで勢い良く先頭に飛び出したのはミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)だが、サガンも落車に巻き込まれずに良い位置を得ていた。アルバジーニを捉えたサガンは、追うエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング)らを寄せ付けず、最後はジョギングポーズで余裕のフィニッシュ。期待を裏切らないレース運びで、早くも今ツール2勝目を挙げた。

今大会2勝目をあげたペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)今大会2勝目をあげたペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

 しっかりと位置取りできたカンチェッラーラも4位でフィニッシュ、総合首位をキープした。メーン集団に残っていた新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は最後の落車で足止めされ、39位でフィニッシュしている。現在総合2位のブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)らも新城と同じく最後の落車の影響で遅れてのゴールとなったが、ゴールまで3kmを切っての落車のため救済措置がとられ、メーン集団とタイム差はなしとされている。

必死の形相でゴールを目指すマイヨ・ジョーヌ必死の形相でゴールを目指すマイヨ・ジョーヌ
山岳ジャージをキープしたモルコフ山岳ジャージをキープしたモルコフ

 

第3ステージ結果
1 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 4時間42分58秒
2 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) +1秒
3 ペーター・ ヴェリトス(スロバキア、オメガファルマ・クイックステップ) +1秒
4 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・ニッサン) +1秒
5 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) +1秒
6 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +1秒
7 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +1秒
8 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +1秒
9 バウケ・モレマ(オランダ、ラボバンク サイクリングチーム) +1秒
10 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +1秒
39 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +1秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・ニッサン) 14時間45分30秒
2 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) +7秒
3 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ) +7秒
4 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +10秒
5 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) +11秒
6 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +17秒
7 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +18秒
8 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ・バラクーダ) +18秒
9 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レイディオシャック・ニッサン) +19秒
10 バウケ・モレマ(オランダ、ラボバンク サイクリングチーム) +21秒
54 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +2分3秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 86 pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、スカイ プロサイクリング) 73 pts
3 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・ニッサン) 55 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ミカエル・モルコフ(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク) 9 pts
2 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 2 pts
3 パブロ・ウルタスン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) 1 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 10時間2分41秒
2 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) +1秒
3 レイン・タラマエ(エストニア、コフィディス ルクレディアンリーニュ) +12秒

敢闘賞
ミカエル・モルコフ(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク)

チーム総合
1 スカイ プロサイクリング 30時間8分7秒
2 レイディオシャック・ニッサン +4秒
3 BMCレーシングチーム +6秒

 
(文 須賀川健一/写真 砂田弓弦)

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