プロダクトレポートついにサスペンションは電子制御の時代に! LAPIERRE SPICY916 e:i

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 LAPIERRE(ラピエール)はフランスの総合自転車メーカーだ。欧州のプロ・ロードレースでフランス系のチームにバイクを供給するなど、「Cyclist」の読者にとっては馴染みのあるブランドだろう。実は欧州のMTB界でも非常にメジャーな存在だ。

LAPIERRE SPICY916 e:iLAPIERRE SPICY916 e:i

 ここ数年、欧米のMTBレースシーンでは「エンデューロ」というカテゴリーが非常に盛んである。基本的に下りっぱなしのDH(ダウンヒル)とは少し違って、ペダリングセクションがあり、場合によっては登りが組み込まれる事もある。最近はDHのワールドカップクラスの選手が参戦する事もあって盛り上がり、海外の自転車メディアでは「エンデューロバイク」と呼ばれるカテゴリーの特集が組まれるほどである。

 機材の特徴としてDHバイクとの違いは、まず軽量であること。そのため下り系のバイクの中では、いち早くカーボンフレームが採用されている。また、登りもあるのでサスペンションに可変ストロークのものが採用されたり、ペダリングロスを減じたりする工夫がなされている。変速系も、DH競技用はリアのみだが、エンデューロバイクではフロントに2枚のギアが装備され、ギア比がワイドなものが多い。

手元のスイッチでシートポストの高さが変えられる手元のスイッチでシートポストの高さが変えられる

 下りでサドルが邪魔にならないようにサドル高は非常に低くセットされるが、反対にペダリングセクションではサドルを高くしたい。このため最近では「テレスコピック・シートポスト」と呼ばれる、手元のスイッチを操作する事でサドルの高さを変えることの出来るシートポストが装備されている。ラピエールでは2013年モデルから、このパーツの装着を前提としたフレームのデザインがなされている。

高めでペダリング重視のサドル位置高めでペダリング重視のサドル位置
下りセクションではサドル高さを下げる下りセクションではサドル高さを下げる

 「e:i SHOCK」と名付けられた電子制御サスペンションシステムは、LAPERRREとROCK SHOXとTRELOCKの3社による共同開発によるものである。

・フォークに取り付けられたスピードセンサーとG(加速度)センサー
・ステムに取り付けられたディスプレイ兼Gセンサー
・BBに取り付けられたケイデンスセンサー

加速度センサーの内臓されたヘッドユニット。状況にあわせてプログラムを変更している加速度センサーの内臓されたヘッドユニット。状況にあわせてプログラムを変更している

 この3つのセンサーにより、リアのサスペンションユニットのセッティングに必要な情報を集めている。

 「今登りをペダリングしているのか?」「小さい砂利の林道をペダリングしているのか?」「石や溝が連続するセクションをペダリングをしているのか?」「ペダリングを止めて難しいセクションにチャレンジしているのか?」

 これらをセンサーの情報から判別し、「OPEN」「LOCKED」「AUTO」「MEDIUM」の4つのモードの中から最適なモードを自動的に選択する。そのプロセスは0.1秒毎に繰り返されるという。

 MTBでのライドは路面状況や姿勢が目まぐるしく変わるので、手動でセッティングレバーを頻繁に動かす事は困難だ。しかし0.1秒ごとに自動でモードが変わるならば、もはや機械の方が確実かつ正確だ。これによりライダーは、ペダリングやライン取りやセクションにより集中できる。

 フランスでの新製品発表会で実際にこのバイクを試した担当者の話では、「あまりにもモードがシームレスに切り替わるので、『今ロックした!』『今動いている!』と感じることが全くない。ダウンヒルコースを走っているのに、まるでクロスカントリーバイクのようなペダリングフィールだった」という。

e:iSHOCKの心臓部。フレームに見えるボックスはバッテリーユニットe:iSHOCKの心臓部。フレームに見えるボックスはバッテリーユニット
サスユニット上部に取り透けられたサーボが信号を受けセッティングを変更しているサスユニット上部に取り透けられたサーボが信号を受けセッティングを変更している
加速度センサーの内臓されたヘッドユニット。状況にあわせてプログラムを変更している
加速度センサーの内臓されたヘッドユニット。状況にあわせてプログラムを変更している
加速度センサーの内臓されたヘッドユニット。状況にあわせてプログラムを変更している

 では、果たしてどんなライダーに「LAPIERRE SPICY916 e:i」が向いているのか?

 日本国内でも、Winghills DH Avalancheや妙高高原DH Avalancheなどエンデューロに類する大会にエントリーしたいライダーは、当然このバイクは向いているだろう。しかし筆者は、国内ならば最近メジャーになってきた「ガイドによるMTBツアー」に最適なバイクではないかと考える。日本のガイドツアーでは登りはある程度まで車で運んでもらえるケースが多い。

 こういったツアーでは、途中から自走でトレイルまでアプローチするので、フルスペックのDH用MTBでは厳しい。「LAPIERRE SPICY916 e:i」なら、トレイルの下りはDHバイクのようにアグレッシブに楽しむことが出来て、上り返しやヒルクライムセクションではXCバイクのように楽に走ることが出来そうだ。まさに「ドリーム・バイク」と呼んでいいだろう。(レポート 鈴木良則)

LAPIERRE SPICY 916 Carbon e:i
完成車価格: 819,000円(税込み)

フレーム: SPICY CARBON OST+ 160mm TAPERED 12×142
フォーク: FOX 34 TALAS 160 CTD ADJUST FIT FACTORY KASHIMA15QR TAPERED
トランスミッション: SRAM X9 2X10 
ブレーキ: FORMULA THE ONE
ホイール: EASTON HAVEN
タイヤ: CONTINENTAL RUBBER QUEEN UST 26″x2.2 UD CARBON


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