ツール・ド・フランス2012 第2ステージ単独でも最強! カヴェンディッシュが集団スプリントを制して今ツール1勝目

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 ツール・ド・フランス2012は第2ステージ、ベルギーのヴィゼからトゥルネーに至る207.5kmのレースだ。今ツール最初の純粋スプリンター向けステージは、予想通りの集団スプリントとなり、現世界チャンピオンのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、スカイ プロサイクリング)が優勝した。総合トップはファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・ニッサン)で変わらず。日本の新城幸也(チーム ヨーロッパカー)はタイム差なしの15位に入る健闘を見せた。

混戦のスプリントを見事制したカヴェンディッシュ第2ステージの集団スプリントを制したマーク・カヴェンディッシュ

 プロローグから3日間続いたベルギーステージは、この日が最後。ベルギー国内をオランダ国境近くからフランス国境近くまで、東西に横断するコースだ。

 レースは序盤にクリストフ・ケルヌ(フランス、チーム ヨーロッパカー)、ミカエル・モルコフ(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク)、アントニー・ルー(フランス、エフデジ・ビッグマット)の3人が抜け出し、集団に大差をつけて先行する展開となった。前日も先行グループに入って山岳賞ジャージを獲得したモルコフは、この日も先行して山岳ポイントを取りに行く作戦だ。

逃げた3人。左からクリストフ・ケルヌ(フランス、チーム ヨーロッパカー)、ミカエル・モルコフ(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク)、アントニー・ルー(フランス、エフデジ・ビッグマット)逃げた3人。左からクリストフ・ケルヌ(フランス、チーム ヨーロッパカー)、ミカエル・モルコフ(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク)、アントニー・ルー(フランス、エフデジ・ビッグマット)

 序盤50kmを過ぎて、先頭3名とメーン集団との差は約7分まで開いた。集団のコントロールは、リーダーチームのレイディオシャック・ニッサンから、スプリンターを擁するチームに切り替わり、ここから少しずつ差を詰めていく。

 82km地点にあるこの日唯一の山岳ポイントであるナミュール要塞への上りは、モルコフが先頭で通過して、山岳賞トップをキープした。山岳ポイントでの集団との差は約4分半。この日の目的を達したモルコフは先頭交代に加わるのを止め、ケルヌとルーの2人が先頭でペースを作って逃げ続ける。

 153km地点の中間スプリントは、ケルヌが先頭で通過。メーン集団での4位争いはオリカ・グリーンエッジが厚い布陣でスプリント。前ステージの中間スプリントと同じくマシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が集団の先頭で通過した。

ゆっくりとしたスピードで進むプロトン(メーン集団)ゆっくりとしたスピードで進むプロトン(メーン集団)

 中間スプリント争いでペースアップした集団は先頭との差を一気に詰め、残り35km付近でその差はついに1分を切る。ここで先頭でルーがアタック。ケルヌとモルコフはこれを追わずに集団に吸収され、ここからルー単独先頭と、メーン集団という形になった。

 ルーはタイムトライアルさながらのフォームで時速50km以上のスピードで逃げ続ける。一方集団は、ルーを泳がせながらも、徐々に各チームの位置取り争いが激しくなっていく。スプリンターを擁するチームだけでなく、総合狙いのチームもエースを安全な位置で走らせるために固まって前に陣取ろうとしている。

 ゴールまで15kmを切り、約20kmを単独逃げ続けたルーも吸収。いよいよスプリンター勢による争いとなった。残り2kmからアンドレ・グライペル(ドイツ)を擁するロット・ベリソル勢が強力に集団先頭を牽引。グライペルの後ろには前日優勝のペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)がつける。

 残り1kmを切ってもロット・ベリソル勢が先頭。グライペル必勝態勢、そしてそれをマークするサガンとの争いかと思われたが、残り500mで集団内を単騎上がってきたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、スカイ プロサイクリング)が半ば強引にサガンからグライペルの後ろを奪い、土壇場で絶好のポジションを得た。

 残り300mを切り、いよいよ最後のゴールスプリント。完璧なチームのアシストを得て発射したグライペルが先行。しかしその後ろから飛び出したカヴェンディッシュが競りかけ、最後はグライペルを追い抜いてゴールを先頭で駆け抜けた。

この日もリーダーの座を守ったカンチェッラーラこの日もリーダーの座を守ったカンチェッラーラ

 現役最強スプリンターと称され、昨年もステージ5勝と総合ポイント賞を獲得しているカヴェンディッシュ。しかし今年は個人総合を狙うチームメイト、ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)の為に、自身のスプリントを全面的に助けるアシスト勢の働きが期待できない中での参戦だった。だが他チームの動きを巧妙に利用して、最後は絶好の位置からのスプリント。その力と経験が、やはり現役トップの位置にあることを、自らの力で証明してみせた。

 総合トップのマイヨジョーヌはカンチェッラーラが堅守。ポイント賞のマイヨヴェールは、この日6位に入ったサガンが獲得した。ポイント賞トップだったカンチェッラーラがマイヨジョーヌを着るため、この日も繰り下がりでマイヨヴェールを着ていたサガンだが、ようやく真のマイヨヴェールに袖を通した形だ。

 ツールはいよいよ明日からフランスに入っての戦いとなる。

第2ステージ結果
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、スカイ プロサイクリング) 4時間56分59秒
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル チーム) +0秒
3 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
4 トム・フィーレルス(オランダ、アルゴス・シマノ) +0秒
5 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD) +0秒
6 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +0秒
7 ヤウヘニー・フタロヴィッチ(ベラルーシ、エフデジ・ビッグマット) +0秒
8 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、チーム サクソバンク・ティンコフバンク) +0秒
9 マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク サイクリングチーム) +0秒
10 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ・バラクーダ) +0秒
15 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +0秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・ニッサン) 10時間2分31秒
2 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) +7秒
3 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ) +7秒
4 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +10秒
5 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) +11秒
6 デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ チーム) +13秒
7 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) +13秒
8 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +17秒
9 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +18秒
10 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ・バラクーダ) +18秒
92 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +2分3秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 78 pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、スカイ プロサイクリング) 63 pts
3 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・ニッサン) 55 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ミカエル・モルコフ(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク) 4 pts
2 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 1 pts
3 パブロ・ウルタスン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) 1 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 10時間2分41秒
2 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) +1秒
3 レイン・タラマエ(エストニア、コフィディス ルクレディアンリーニュ) +12秒

敢闘賞
アントニー・ルー(フランス、エフデジ・ビッグマット)

チーム総合
1 スカイ プロサイクリング 30時間8分7秒
2 レイディオシャック・ニッサン +4秒
3 BMCレーシングチーム +6秒

 
(文 米山一輝・写真 砂田弓弦)

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