“デュラクランク”でも左右で10万以下性能と価格のベストバランス 4iiiiパワーメーター「PRECISION PRO」をレビュー

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 カナダ初のブランド「4iiii」(フォーアイ)のパワーメーター「PRECISION PRO」をレビューする。クランクに取り付けられた歪みセンサーが高い精度で乗り手の出力を計測。手の届きやすい価格のラインナップが魅力的なプロスペック製品を試した。

クランク式のパワーメーター「4iiii」を試した Photo: Shusaku MATSUO

 4iiiiのパワーメーターはクランクにセンサーが取り付けられたタイプだ。その特徴としては精度の高さが挙げられる。4iiiiの場合は誤差±1%としており、ねじれの数値を含む3軸で測定。UCIワールドチームのイスラエル スタートアップネーションも採用しているプロ基準の製品である。

左クランクは内側にセンサーが取り付けられる Photo: Shusaku MATSUO

 正確な数値が測れるとされるクランクタイプだが、その一方で価格が高い傾向もある。しかし、4iiiiのパワーメーターは、シマノのハイエンドモデル「FC-R9100」をベースにしたものでも税別9万9000円とリーズナブル。さらに左クランクのみのモデルもラインナップがあり、R7000系105のクランクだと税別3万2000円というプライスだ。また、自身が使用しているクランクを工場へ送り、新たにセンサーを取り付けるプランもある。この場合、アルミだけでなく、カーボンクランクにも対応している充実ぶりだ。右側、左側のそれぞれを選ぶことも可能。クランクの長さもシマノタイプであれば165、170、 172.5、175mmと一般的なサイズが揃えられている。

左クランクはカバーをスライドさせて電池交換する。電池はCR2032 Photo: Shusaku MATSUO
右クランク側は六角レンチでカバーを外す Photo: Shusaku MATSUO

 クランクのセンサーは非常にコンパクトで、今回試したモデルは電池式(PRECISION)のため、内部にCR2032ボタン電池が納められている。コンビニなどでも手軽に手に入るものだ。左クランク側はカバーをスライドさせ、右クランク側は六角レンチでカバーを外し、電池を交換する。出先でも簡単に作業できるだろう。このほか、充電タイプ(Podiiiium)もラインナップしている。

 4iiiiはスマートフォンのアプリと連携できるのも特徴の一つ。センサーは常に高い精度で出力計測を行うため、ライドのたびにキャリブレーション(校正)することが推奨されている。校正はサイクルコンピューター側でも実施できるほか、純正のアプリからでも簡単に行うことができる。クランクを12時と6時に位置させ、バイクを水平にしたのち、「Zero Offset」を押すだけ。ちなみに、温度差によっても正確な数値が出ない場合もあるため、走る環境で5〜10分走行し、校正してからの計測が推奨されている。真冬や真夏には注意が必要だ。その他、アプリでは左右別の充電残量が表示されるほか、ファームウェアのアップデートも可能だ。

アプリとセンサーのペアリングも非常にスムーズで、操作に対するレスポンスも良い
センサーのバッテリー残量の確認やゼロオフセット(校正)の操作もアプリ上で可能

ちょうどいい“欲しい”がある

 取り付け方法は一般的なクランクと変わりはない。4iiiiの専用工具などはなく、クランクの交換ができる知識があればユーザー自身でも作業できるだろう。ガーミンのエッジや、スマホのアプリとの連携レスポンスもスムーズなのが印象的であった。信号を拾いづらかったり、途切れたりという不便さは全く感じない。その都度キャリブレーションする必要があるのは若干億劫だったが、慣れの範疇だろう。わずか数十秒の作業である。

 数値の正確さについては他社のパワーメーターと比較したり、定量的な測定方法で試したわけではないので不明だが、トッププロやコーチでなければそこまでの精度は必要ないのではないだろうか(誤差が±5%を超えるとなると躊躇するが)。4iiiiの場合、わざわざユーザーに毎回の校正という面倒をお願いしている時点で信頼性はあると言える。体感的には全く問題のない数値がサイクルコンピューター上に表示されていたし、データを見返しても不自然さはない。

純粋な出力数値を知りたいというユーザーにとっておすすめしたい製品 Photo: MATSUO

 ペダリングの軌跡や、踏面が可視化できる機能は備わっていないが、乗り手の純粋な出力は正確に計測できる。クランクにセンサーが取り付けられているので、チェーンリングも交換できるし、ユーザー自ら電池の交換もできる。かつ、価格はお手頃だ。もっと高価格で高性能なパワーメーターはあるかもしれないが、一般的なユーザーのニーズを掴むのは4iiiiではないだろうか。これからパワーメーターの導入を考えているサイクリストにとってはうってつけの製品である。まずは左クランクから導入してみてはいかがだろうか。

■4iiiiパワーメーター「PRECISION PRO」概要

クランク左右セット(いずれも電池式)

シマノDura-Ace 9100
クランク長:165 / 170 / 172.5 / 175mm
チェーンリング : 50/34、52/36、53/39
税別価格:99,000円

シマノUltegra 8000
クランク長:165 / 170 / 172.5 / 175mm
チェーンリング : 50/34、52/36、53/39
税別価格:77,000円

シマノ105 7000
クランク長:165 / 170 / 172.5 / 175mm
チェーンリング : 50/34、52/36、53/39
税別価格: 66,000円

左クランクのみ

シマノDura-Ace 9100
クランク長:165 / 170 / 172.5 / 175mm
税別価格:52,000円

シマノUltegra 8000
クランク長:165 / 170 / 172.5 / 175mm
税別価格:42,000円

シマノ105 7000
クランク長:165 / 170 / 172.5 / 175mm
税別価格:32,000円

シマノGRX RX810
クランク長:170 / 172.5 / 175mm
税別価格:42,000円

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