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三船雅彦の#道との遭遇<14・最終回>そこに道がある限り 

by 三船雅彦 / Masahiko MIFUNE
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 長距離のエキスパートでプロサイクリストの三船雅彦さんが、全国の道を、普通と違った走り方で紹介する連載「#道との遭遇」。第14回で最終回となる今回は、三船さんが走り続ける理由、「#道との遭遇」にかける思いを語っていただきました。

そこに道がある限り、走り続ける、と宣言する三船雅彦さん

「京都一筆書き」から始まった#道との遭遇

 非常に残念なニュースですね。今月いっぱいをもってCyclistさんが新規コンテンツの更新を終了ということでショックです。

 そしてこの連載も今回で最後と言うことになりました。アクセスランキングで、ビッグレースや最近機材のリポートよりも多いアクセスを取れていたこともあり、改めて「みんな、好きだねぇ~~!」と、何度もほくそ笑んでいました。

日本だけでなく海外も。2019年PBPのときは時差ぼけ対策でフランスも走り回った Photo: Masahiko MIFUNE
夜通し走るとき、眠くなったら寝る。MARUTOのエマージェンシー輪行袋の開発もお手伝い。寝るときに役立っている Photo: Masahiko MIFUNE

 「自転車の楽しみ」。それはもちろんレースのように、複数のサイクリストがいれば競うことは至極自然のことで、それが競技でなくても他の人とタイムを競ったり、走行距離を競ったり、はたまた知らない道をどれだけ知っているのかなんて自慢度合いだったり。

 この連載「道との遭遇」をやりだしたきっかけは、元々事務所を京都市内に持っていたのだけど、その時にふと「京都市内を一筆書きで一体何キロ走ることができるのだろうか?」と思ったことがきっかけ。

STRAVAヒートマップで京都市内を全部走るのが目標で走り続け、コンプリートへ Photo: Masahiko MIFUNE

 碁盤の目になっていると言えど、五条通りのように通りを跨いで走ることが不可能な通りもあるし、これは事前にシミュレーションして、もしくはパソコンなどにソフトを導入して自動的にルートを検出させるか、なんて考えていたのだが、知り合いに相談したら、それはもうトライ&エラーでやったほうが安いし早いんじゃないでしょうかね?という結論になった。

京都市内でマップデータを見ながら塗りつぶす作業。時にはこんな狭い「道」にも遭遇。ハンドルが通らなかった Photo: Masahiko MIFUNE
なぜここを「道」として表示したのか・・・実際通ると、アパートの通路としか思えなかった Photo: Masahiko MIFUNE
お! ってなんだ?? あ、この先急カーブね(笑) Photo: Masahiko MIFUNE

 そして事前にまず京都市内を散策していこう、となったのが京都市内の通りをくまなく走り出すきっかけで、これをやり始めてから今までの楽しみとはまた違った自転車の面白さを再発見することになった。身近でも知らない道なんていっぱいあるし、というか実は知らない道の方がはるかに多いということに気づかされた。走れば走るほど、知らない道を少しでもたくさん走っていきたい、と思うようになってきた。

自転車は自由な乗り物

 自転車はクルマや列車に比べて自由な乗り物だ。もしかすると便利ではないかもしれない。今の世の中の時間軸にはそぐわないかもしれない。しかしそのギャップがまた自転車での旅をより楽しく感じさせているようにも思っている。

日本3大酷道と称される国道425号、通称死にゴー。しかしバイパス化が進み、酷道が減少しているのも事実だ Photo: Masahiko MIFUNE

 最近はバイパス化によって朽ちていくのを待っているような旧道や朽ちてしまったような道がお気に入りだ。これは早い時期に走ってやらないと、永遠に走ることができなくなってしまう。まだ中学高校の頃にサイクリングしていた頃には普通に通っていた道も。トンネルやバイパスの出現で入口にバリケードなどで立入禁止エリアなっている個所は年々増えている。旧道に集落や登山道などがあればなんとか通れる状態で残っていることもある。そう考えると、自分の人生と走りたい道の距離のギャップが大きすぎて気が狂いそう。それこそ止まっている場合じゃない、1分たりとも休まずに走り続けたいと思えてくる。

夜通し走って目の前に桜島。感動したが、このあと火山灰の餌食に Photo: Masahiko MIFUNE

終わりのない楽しみ

 この連載を通じてたくさんの人と知り合い、励ましの声をかけてもらえたことは、本当にありがたく、この連載をしていてよかったと思えた瞬間だった。

 「道との遭遇、むっちゃ楽しいです。次はどこに行くんですか?」

 「あんな道、ホントに走ったんですか!!」
(そう言われることを想定し、毎回STRAVAの走行ログを公開していたのだが)

 そしていろいろと下見することで、知らなかった魅力的な道やその道の歴史もどんどんと知ることができ、多分、自分自身が一番連載を通じて成長し、そして楽しんでいたのだと思う。

自転車なら、季節をもっと身近に感じられる Photo: Masahiko MIFUNE

 さて、次はどの道を走ろうか。私のライフワークとなった「#道との遭遇」。まだまだ終わりの見えない果てしない道の入り口に、いま私は立っています。

この記事のタグ

ブルベ ロングライド 三船雅彦の「#道との遭遇」

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