「私とCyclist」⑤猪野学さん『Cyclist』は永遠に不滅です!

by 猪野学/Manabu INO
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 連載執筆陣が『Cyclist』とのかかわりを振り返る「私とCyclist」。最終回は連載「坂バカ奮闘記」の執筆者、“坂バカ”俳優・猪野学さんです。

◇         ◇

 『Cyclist』がこの春に終了することになった。私は『坂バカ奮闘記』で5年に渡り、通算56本の記事を連載させて頂いた。有難い事に多くのサイクリストの方々に「毎回読んでます!」「あれはご自身で書いているのですか?」などというお言葉を頂くこともあった。たまに内容が馬鹿過ぎてカットされることはあるが、連載は私自身がスマートフォンで書いてきた。

約5年間、ノンストップで執筆した月イチ連載は56回に!

「縁」で始まった連載

 きっかけはNHK『チャリダー★』坂バカ女子部のメンバー、おおやようこさんだ。おおやさんに『Cyclist』の編集者の方を紹介してもらい、インタビューを受けた。その出会いがきっかけで連載が始まり、やがては本まで出版させていただくことになるのだから、人生不思議なものだ。これも人の「縁」が成せる技なのだろうか。

2016年、『Cyclist』の取材を受ける筆者

 そもそも私は芝居をするために東京に上京したのに、今では毎日ローラー台にまたがり、最大心拍計と格闘している。ただただ、なるようにして、こうなっているような気もするのだ。

 私はたまに考察することがある。この「縁」というものはあらかじめ用意されていて、人生はある程度始めから決められているのではないだろうかと。何故そう思うかというと、自転車に出会ってからの私の人生は、まるで用意されていたかのように、ミラクルの連続だったからだ。

同連載の内容を抽出した初の自著『自分に挑む!人生で大切なことは自転車が教えてくれた』(CCCメディアハウス刊)

 日本自転車競技の歴史を変えた新城幸也選手とタイの山奥を一緒に走ったり、スペインでは世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデの、まるで彫刻の様な美しいフォームを間近で見たり。

『チャリダー★』のスペインロケでアレハンドロ・バルベルデと
地獄のタイ合宿で新城幸也選手と

 さらにはトラック競技日本代表を強くした名将!鬼のブノア監督にバイクで時速70キロまで押されたり。普通に俳優だけやってたら決してできない経験をしてきた。

 俳優の大先輩である火野正平氏も「こんなん役者だけやってたら絶対できひん経験や」と同じくNHKの自転車番組(?)である『にっぽん縦断 こころ旅』の番組内で仰っていた。そう!「サイクル=ミラクル」なのだ。

終わりは次への始まり

 今、時代が大きく変わろうとしている。歴史の教科書で読んできた大きな時代の変化が、今我々の目の前で起こっているのだ。しかしそれは教科書に書かれてあるような劇的なものではなく、大きなうねりの中で…ゆっくりと着実に変わっている。

 2030年にはガソリン車の販売も終わるらしい。しかし自転車は私が死んでもこの世から消えることはないだろう。それどころかこのコロナ禍や地球温暖化の影響で、これからさらに必要とされる最強の乗り物となっていくだろう。

 この度『Cyclist』は終わりを迎えるが、終わりは何かの始まりなのだ。ペダルだって片方が下支点に来れば、もう片方のペダルは上支点に来ていて、次のペダリングが始まっちゃっているではないか! 終わっては始まる、まさに止まることのない永遠のサイクル。そう、『Cyclist』は永遠に不滅なのだ。

 またいつか、新たな形で復活することを願って。

 ありがとう『Cyclist』!

猪野 学(いの・まなぶ)

俳優・声優。自転車情報番組NHK BS1『チャリダー☆』(毎週土曜18:00~18:50)にレギュラー出演し、「坂バカ俳優」という異名で人気を博す。自転車の他、空手やスキーなども特技とするスポーツマン。俳優として舞台や映画、ドラマなどで活躍する一方、映画『スパイダーマン』のトビー・マグワイアの声優としても知られる。ウェブサイト「マナブログⅡ

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