平野由香里さんが和歌山サイクリングの魅力発見人気インスタグラマーと走るWAKAYAMA800・熊野編②太地半島から、世界遺産・那智の滝へ 

by 浅野真則 / Masanori ASANO
  • 一覧

 和歌山県は、県内全域のおよそ800kmの道路にサイクリストのためのブルーラインが引かれる。この「WAKAYAMA800」の魅力的なサイクリングコースから、県東部・熊野エリアのモデルコースを人気インスタグラマー・平野由香里さんと実走。後編はくじらの町として知られる海沿いの太地半島から、清流太田川を遡り、世界遺産・那智の滝へ至るルートを紹介する。

くじらの博物館の近くにはかつて捕鯨船として活躍していた第一京丸が静態展示されている。このコース随一の写真映えスポットだ Photo: Masanori ASANO

【コースその2】
くじらの町・太地から神々のすまう熊野・那智へ

コース概要

 くじらの町・太地をスタート。ツール・ド・熊野第3ステージ「太地半島コース」を走り、清流太田川沿いに那智山の山間の集落・色川へ。さらに標高を稼ぎながら妙法山・阿弥陀寺を経て、熊野三山のひとつ・熊野那智大社や世界遺産の那智の滝で劇的なフィナーレを迎える。海、山、川の自然を満喫でき、神々がすまう世界遺産・熊野で締めるドラマチックなルート。

アクセス

・マイカーの場合
 「くじらの博物館」がサイクリング客向けの駐車場「パークアンドサイクル」の対象施設になっているので、ここに車をデポしてスタート。熊野那智大社から先は、自走でスタート地点に戻っても、JR那智駅からJR太地駅まで輪行してショートカットしてもよい。

・公共交通機関の場合
 JR太地駅まで輪行し、同駅からスタート。熊野那智大社でフィニッシュしたら、JR那智駅まで自走して輪行する。

ツール・ド・熊野の舞台・太地半島で熱い戦いに思いをはせる

 太地半島はくじらの町として知られるが、サイクリストとしてはツール・ド・熊野第3ステージの舞台としておなじみだ。レースのスタート・フィニッシュ地点に向かう椰子並木のストレートを駆け抜ければ、プロ選手の気分が味わえる。

くじらの町・太地町を象徴するくじらのモニュメントが迎えてくれる Photo: Masanori ASANO
ツール・ド・熊野第3ステージの最終ストレートの椰子並木。プロ選手たちはここを高速で駆け抜けていく Photo: Masanori ASANO

 コースは漁港まではフラットだが、漁港を過ぎて集落が途切れるとレースの勝負どころのひとつである上りが現れる。ピークまでは距離にして500mほどだが、平均勾配は9%弱となかなかハードだ。上りの途中で振り返ると、太地の漁村が一望できる。プロ選手はここを猛スピードで駆け上っていく

太地漁港を過ぎてすぐに現れる上り。レースでは勝負どころになるポイントのひとつだが、漁村を見下ろせる絶景スポットでもある Photo: Masanori ASANO

 半島の東端の梶取崎の手前で右折すると、急勾配の下りが始まる。ジェットコースターのようで楽しいが、途中急カーブがあるのでスピードにはくれぐれも注意。さらに短い上りを経て太平洋を望む絶景ポイント・平見台園地が現れる。

平見台園地からは太平洋を一望できる。岬の突端には展望台もある Photo: Masanori ASANO

 平見台園地をあとにし、集落を抜けるとつづら折りの急勾配の下りが現れる。北側斜面で雨が降ると滑りやすいので安全走行で走ろう。ワインディングを下って県道239号に突き当たったら左折。太地半島に別れを告げ、国道42号方面を目指す。

清流太田川を遡るWAKAYAMA800未登場のルートで那智山の山里・色川へ

 国道42号を横断し、県道45号を清流太田川を遡るように進む。この先しばらくは、WAKAYAMA800のルートとしてもまだ紹介されていない初蔵出しのコースだ。

WAKAYAMA800にまだ紹介されていない太地から色川に向かうルート。県の担当者によると、和歌山にはこのようなまだまだ自転車で走りやすいルートがたくさんあるそうだ Photo: Masanori ASANO

 国道との交差点から20kmほど緩やかに上ると、右手に円満地公園が見えてくる。この先はやや勾配がきつくなるが、山里ののどかな風景を楽しみながらのんびり走ろう。

 県道43号との丁字路交差点にさしかかったら、左折してこのあたりでは貴重なランチスポット・らくだ舎喫茶室へ。東京からこの地に移り住んだ夫婦が営むカフェで、サンドイッチやジビエの鹿肉を使ったハヤシライスなどが楽しめるほか、予約すれば旬の地元食材をふんだんに使ったプレートが楽しめる。

色川集落の「よろずや」に併設されるカフェ・らくだ舎喫茶室。木・金・土曜のみ10:00〜17:30まで営業 Photo: Masanori ASANO
らくだ舎喫茶室のランチプレート。この日は色川の棚田で造られた古代米のおにぎり、猪肉の生姜焼き、つぼみ菜(白菜のつぼみ)としらすの和え物、にんじんのラペなど。ほとんど地元で採れた食材を使っている。1100円 Photo: Masanori ASANO
色川はお茶の産地でもある。色川茶は独自の製法で緑茶のさわやかさとほうじ茶の香ばしさを併せ持つのが特徴 Photo: Masanori ASANO

絶景スポットの阿弥陀寺を経て世界遺産・那智の滝でフィナーレ

 ランチでエネルギーを補給したら、色川の集落をあとにし、最後の上りに挑もう。先ほどの丁字路を直進し、那智高原公園方面に進むと再び上りが始まる。3kmほど上るといったんフラットになって右側の視界が開け、色川の集落と棚田を一望できる。

那智高原公園への上りの途中、山の斜面に沿って棚田が広がるのを一望できる絶景ポイントがある Photo: Masanori ASANO

 フラットな区間を抜けると、このコース最大の難関が待っている。那智高原公園方面に大きく左折すると2kmほど平均勾配10%弱の区間が続く。鬱蒼とした森の中を淡々と上り、激坂区間を過ぎると、阿弥陀寺までは緩やかな上り。阿弥陀寺の駐車場がこのコースのピークで標高およそ600mだ。下界より気温が低いので、夏でも薄手のジャケットなど羽織れるモノを携行するのがおすすめだ。阿弥陀寺の駐車場からは山並みの向こうに太平洋を一望でき、スタート地点の太地半島も見える。

このコースの最高地点・阿弥陀寺。駐車場からスタート地点の太地町も見えるので「ここまで上ってきた!」とという達成感が得られる Photo: Masanori ASANO

 阿弥陀寺から先は道幅の狭い下りのワインディングロードが続く。スピードに注意しながら走ろう。途中、太平洋方面を一望する見晴台もある。6kmほど下ると、那智の滝でおなじみの熊野那智大社、さらに1kmほど下ると熊野那智大社の別宮で那智の滝をご神体とする飛瀧神社が現れる。飛瀧神社は那智の滝に最も近い神社で、境内の展望所から臨む那智の滝は迫力満点。旅のフィナーレを飾るのに最高のスポットだ。

世界遺産の登録資産・那智の滝。落差133mと日本一の落差を誇る日本三大名瀑のひとつ。滝までの参道は自転車のシューズでは歩きにくいので、スニーカーなどに履き替えて参拝しよう Photo: Masanori ASANO

平野さん「熊野の魅力がぎゅっと詰まったコース」

 太地半島は海の絶景が楽しめ、椰子の並木がキレイだったのが印象的でした。色川までの上りでは農村の風景が広がり、農作業をする地元の方とのふれあいが楽しめてよかったです。那智山では世界遺産・那智の滝の壮大さに圧倒され、昔の旅人もきっと同じように感じたのではないかと思いました。熊野の魅力がぎゅっと濃縮されたコースなので、ぜひ皆さんにも走ってほしいです!

この記事のタグ

和歌山県

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

Cyclist CLIP

スペシャル

自転車協会バナー

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載