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栗村修の“輪”生相談<200>20代男性「ダイエットしようと思っていますが、どの食事のカロリーを削るべきでしょうか?」

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 都内で自転車通勤をしている会社員です。23歳です。

 さて早速質問です。去年の4月から社会人として働き始め、会社までの11kmほどの道のりをほぼ毎日自転車で通勤しています。

 かなり体重があるのでダイエットもしようと思っていますが、食べる量とパワーがトレードオフになっているように感じています。確かにパワーを出すにはそのエネルギー源になる食べ物をある程度食べることは必要だとは理解しています。しかし、昼をサラダとパンに置き換えているくらいの食生活で素人でも分かるほどのパワー低下に繋がるのでしょうか?

 1日かなり食べた次の日は普通の食生活では感じられないくらいの高いパワーが出せている実感があります。

 どこの食事のカロリーを削るべきか、またどのような物をどこのタイミングで摂るべきかなどアドバイスをお願いしたいと思っております。

(20代男性)

 まず前提ですが、食べ物に限らず、「あれがいい」「これはダメ」という理論は、時代によって変わります。あと、個人差も大きい。したがって、少なくとも僕には絶対の答えを出すことはできないとお伝えしておきます。

 その上で経験則ベースでお伝えしますと、たぶんもっとも重要なのは、「人間の体は、ある程度環境に順応する」という点だと思います。これも食事に限りませんけれどね。

 たとえば、たくさん食べていた方が急に食事の量を減らしたら、体がびっくりしてパフォーマンスが落ちるかもしれません。しかし、しばらく経つと体は順応し、パフォーマンスが戻る可能性もあります。

 だから、昼食を変えた質問者さんが翌日にパワーの低下を感じたとしても、それはあくまで一時的なもので、少し経つと体が順応するかもしれません。もちろん、しないかもしれません。なので、申し訳ないのですが、ご質問にあるだけの情報で判断することはできません。

 ただ、一般論でいいますと、食事のエネルギーは肝臓や筋肉にある程度溜められますから、翌日にパフォーマンスが上がる可能性はあるでしょう。もっとも、近年は「食事は体に負担をかける」という考え方も出てきていますので、僕の現役時代のようなドカ食いは推奨されていません。このあたりも難しいですね。

ロードレース選手の食事方法も時代とともに変化している Photo: Yuzuru SUNADA

 というわけで、結論としては、

・ダイエット目的であれば一日の総摂取カロリーが消費カロリーを上回らないように注意しましょう
・一日の食事の回数や、朝食、昼食、夕食のどこに比重を置くかなど、いろいろな食事のしかたを試してください
・体は順応するため、短期的には判断せず、ある程度継続して判断しましょう

ということになります。

 その際に忘れないで欲しいことが一つ。それは、最低限のカロリー・栄養素は必ず摂ってください、ということです。

 ある人間が生きていくために最低限必要なカロリーや栄養素は明らかになっています。たとえば、仮に質問者さんが23歳の男性で体重60kg、かつ毎日22km程度の自転車通勤(低強度)をしているならば、カロリーならおそらく2000kcal程度は必要でしょう。また、三大栄養素と呼ばれる糖質・脂質・タンパク質がそれぞれどのくらい必要なのかも算出されています。ただし、体重を落とすことが目的なのであれば、毎日少しずつ脂肪を燃焼させていく必要があるので、カロリーの収支は少しだけマイナスになることを意識してください。

 冒頭に個人差が大きいと書きましたが、その一方で、万人に当てはまる原則も分かっているわけです。だから、原則はきっちりと守ることが大事です。そうでなければ体調を崩しかねませんからね。

 長期的に判断することと、最低限の栄養はしっかり摂ることを忘れずに、いろいろ試してみてください。やがてご自分にとってのベストな選択が見つかるでしょう。

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまで、タイトルを「輪生相談質問」としてお寄せください。

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