女子は與那嶺恵理が47位完走ファンデルプールがストラーデ・ビアンケ初優勝 驚異的な加速でアラフィリップを振り切る

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
  • 一覧

 UCIワールドツアー「ストラーデ・ビアンケ」が3月6日に開催され、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)がラスト1kmを切ってからの激坂区間で爆発的な加速力を発揮し、初優勝を飾った。同日開催の女子レース「ストラーデ・ビアンケ・ドンネ」はシャンタル・ファンデンブルック=ブラーク(オランダ、SDワークス)が勝利し、與那嶺恵理(ティブコ・SVB)は5分28秒遅れの47位で完走した。

オランダ人として初めてストラーデ・ビアンケを制したマチュー・ファンデルプール ©RCS

 イタリア語で「白い道」を意味するストラーデ・ビアンケは、トスカーナ州・シエアを発着する184kmで争われた。曲がりくねった道に、細かい起伏が多く、獲得標高は3200mに達する。さらに11区間・計63kmの未舗装路区間が登場し、荒れた路面からの振動と舞い上がる砂埃にも選手たちは苦しめられる。

 昨年はコロナ禍の影響で、3月から8月に延期され、猛暑のなか行われたレースであったが、この日のシエナ地方の最高気温は15℃と涼しい気候。前日は雨が降ったものの、レース当日の天気は快晴で、ほぼドライコンディションのなかレースは行われた。

 スタートして8人の逃げ集団が形成。この動きは中盤には吸収されたものの、残り67km地点でロイック・ヴリーヘン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベール)、ジャンニ・フェルメールシュ(ベルギー、アルペシン・フェニックス)、ゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター チーム)の3人が抜け出した。ドゥクーニンク・クイックステップがコントロールする集団とのタイム差は最大でも20秒程度に抑えられていた。

 残り61km付近、メイン集団からマルコ・マルカート(イタリア、UAE・チームエミレーツ)のアタックを皮切りに、グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、アージェードゥーゼール・シトロエン)、カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)、クイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)ら13人が先頭集団にブリッジ。

 しかし、ストラーデ・ビアンケ3度優勝を誇るファビアン・カンチェラーラ(スイス)の名が冠せられたセクター8(11.5km)に集団が突入すると、例年は同区間からレースが大きく動くことが多いとの評判に違わず、メイン集団はペースアップ。逃げていた選手を全員吸収し、そして、残り52km地点で2年前の優勝者であるジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックを仕掛けた。

 ここにファンデルプール、シモンズ、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)に加えて、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ)、エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)、ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、キュベカ・アソス)らが反応する一方、遅れてしまう選手も続出した。

 ファンアールト、ファンデルプールら優勝候補たちも積極的にローテーションを回し、セクター8を抜ける頃には先頭は8人に減っていた。さらに、シモンズもパンクで離脱し、先頭は7人に。

 2019年2位のヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナプロチーム)を筆頭に、ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)、サイモン・カー(イギリス、EFエデュケーションファースト・NIPPO)ら、そして遅れたシモンズを含む10人の追走集団が先頭から20秒遅れの位置に形成されていた。この集団にはアルペシン・フェニックスの選手が2人含まれていることもあって、あまり協調がとれておらず、ペースが上がらずタイム差が徐々に拡大していく状況だった。

激坂で世界王者を千切るファンデルプールの加速

 セクター9の手前、残り23km地点で再びアラフィリップが加速。ファンアールト、ピドコックが遅れを喫したものの、残り19.4km地点から始まるセクター10の途中で先頭集団に復帰した。一連の動きでペースアップした先頭集団は、追走集団に1分差をつけていた。

 残り13km地点から始まる最後の未舗装路区間であるセクター11に入ると、グラベル激坂区間で攻撃を試みたのはファンデルプールだった。強烈な加速についていけたのはアラフィリップのみ。しばらくして、ベルナルが単独追走で先頭2人に追いついたものの、前年王者のファンアールト、ピドコック、ポガチャル、ゴグルは置き去りにされた。フィニッシュに向かって、先頭3人はローテーションしながら後続を引き離していく。

 残り4km付近の平坦路で、ファンデルプールがアタックするもベルナルとアラフィリップを引き離すには至らず不発。3人のままラスト1kmのアーチをくぐって、いよいよ最後の勝負どころである平均12%の激坂区間が登場。

 上りはじめると、ファンデルプールが加速して先頭に立った。続くアラフィリップ、ベルナルの2人はファンデルプールの加速に十分対処できている様子だった。

 しかし、その直後、ファンデルプールがサドルから腰を上げると、さらに爆発的な加速力を発揮。一瞬でアラフィリップたちを振り切ると、そのまま単独でフィニッシュ。普段以上に力強いガッツポーズを何度も繰り出して、大きな喜びを表現していた。

 2位にアラフィリップ、3位にベルナルと続き、追走集団ではファンアールトが抜け出し4位となった。ストラーデ・ビアンケはまだ15回目の開催であるが、ファンデルプールは初めて同レースを制したオランダ人となった。

SDワークスがチーム力で勝利

 男子レースに先立って、女子レースが136kmで争われた。最終局面に向けて4人を残したSDワークスがレースを掌握し、残り6km付近でファンデンブルック=ブラークがアタックすると、エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)のみが反応。最後の激坂でロンゴボルギーニを振り切った元・世界王者のファンデンブルック=ブラークが勝利。3位にはブラークのチームメイトで現・世界王者のアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)が入った。

ストラーデ・ビアンケ結果
1 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) 4時間40分29秒
2 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +5秒
3 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) +20秒
4 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) +51秒
5 トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) +54秒
6 ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、キュベカ・アソス)
7 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ)
8 サイモン・クラーク(オーストラリア、キュベカ・アソス) +2分25秒
9 ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ・プレミアテック)
10 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) +2分39秒

ストラーデ・ビアンケ・ドンネ結果
1 シャンタル・ファンデンブルック=ブラーク(オランダ、SDワークス) 3時間54分40秒
2 エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) +7秒
3 アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス) +9秒
47 與那嶺恵理(日本、チーム ティブコ・SVB) +5分28秒

この記事のタグ

UCIワールドツアー

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

Cyclist CLIP

スペシャル

自転車協会バナー

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載