遠隔地からの参加でも一体感あるイベントにバーチャルライドでレースと観光いっぺんに満喫 「木曽おんたけサイクリングワールド」

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 レースと観光をオンラインで満喫できるイベント「木曽おんたけサイクリングワールド2021 ロードレース&ヒルクライム」が2月21日に行われた。参加者は世界中から集い、白熱した2レースを展開。人が多く集まっての大会開催が敬遠されるコロナ禍において、画期的な取り組みとして盛り上がりを見せた。

長野県木曽町の現地から、地元の魅力を発信すべく、豪華ゲストを迎えて開催された「木曽おんたけサイクリングワールド2021」 Photo: Shusaku MATSUO

コロナ禍に対応したイベント開催に

 外出自粛や「密」を避けることが求められるコロナ禍では、運動不足による健康への影響も懸念されており、適度な運動が政府からも推奨されている。サイクリングもその内の一つだが、参加者の移動が伴い、人が一堂に会する大会は基準内であれば禁止されてはいないものの、多くのイベントで延期やキャンセルが続いているのが現状だ。

配信は木曽文化公園・文化ホールから実施 Photo: Shusaku MATSUO

 木曽おんたけサイクリングワールド2021は、木曽おんたけ観光局が主催のイベントで、木曽おんたけエリアの美しい自然や、サイクリングに適した環境を、コロナ禍でも全国のサイクリストに伝えるべくオンラインを中心に開催された。バーチャルサイクリングアプリ「Rouvy」(ルービー)を駆使し、現地の実写映像とAR(仮想現実)を組み合わせ、御嶽山麓に広がるコースを2つ用意。おんたけ湖1周のロードレース(約18km)と、御嶽山の「おんたけ2240スキー場」を目指すヒルクライム(約11km)のバーチャルレースが2レース開催された。

選手の間にはパーテーションを設け、感染対策に配慮して実施 Photo: Shusaku MATSUO
配信を盛り上げた3人。左からDJがらぱさん、イナーメ信濃山形の中畑清監督、木曽人の小林夏樹代表 Photo: Shusaku MATSUO

 大会には豪華なゲスト陣も参加した。地元チームのイナーメ信濃山形から高杉知彰選手と岡泰誠選手、山の神こと森本誠選手(GOKISO)、JCL(ジャパンサイクルリーグ)チームの那須ブラーゼンから佐藤大志選手と佐藤宇志選手、U23(23歳未満)ナショナルチームで活躍する小出樹選手(EQADS)、自転車インスタグラマーの篠さんと、自転車YouTuberのYOPIさん(tom’s cycling)の8人が会場の木曽文化公園・文化ホールに集まった。会場内では感染対策を徹底したうえ、ゲストが実際にレースに参加。その模様はYouTubeチャンネル「サイクリストTV」でライブ配信された。自宅や別の場所でレースに出場する参加者は、中継映像を視聴しながら参加することで、イベントと一体感を得ながら汗を流した。

ヒルクライムレースの選手宣誓をする“山の神”こと森本誠選手(GOKISO) Photo: Shusaku MATSUO
「リアルのレースに負けない健闘と活躍を期待しています」と開会宣言した木曽おんたけ観光局の後藤憲二代表理事 Photo: Shusaku MATSUO

 また、会場では実況担当のDJがらぱさんのほか、イナーメ信濃山形の中畑清監督、地元情報誌「木曽人」の小林夏樹代表がレース展開やコースを解説した。サイクリストにとってのコースの素晴らしさや、地元の特産品も併せて紹介。「コロナ禍が明けたら行ってみたい」と思わせる魅力を途切れることなく発信していた。

レースの解説だけでなく、地元の名産品も紹介していた小林夏樹代表 Photo: Shusaku MATSUO
SNSに多くのフォロワーを抱える篠さんは、インスタグラムのライブで会場の様子を生発信 Photo: Shusaku MATSUO

リアルで訪れたくなる環境をVRで実感

 レースではゲスト選手たちが本気で参加者たちと対戦していた。バーチャルレースで成績を残してきた高杉選手や、プロ選手の佐藤兄弟が奮闘。優勝というリザルトこそ獲得できなかったものの、トップ争いを演出し、レースを盛り上げた。篠さんも岡選手にあと一歩及ばなかったものの、一つ後ろの順位でゴールする男子顔負けの健闘を見せ、会場を沸かせた。

岡泰誠選手(イナーメ信濃山形)(左)と篠さん(右)が白熱したレースを展開 Photo: Shusaku MATSUO
必死の形相でレースに取り組む小出樹選手(EQADS) Photo: Shusaku MATSUO

 ロードレースとヒルクライムレースの優勝者にはそれぞれ、サンボルト製の特製チャンピオンジャージが贈られるほか、3位までの選手にもヒノキの盾が贈呈される。

Rouvyのレース画面では、選手の位置や出力がリアルタイムで把握でき、実写の映像と相まって盛り上がりをみせた
「キツかったが、バーチャルで景色を楽しめました。ぜひリアルでも走ってみたいです」と感想を語ったYOPIさん(tom’s cycling) Photo: Shusaku MATSUO

 ライブ放送のチャットでは、視聴者からゲストへの応援や、参加者自らの書き込みも見られた。実写映像の見応えや、「御嶽山に行ってみたい」というコメントも散見。会場の垣根を越え、オンライン開催という新たなイベントの形を示した大会となった。最後に、小林代表は「今度は実際に現地に来ていただき、生で実際に“木曽人”になっていただきたいです」とアピールして締めくくった。木曽おんたけサイクリングワールドは今後も、地元の魅力を発信するサイクルイベントとして開催が続けられるという。

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