ツール・デ・アルプ=マリティーム・エ・ドゥ・ヴァール2021 第3ステージ逃げ切り決めたブランビッラが総合優勝 中根英登はリタイアもチームから評価
フランス南部で開催されていた3日間のステージレース「ツール・デ・アルプ=マリティーム・エ・ドゥ・ヴァール」(UCIヨーロッパツアー2.1)は、現地時間2月21日に行われた第3ステージで閉幕を迎えた。最終日の1級山岳を3つ超える難関コースは、レース前半に逃げグループに入ったジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)がフィニッシュ前11kmを独走。そのまま逃げ切り、ステージ優勝と個人総合優勝を決めた。日本勢で唯一参戦していた中根英登(EFエデュケーション・NIPPO)はチームメートのアシスト後リタイアし、3日間の戦いを終えている。

ブランビッラが追い上げかわし逃げ切り 総合も制覇
伝統的に山岳や丘陵地がコースに組み込まれるタフな短期決戦。最終日は、ブロサスクを発着する134.7kmが設定された。今大会で最もレース距離が短いものの、レース前半・中盤・後半に1カ所ずつ1級山岳の登坂が待ち受ける。なかでも、3つ目に登場するコル・ド・ラ・マドーヌは登坂距離14km、中腹から頂上にかけて7~8%の勾配が続く。これを越えると、フィニッシュまでは約24km。ステージ優勝争い、総合争いともに、この区間をいかにクリアするかがポイントになると考えられた。
スタート直後からの激しい出入りを経て形成された先頭グループには、前日の第2ステージ終了時点で個人総合4位につけていたルディ・モラール(フランス)と同8位のヴァランタン・マデュアス(フランス)のグルパマ・エフデジ勢、同17位のブランビッラら上位陣がジョイン。トレック・セガフレードはバウケ・モレマ(オランダ)が個人総合で2位、グルパマ・エフデジはダヴィド・ゴデュ(フランス)が同3位につけており、複数選手を上位に送り込んでいるチームが畳みかける形で、個人総合首位のマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)を牽制した。
レースが進行するにつれて、この両チームの主導権がより顕著になっていく。3人を前線に送り出したグルパマ・エフデジが中盤以降長時間にわたって先頭グループをコントロール。ブランビッラら2人が入ったトレック・セガフレードも加勢する。
Let’s move the focus from UAE ???????? to France ???????? for the last stage of #Tour0683
35 km (on 134) have been covered by the riders. The stage have been animated so far. 16 riders lead the race with 1’ on the peloton
We have two riders in the front, @JulienBernard17 and @glbrambilla pic.twitter.com/3gHFm7XnHd
— Trek-Segafredo (@TrekSegafredo) February 21, 2021
快調に飛ばす先行メンバーたちは、役目を終えた選手たちを少しずつ切り離しながらリードを保ち続け、最後の1級山岳に入ってさらに活性化。テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)のアタックをきっかけに人数が絞り込まれる。数回のアタックで先頭に残ったのは、ゲイガンハートのほかブランビッラとマデュアスだけに。さらにブランビッラがペースを上げるとゲイガンハートも苦しくなった。2人逃げの状態が少しの時間続いたが、残り11kmでブランビッラがマデュアスを引き離すと、完全に独走態勢へと移った。
一方、メイン集団はイスラエル・スタートアップネイションのペースメイクによって、最後の1級山岳の頂上で先頭とは1分差まで迫った。しかし、この上りでウッズがアシストを失うと、前線にチームメートを送り出しているモレマやゴデュらのチェックが厳しくなり、思うようにタイム差を縮めることができない。ウッズ自らブランビッラとのタイムギャップを縮小させたが、最後まで追いつくことはできなかった。
後続の追い上げをかわしたブランビッラは、そのまま1人でフィニッシュへと到達。13秒後にゲイガンハート、ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2R・シトロエン)、モラール、マデュアスが続き、さらに5秒後にウッズらを含んだ実質のメイン集団がなだれ込んだ。
Wow! Simply wow.
That was as exciting as it comes.
Way to go @glbrambilla, way to go team! #Tour0683 pic.twitter.com/I3TEIWRnkL— Trek-Segafredo (@TrekSegafredo) February 21, 2021
これにより、ブランビッラは個人総合でもトップに立つことに成功。ウッズを5秒差で退けて、逆転での個人総合優勝を決めた。
中根は首脳陣やチームメートからの評価高める
大会を通じてチームへの貢献度の高かった中根は、最終ステージは完走とはならなかったものの、チームメートのケアに動くなどアシストとしての役割はまっとうした。レース後にTwitterを通じて、「とんでもなく激しかった最終ステージは1度フォローに入っただけでドロップ。今日はもうどうしようもなかったけど、S1、S2と働けたので監督とチームメイトからは労いの言葉を貰えた。それが1番ホッとした。これからまた調子を上げていきます。」をコメント。チーム内での信頼度も高まっている。
とんでもなく激しかった最終ステージは1度フォローに入っただけでドロップ。今日はもうどうしようもなかったけど、S1、S2と働けたので監督とチームメイトからは労いの言葉を貰えた。それが1番ホッとした。これからまた調子を上げていきます。
3日間応援ありがとうございました????— Hideto Nakane 中根 英登 (@hideto_252) February 21, 2021