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つれづれイタリア〜ノ<番外編>新型コロナウイルスと闘うワールドチームのジャージ特集 マルコのファッションチェック!

by マルコ・ファヴァロ / Marco FAVARO
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 年一度の楽しみ、そしていつもながら多くの賛同と批判を受ける「ワールドツアーのファッションチェック」が戻って参りました。昨年は誰も予想していなかった事態が起きました。新型コロナウイルス感染の急な拡大の影響により、レースの中止、チームの消滅など、例を見ない非常事態が発生しました。その余韻は今年に入っても続いています。

 さて、苦しい時期から立ち上がろうとするチームを応援するため、今年のファッションチェックの評価基準を少し変えます。60点以下の不合格チームを「もっと頑張りましょう」という大きな枠組みに組み込みます(60点以下を不合格にするのがイタリア方式です)。

恒例となったマルコさんのファッションチェック!今年の1位はこのチームに決定 Photo: EF Education – Nippo

 まず、みなさんにお願い! このコーナーの良し悪しを別として、応援したいチームのジャージを購入し、微々たる支援でありながらも私たちファンもこの素晴らしいスポーツを支えましょう!(もちろん、ネットで出回っている偽ジャージは論外です!ちゃんとした物をちゃんとした場所で買いましょう!)

 それでは始めましょう!

マルコのチェックポイント

・カラーコーディネート(7:ベースカラー、2:メインカラー、1:アクセントカラー)の原則
・デザイン
・オリジナル性
・合格ライン:100点満点中60点以上

※あくまでも個人的な意見ですので、笑いながらご覧ください。コメントもどしどしお寄せください!

 今年のトレンドはまさに「攻め&守り!」に尽きると思います。デザインにプチ変化を与え守りに走ったチームが多いなかで、ファンを楽しませる斬新なデザインを選んだ攻めのチームもあります。新型コロナウイルスに負けたくない、いい姿勢だと思われます。

100点:ピンクが眩しいで賞

・EFエデュケーション・NIPPO(アメリカ)

 今年の一番わかりやすく、そして一番目立つジャージ! そう、ワールツアーに華々しいデビューを果たしたNIPPOの名前が入っているチーム、EFエデュケーション・NIPPO、あなたです! ショッキングピンクに濃い紫、合わない訳ではありません。男女を問わず誰が着ても明るくなれるジャージ。ディテールも面白い! UCIが定めたデザインルールをジャージ自体に描き、その幾何学模様はアクセントとなります。昨年のジロ・ディタリアに登場した史上最低最悪とも言えるジャージの反省でしょうか。とにかくおしゃれ度はナンバーワンです!

●EFエデュケーション・NIPPO ジャージメーカー:Rapha (イギリス)

95点:真っ赤に燃える砂漠の夕暮れで賞

・バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)

 昨年の最低の評価から今年の高得点へとなりました。赤、黒をベースに黄色がアクセントに。同じ色を使ってもここまで変化するとは! これこそデザイナーの腕の見せ所。黒い砂漠を彩る真っ赤な夕暮れの空が描かれているように見え、まるで未来派の絵画のようです。デザイン性に優れているだけでなく、芸術性さえ感じます。ずっと眺めたいジャージの一つです。

●バーレーン・ヴィクトリアス ジャージメーカー:Nalini(イタリア)

90点:渋いで賞

・イネオス・グレナディアーズ(イギリス)

 イギリス強豪チームイネオス・グレナディアーズは昨シーズンの途中からセカンドネームスポンサーの追加に伴いジャージのデザインも一新。今年もネイビーブルーをベースに真っ赤なAの文字を維持! EFエデュケーション・NIPPOよりインパクトがかけていますが、バランスのとれた素晴らしいジャージです。

●イネオス・グレナディアーズ ジャージメーカー:Castelli(イタリア)

85点:まさに走る広告塔で賞

・AG2R・シトロエン(フランス)

 かつてのこのチームのダサさはどこへ行ったのでしょう。今年も斬新なアイディアで度肝が抜かれました。1980年代の広告を思わせるデザイン、フォント、そしてその配置の大胆さはシンプル・イズ・ベストを超え、どう考えても目を引くデザインに仕上がりました。設計した人(そして許可を下した人)に脱帽! まさに走る広告塔です。

●AG2Rシトロエン ジャージメーカー:Rosti(イタリア)

80点:爽快すぎるで賞

・モビスター チーム(スペイン)

・アスタナ・プレミアテック(カザフスタン)

・ドゥクーニンク・クイックステップ(ベルギー)

 今年も全目的にブルーを採用するこの3チーム。どちらもトップは明るい色で、ダウンは濃い色に。どちらもバランスがとれて、ディテールも面白い。

 モヴィスターチームは今年もアンダルシア地方の青空を思わせる色を背景に、メインスポンサーのロゴは羽ばたく真っ白なカモメに見えるようになりました。やはり人気のデザインです。

●モビスター チーム ジャージメーカー:Alé(イタリア)

 アスタナは、特徴だった水色が少し霞み、以前に目立っていた黄色が消えたことで大人っぽい色気が増しました。さらに絡み合う菱模様を起用。

●アスタナ・プレミアテック ジャージメーカー:Giordana(イタリア)

 ドゥクーニンク・クイックステップも白を廃止し、青一色となりました。。さらに印象派の巨匠、フィンセント・ファン・ゴッホの名作「星月夜」の特徴的な渦巻きをトップに再現!

 しかし!!!アスタナもドゥクーニンク・クイックステップも大胆さが足りなず、もう少し踏み込めばよかったと感じます。残念の一言です。この3チームの唯一の欠点は、どちらもよく似ていて、遠くからわかりにくい。実況と待ち構えるファンを泣かせるデザインなのです。

●ドゥクーニンク・クイックステップ ジャージメーカー:Vermarc (ベルギー)

80点:蜂の群で賞

・チーム ユンボ・ヴィスマ(オランダ)

 黄色に黒! 遠くから見ても危険を知らせる威圧感の溢れる素晴らしいジャージです。まさにスズメバチの集団を連想させます。今年もどんなドラマを演出してくれるか、楽しみです。

チーム ユンボ・ヴィスマ ジャージメーカー: Agu(オランダ)

70点:1990年代のハイテク家電で賞

・チームDSM(ドイツ)

 チーム サンウェブから生まれ変わったチームDSMには、ジャージデザインも大きく変化しました。目を引く上品なデザインに、ロゴのレッド・グリーン・ブルーと黒のベース。どこかで見たかと思ったら、あれでした! 1990年代の最新型ブラウン管テレビによく使われたRGBの表記と黒い車体。懐かしさと斬新さを醸し出しているかの様です。まさに80〜90年代にタイムスリップ! 黒をベースにしていますが、色の素晴らしい配色で全体的に明るく見えます。

●チームDSM ジャージメーカー:BioRacer(ベルギー)

60点:もう一踏ん張りで賞

・ロット・スーダル(ベルギー)

・トレック・セガフレード(アメリカ)

・UAE・チームエミレーツ(UAE)

 昨年不合格だったこの3チーム。あまり面白みがなくとも定番のサイクリングジャージと言えるでしょう。今年もデザインに大きな変化はなく、相変わらず似すぎて、レース中に白、黒、赤の渋滞が発生! 私はUCI(国際自転車競技連合)の担当者ならデザイン変更命令を下します。

 しかし、トレック・セガフレードの女子チームのジャージデザインは素晴らしく、男子も同じジャージも真似してもらいたいぐらいです。

●ロット・スーダル ジャージメーカー:Vermarc (ベルギー)

●トレック・セガフレード ジャージメーカー:Santini(イタリア)

●UAEチームエミレーツ:Gobik(スペイン)

◇      ◇

 ここから不合格のチームを一気に紹介!

 点数をつけませんが、全員に「もっとがんばりま賞」を授与したいと思います。

無機質で賞

・ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)

 今年も白とクールグリーンを選びつづけたボーラ・ハンスグローエ。白と黒は無機質な色にもかかわらず、ミントグリーンを加えることによって、全体的にイメージが冷たくなります。ツワモノ揃いの素晴らしいチームなのに、やはりジャージに関して無関心。やはり見た目より内容重視のチームですね。

●ボーラ・ハンスグローエ ジャージメーカー:Sportful(イタリア)

半水浴で賞

・イスラエル・スタートアップネイション(イスラエル)

 ツール・ド・フランスの絶対的王者、クリス・フルーム(イギリス)を迎えたことで、このチームのジャージも一新。イスラエルのシンボルだった水色を捨て、濃いブルーに変化、そして眩しい白!素晴らしい組み合わせですが、バランスは今ひとつです。トップの白い部分がちょうど胸にあたり、まるで死海で半身浴をしているかのようなイメージになっています。実は前傾姿勢になると、初めてバランスが良くなります。基本的に素晴らしい様子を持っているので、配色の工夫次第で歴史に残るおしゃれジャージに化ける可能性は十分にあります。

●イスラエル・スタートアップネイション ジャージメーカー:Jinga(イスラエル)

物足りないで賞

・コフィディス(フランス)

・グルパマ・エフデジ(フランス)

・チーム クベカ・アソス(南アフリカ)

 適当に色と模様を組み合わせて生まれたデザインのこの3チーム。シンプルはシンプルですがそれ以上、それ以下でもない。アイディアはうまく浮かばない時はスポンサーロゴの巨大化やデフォルメ化など、様々な表現方法があります。Team Qhubeka-Assosはまさに冒険できたチームです。結果は残念。

 来年の進化に期待しましょう。

●コフィディス ジャージメーカー:Nalini(イタリア)

●グルパマ・エフデジ ジャージメーカー:Alé(イタリア)

●チーム クベカ・アソス ジャージメーカー:Assos(スイス)

フラメンコの衣装で賞

・アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ(ベルギー)

 めでたくワールドツアーに仲入りを果たしたベルギーのアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ。このジャージには強い違和感を感じました。ベースのブルーはとても美しいのですが、違和感の原因はトップ部分にあります。スポンサー名が並んでいる白の部分が鎖骨のラインを超え、腕まではみ出ています。まるでフラメンコを踊る女性の衣装のようです。男性のジャージにセクシーラインが入っても問題ないのですが、開き方も微妙でスポンサー名も案外と目立ちません。プロチーム臭が抜けていない締まりの足りないジャージになりました。来季に期待です。

●アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ ジャージメーカー:Santic(中国)

何でもかんでも入れないと気が済まないで賞

・チーム バイクエクスチェンジ(オーストラリア)

 オーストラリア人の皆様に大変申し訳ないですが、2021年ジャージデザインの中でワーストワンに輝くのがこのジャージです。ミチェルストン・スコットからチーム バイクエクスチェンジに変わった歴史あるチームですが、新しいジャージは全体的に弱い。配色、ロゴ、デザインなど、すべてが中途半端。遠くから見てどのチームか分かりません。近くから見てもごちゃごちゃしています。凝ったデザインを作るのに確かに時間と労力がかかります。かつてチームサーベロのようにロゴを大胆に生かせれば目を引くデザインになっていたはずです。留年決定!

●チーム バイクエクスチェンジ ジャージメーカー:Giordana(イタリア)

Marco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)

東京都在住のサイクリスト。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会や一般社団法人国際自転車交流協会の理事を務め、サイクルウエアブランド「カペルミュール」のモデルや、欧州プロチームの来日時は通訳も行う。日本国内でのサイクリングイベントも企画している。ウェブサイト「チクリスタインジャッポーネ

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