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教えて! 安井先生<13>ロードバイクを傷めない保管方法と注意点は?

by 安井行生 / Yukio YASUI
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今回のお題

Q:自宅の窓際にスタンドを立てて、バイクを室内保管しています。洗車のとき、フレームの片側(窓に向いている側)が日焼けしていることに気付いてしまいました。おそらく紫外線によるものだと思います。室内保管でも注意すべきことがあるんですね…かなりショックです。前回、複数台所有の話をされていましたが、室内保管時に注意していることはありますか?

A:乗っていて不可避に付く傷や傷みはしょうがないと思います。自転車は、外でガンガン乗ってこそのものですから。でも、ちょっと注意することで避けることができる傷や傷みなら、オーナーが注意して、できるだけ綺麗に維持すべきだとも思います。質問者さんが経験されたように、室内で保管すれば万事OK、というわけではありません。注意すべき点がいくつかあるんです。

 まずは質問にもあるように紫外線の影響です。野ざらしが当然の車などとは違い、高価なスポーツバイクは室内保管が前提であり、しかもカーボンフレームだと塗装時に熱をかけられないので、塗膜性能が高いと言われているアクリル塗料が使えません。それに、クリア塗料のクオリティを下げてコストを削減するメーカーもあると聞きます。クリア塗料の品質は、見た目やカタログでは判別できませんからね(クリア塗料のコストを下げても売り上げが落ちにくい)。高価で耐候性の高いフッ素クリアを使っているパナソニックのフレームなんかは別ですが。

バイクの塗装に直射日光は大敵。保管方法を工夫して紫外線を防ぎましょう Photo: Shusaku MATSUO

 何が言いたいかというと、塗料の性能が年々向上しているとはいえ、紫外線の力をなめちゃいかんぞ、ということです。パーツやホイール含め、自転車は紫外線によって日焼けするものだと思ってください。走っているときはしょうがないですが、保管するときくらいは直射日光が当たらないようにしましょう。

安井が実践する室内保管法

 僕は、北向きの部屋を自転車保管場所にして、しかも遮光カーテンを付けてます。軽い擦り傷くらいなら綺麗に補修できるかもしれませんが、日焼けによる退色やクリア層の黄変は、塗りなおさない限り直りません。どうしても日が当たってしまう場合は、カバーなどで保護するといいでしょう。

ホイールを外した場合はチェーンキーパーでテンションをかけるとGOOD Photo: Shusku Matsuo

 ラックに掛ける場合、トップチューブを受けるフックの幅が狭いものだと、フレームの塗装が傷んでしまうことがあります。特に軽量化を重視して薄い塗装にしているフレームでは、フックに当たっている所にシワが寄ってしまうこともあるそうです。やわらかい布などで保護しておくと安心です。

 ホイールを外して保管する場合、チェーンがダランとたるんだ状態だとチェーンステーにチェーンが当たって傷になってしまいますし、見た目もちょっとだらしない感じがします。僕は100均で売っているS字フックでチェーンを引っ掛けてテンションをかけています。チェーンキーパーを使えばさらにスマートでしょう。

洗車、乾燥、注油をこまめに行い、クリア層の黄ばみを防ぎましょう Photo: Yuzuru SUNADA

 フレームに汚れが付いたまま保管していると、汚れが酸化する際にクリア層が一緒に黄変してしまうことがあります。できればこまめに洗車・乾燥・注油を。また、洗車したあとにフレームの中に水が溜まったままだと劣化につながります。できればクランクを外して、ハンガーの中の状態を見ておくといいです。

 長期間乗らないときは、僕はシートクランプやハンドル、ステム、プレッシャープラグをちょっと緩めておきます。フレームやパーツにかかるストレスを小さくして、固定部分の潰れや割れを防ぐためです。ただし、くれぐれもそのまま乗り始めないよう。おっちょこちょいを自覚している人は、「乗車前確認!」と書いたメモをバイクに貼っておくと安心でしょう。

長時間乗らないときにはクランプ部を緩めて負荷を軽減させるのもコツ。そのまま乗り始めないよう注意! Photo: Shusaku MATSUO

 また、タイヤの空気は少し抜いておきます。パンパンに加圧したままだと、常にタイヤが膨らまされている状態になり、タイヤが伸びて太ってしまうことがあります。また、クリンチャーリムのサイドウォールを広げようとする力がかかりっぱなしになります。おそらく強度的には全く問題ないんでしょうが、軽量カーボンクリンチャーリムだとちょっと心配。かといってエアを完全に抜いてしまうと、タイヤの接地部分が潰れて折れるのでひび割れなどの劣化になります。

 まぁ自分でも考えすぎだと思うこともありますが、ちょっとした注意で劣化は防げます。

気をつけるべきはバイクだけじゃない!

 そうそう、バイクのことだけでなく、家族の都合も考えましょう。自転車がスペースを取ってしまうことはしょうがないですが、できるだけ駆動系の汚れが付きにくい置き方にするとか、チェーンカバーをかけておくとか。

 着物をお召しになってお出かけされた奥様がお帰りになった際、玄関のラックにかけてあるバイクのチェーンの汚れが着物に付いてしまい、ガチ切れなさる…なんてことも起きえます。たぶん無事では済まないでしょう。実際、安井家で起きましたし、実際無事では済みませんでした。妻の注意不足もあるでしょうが、服にチェーン汚れが付きやすい置き方をしていたこっちも悪い。場合によってはクリーニング代を請求されるケースもあるので注意です。着物のクリーニング代はそこそこのホイールが買えるくらいしますから…。

 参考になりましたでしょうか。

インプレッションライダー・安井行生(やすい・ゆきお)

大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。ひょんなことから自転車ライターへと転身し、現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた自転車大好き人間。

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