アイテムインプレッション2021セラ・サンマルコ「アスピデショート オープンフィット」を実走レビュー

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 イタリアの老舗サドルブランドのセラ・サンマルコから新型サドル「アスピショート オープンフィット」のレビューをお届けする。全長が短くなったことによるメリットは何か、実走して確かめた。

セラ・サンマルコの新作「アスピデショート オープンフィット」をレビュー Photo: Shusaku MATSUO

全長が28mmショートに

 アスピデは軽量なレーシングモデルとしてロングセラーを続けてきたモデルだ。幾度ものブラッシュアップを果たし、快適性とフィッティング性を追求してきた。今回の登場した新製品は、全長が28mm短縮されたコンパクトになったモデル。前立腺部の負荷を軽減することを目的に、中央部が大きく切り取られているのも特徴だ。これまでの基本的な特徴は踏襲しつつ、コンフォート性能に着目した製品である。

 アスピデショートのモデルは4種類ラインナップされている。座面の形状は同じだが、レールの素材や全体重量が異なっている。今回レビューしたのは上から2番目のモデル「アスピデショート オープンフィット レーシング」。ナローとワイドの2モデルのうち、座面が細めなナローを試した。レールはステルス エクスライトで、骨格となるシェルはカーボン ファイバーレインフォースドを採用。全体の重量は190gと軽量である。

 筆者も以前、初代のアスピデを愛用していたが、軽量ながら非常にハードで、いかにもレーシーな座り心地だったと記憶している。薄く、軽く、そして硬い。際立つ特徴で好んで使用したものの、長距離の使用では厳しいと個人的には感じた代物であった。

前方まで穴が設けられ、圧迫による不快感を防ぐ Photo: Shusaku MATSUO
トップは緩やかにカーブして体にフィットする形状に Photo: Shusaku MATSUO

ソフトでコシのある座り心地

 一方、アスピデショートはとてもマイルドな感触を得た。座面に腰を下ろすと、表面に弾力をかすかに感じ、ややソフトな印象を受けた。ややカーブしたトップが骨格にフィットし、点ではなく面で圧力を分散。良い印象とともにライドへと出発した。

 センターが大きく空いた形状のため、剛性を心配したが、シェルには“コシ”があり、たわむ感覚はない。本体自体がしっかりしているので、坐骨が安定してペダリングもブレることなく続けることができた。もとから体質的に痺れを感じることが少ないものの、センタホールが機能し、より快適なものにしてくれていることもよく分かる。

これまでのレーシーな形状に、快適性が加わった万能サドルだ Photo: Matsuo

 ハンドルのドロップ部を握り、体制を低くした際にこのサドルの真価が発揮しされた。ショートノーズとなったことで、恥骨の動きを阻害しづらくなり、圧迫感が解消。より長く、より快適に高速域の巡航が可能となった。28mmの違いは見た目以上に大きい。

 全体的なフィット感に好感触を得たものの、骨盤の幅を考慮するとワイドモデルの方が筆者には合いそうだ。言わずもがなだが、サドルは体とコンタクトを持つ数少ない部位の一つなので、妥協なく選びたいところ。スペック的にも優れ、同モデル内の選択肢もあるアスピデショートは幅広いユーザーにマッチするだろう。ハードユーザーはもちろん、初めてサドルの交換を検討しているビギナーユーザーにも試していただきたい新製品だ。

■セラ・サンマルコ「アスピデショート オープンフィット レーシング」

税抜価格:18,500円
重量:185g(ナロー)、190g(ワイド)
サイズ:250 x 139 mm(ナロー)、250 x 155 mm(ワイド)

松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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