title banner

自転車キャンプに使えるサドルバッグを紹介‟キャンプツーリングの達人”山下晃和さんが使って選んだおすすめ「サドルバッグ」3選

  • 一覧

 自転車キャンプツーリングの衣食住の全てのお話をしてきましたが、今回は、これらを積載するバッグのお話です。

大型サドルバッグの誕生で自転車キャンプが多様に Photo: Akikazu YAMASHITA

 数年前は自転車のキャンプツーリングと言えばランドナーの一択でした(もっと前はクロモリの自転車しかなかったので選択肢さえありませんでした)。ロードレーサーは軽量で速いのですが、荷物を積載するように考えられてはいません。なので、タイヤが太くて、キャリアが付けられる自転車が必要だったのです。

 ところが、近年バイクパッキングスタイルに代表される大型サドルバッグ、フロントバッグの台頭やキャンプギアの軽量化や進化に伴って、自転車キャンプのやり方が多様化してきました。中でも、自転車のバッグ類、主に大型のサドルバッグの革命が、現在のような新しいキャンプスタイルを産んだと言っても過言ではありません。

レベレイトデザインズが大型サドルバッグを発明

 大型のサドルバッグの起源はMTB(マウンテンバイク)でした。キャンプツーリングと言っても舗装路ではなく、未舗装路やシングルトレイルといった不整地を走り繋いで、道中、軽量なテントやツェルト(簡易テント)でビバーク(仮眠などの休憩)をして、走ることを楽しんだり、オーバーナイトすることで距離を伸ばしていったり、一つの旅の手段としてバイクパッキングが生まれました。つまり、トレイルライドやグラベルライドからこのフォロソフィーが発展していったということは覚えておかないといけません。

 その中でも、アメリカのアラスカのブランドであるレベレイトデザインズが最初に作ったサドルバッグがマスプロの始まりです。

 彼らは、ラックレス(キャリアなしの自転車)でキャンピング道具などを積載できるバッグを自ら作っていました。アラスカ、ヒマラヤ、エクアドルからボリビア、そしてパタゴニアなどをパニアバッグで走っていて、その経験をもとに、2007年大型サドルバッグを開発したそうです。冒険から生まれたバッグなのです。

 さらに、バイクパッキング(MTBにキャンプ道具を積載して旅をするスタイル)という言葉は2013年のイギリスのロンドンにあるブランドAPIDURA(アピデュラ)が使って広まったと思います。

 それでは、実際に自分が使っているバッグ類をご紹介します。

オルトリーブ シートパックL

 冒頭でお話ししたレベレイトデザインズ、アピデュラが先に出て、大型サドルバッグとしては後出しですが、その分、オルトリーブ は優秀な機能性を搭載して出してきました。パニアバッグ、サイドバッグに関しては、世界中の旅サイクリストが使用してきた歴史のあるドイツブランドの防水バッグです。こちらも冒険家のフィードバックによってブラッシュアップされてきました。

防水性能が非常に高いオルトリーブ のサドルバッグ。空気孔があるのも特徴的 Photo: Akikazu YAMASHITA

 僕も世界を自転車で走っていた時に、すれ違ったほとんどのサイクリストがオルトリーブのパニアバッグだったことを覚えています。強靭な素材と防水性能の高さが世界中のサイクリストから愛されているポイントです。こちらのサドルバッグもオルトリーブらしいタフな素材で、根元のシートポストに接続する部分にプラスチック製の板が入っているので、形状をキープしやすいようになっています。また空気孔が付いていて、キャンプギアや衣類を入れて空気を抜けば圧縮できます。

 入り口を折り返す部分にはリフレクターが付いていて、リアライトが装着できる穴も多数あります。都会で走る時の安全面も考慮されています。上部のドローコードも便利で軽量なウエアやLEDランタンなどを載せることもできます。容量は16.5リットルまで拡張ができて、大きなキャンプ道具も入ります。

RESTRAP リストラップ サドルバッグ&ドライバッグ ラージ

 こちらも後発になりますが、RESTRAP(リストラップ)というイギリスのブランドです。元々は廃材のシートベルトからトゥーストラップを作っていたメーカーで、ストラップをリサイクルという言葉からRESTRAPとなったそうです。

リストラップのサドルバッグは全てハンドメイドです Photo: Akikazu YAMASHITA
サドルにベースの部分を残して、防水バッグだけ取り外せるので、テント設営が非常にラクです Photo: Akikazu YAMASHITA

 こちらはハンドメイドに拘っていて、他製品と変わらない価格帯に抑えているのはかなりの企業努力だと思います。バッグ自体に強度のあるベースとなる部分があって、防水バッグだけ簡単に取り外すことができるため、キャンプのテント設営などが非常にラクです。ベースの部分は自転車に付けたままにできます。ただし、バッグのシートポスト側の根元が丸くなっているため、シートポストが低かったり、小さい自転車に乗っている方はバッグをタイヤと擦ってしまうので、お店で一度装着してみた方が良いでしょう。

 こちらの容量も14リットルなので十分な大きさ。後ろの固定するベルトがマグネットバックルになっているのも特徴です。

ジンバーレ

ジンバーレ Photo: Akikazu YAMASHITA

 こちらは韓国のZimbale(ジンバーレ)という昔ながらの横に長いサドルバッグです。似たブランドではキャラダイスというイギリスのブランドの物もがあり、どちらもキャンバス地の物です。今風な後ろに縦長い形ではなく、横に長いのでランドナーなどに似合うデザインではありますが、上のフラップを開けると中のキャンプギアにアクセスできるので道具類の出し入れがラクな上に、クラシカルな雰囲気になるので、街ライドで使うにもファッショナブル。もう一度人気になっても良いバッグかもしれません。15リットルくらいあるので意外と容量も大きいです。またキャンバス素材とレザー素材は、防水機能まではありませんが、経年変化を楽しめます。

ジンバーレを装着。クラシカルな雰囲気に Photo: Akikazu YAMASHITA
ジンバーレとともに Photo: Akikazu YAMASHITA

注目のブランド

 今回は3つご紹介しましたが、海外のガレージブランドで手作りして大型サドルバッグを輩出しているところも増えているので、今後は様々なブランドが入ってくると思います。

 僕が注目しているブランドはキューベンファブリックを使っている女性がオーナーのブランドの7Roads、カルフォルニアのハンドメイドブランドKaiVenturebags、日本に来たこともあるカイルさんが手掛けるOutershell、ブルーラグが取り扱っているSwift Industry、ウクライナのブランドで女性に人気の出そうなカラーリングのfableなどです。

 今後は世界的なキャンプブームと共にキャンプ道具を入れられるようなギミックも多く出てくると思うので日々情報をチェックしておくことをオススメします。

ロードバイクでキャンプができるようになったのもサドルバッグの大型化とキャンプギアの軽量化による進化のおかげです。キャンプは最高に楽しい! Photo: Akikazu YAMASHITA
山下晃和(やました・あきかず)

タイクーンモデルエージェンシー所属。雑誌、広告、WEB、CMなどのモデルをメインに、トラベルライターとしても活動する。「GARVY」(実業之日本社)などで連載ページを持つ。日本アドベンチャーサイクリストクラブ(JACC)評議員でもあり、東南アジア8カ国、中南米11カ国を自転車で駆けた旅サイクリスト。その旅日記をもとにした著書『自転車ロングツーリング入門』(実業之日本社)がある。趣味は、登山、オートバイ、インドカレーの食べ歩き。ウェブサイトはwww.akikazoo.net

※本記事の商品紹介リンクを経由して、商品・サービスを購⼊すると、その⼀部が紹介料として(株)産経デジタル(以下、当社)に付与されることがあります。

※本記事における商品紹介のリンク先は,当社が提供するサービスではありません。リンク先で表示される価格情報は最安とは限りません。リンク先での行動はすべて利用者自身の責任でご判断ください。当社は一切の責任を負いかねます。

この記事のタグ

自転車アイテム セレクション

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

Cyclist CLIP

スペシャル

自転車協会バナー

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載