千葉公園で初の都市型イベント全日本MTB選手権クロスカントリーショートトラック初開催 山本幸平、小林あか里が初代王者

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
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 マウンテンバイク(MTB)全日本選手権クロスカントリーショートトラック競技(XCC)が、12月6日、千葉市の千葉公園で初開催された。前日のクロスカントリーエリミネーター(XCE)に続き、「Urban MTB Festival in 千葉公園」と銘打って首都圏の都市公園で初開催。男子は東京五輪MTBクロスカントリー代表に選ばれた山本幸平選手(Dream Seeker MTB Racing Team)が制覇。女子は小林あか里(CMC/Aigle)が初優勝した。

エリート男子決勝 スタートで勢いに乗る山本幸平(手前)。千葉公園内でクロスカントリー競技のトップ選手たちが激しいバトルを繰り広げた Photo: Kenta SAWANO

JR千葉駅からわずか6分の好環境

 今回のXCC、XCE競技は11月6~8日に長野県富士見パノラマリゾートで行われた全日本マウンテンバイク選手権クロスカントリー(XCO)、ダウンヒル(DH)とは別開催。JR千葉駅から徒歩6分と立地も抜群な千葉公園で開催され、一般の自転車競技を知らないような家族連れも声援を送っていた。

都市型自転車イベントとして開催された「Urban MTB Festival in 千葉公園」。エリート女子のスタートには一般の家族連れも多く見入っていた Photo: Kenta SAWANO 

 その第一歩(試み)として行われたのが今回の全日本MTB選手権XCE(前日開催)とXCCだ。欧州ではすでに都市型自転車競技として人気の高い競技。クロスカントリーショートトラックは、ロードレースのクリテリウム種目に近いイメージの競技。ワールドカップでは、1周あたり約800mの短いコースをクリテリウムのように集団を形成しながら20分間のレースを戦う。ロードレースと異なるのはジャンプやオフロードのダウンヒルなど、MTBならではのセクションが盛り込まれること。エリミネーター同様に圧倒的にコンパクトな会場で行われることから、スピーディーなレース展開を観客と共に楽しめる、近年注目の種目だ。

エリート女子は序盤から、小林、矢吹、川口の3人がトップ集団の展開 Photo: Kenta SAWANO

 今回のコースは1周800メートル。午後2時スタートのエリート女子(11人出走)は、スタート直後から、前日のXCE優勝の川口うらら(FUKAYA RACING)を先頭に、小林、矢吹優夏(BBQ)の3人パックで先頭交代をしながら、後続に差をつける展開だった。

 1周約1分50秒のペースをキープしていたが、6周目終盤の舗装路で川口がペースアップ。単独で先頭に立ったが、最終のヘアピンコーナーのダートに入ったところでスリップし3位に後退。7周目で今度は小林と矢吹がペースアップすると、その差は徐々に広がった。最後は小林が矢吹とのゴールスプリントを制し小さくガッツポーズした。今年は欧州を拠点に活動してきたという小林。「川口選手が仕掛けた時に追いつかないとと思ったのですが。今年はコロナで思うような活動ができなかったけれど、最後は初代XCC女王になることができて良かった」と初優勝を喜んだ。

小林あか里が矢吹優夏を下して優勝 Photo: Kenta SAWANO
優勝した小林あか里と母の可奈子さん Photo: Kenta SAWANO
女子エリート表彰 Photo: Kenta SAWANO

先頭6人パックの争い

 エリート男子は、予選を勝ち抜いた20人が出走。クロスカントリー東京五輪代表の山本がホールショットで先頭に立ったあと、中盤から竹内遼(FUKAYA RACING)、平林安里(TEAM SCOTT JAPAN)北林力(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)、中原義貴(WIAWIS RACING TEAM)と6人の先頭集団を形成。平林や竹内、北林が先頭交代して引っ張る展開が続いた。

中盤、下りのダートで先頭に立つ竹内遼 Photo: Kenta SAWANO

 1周1分30~40秒台と、ゴール手前の舗装路では全員がダンシングするようなハイペースの展開が続いた。公園内の遊具の間のコースを、あっという間に目の前に選手が戻ってくる展開に、初めてMTB競技を見た観客も熱狂。会場中央に設置された大型ビジョンの生中継映像にソーシャルディスタンスを守りながら多くの観客が見入っていた。

平林安里も力強い走りで先頭交代した Photo: Kenta SAWANO
MTBダウンヒル競技の永田隼也も力走 Photo: Kenta SAWANO
東京五輪代表内定の山本幸平が男子エリート優勝 Photo: Kenta SAWANO

 最後まで6人の先頭集団が続いたが、残り1周に入る直前で、山本が一気にペースアップ。チームメイトの北林と、平林が必死に食らいつくものの、その差はどんどん広がり、最後は山本が余裕のガッツポーズでゴールした。2位、3位に北林、平林と続き、4位には公式戦最後の出場となった前田公平が入った。山本は「どこでペースアップしようかと思っていたが、結局最終周まで温存した。ペースを上げたときに北林選手にはもう少しついてきて欲しかった」と注文をつけた。

現役の公式最終戦を4位で締めくくった前田公平 Photo: Kenta SAWANO

 公園内では幼児用自転車教室や、自転車関連メーカーやフードのブースも数多く出店。新型コロナウイルス対策も慎重に実施されながらも、自転車ファン、一般層のどちらも楽しめるイベントとなっていた。自転車イベント司会でもおなじみのMC Aleeさんの実況も自転車競技を一から分かりやすく説明する一般向けのもので、多くの観客が最後まで都市型のマウンテンバイク競技を楽しんでいた。

 千葉公園周辺には、千葉競輪場跡に建設中の国際基準のトラック「千葉ドーム」を中心に自転車を中心とした多目的施設が完成予定。都市型の自転車競技が普及する第一歩として、可能性を感じたイベントとなった。

幼児用の自転車教室も大人気だった Photo: Kenta SAWANO
前田公平選手、山本幸平選手の応援に駆けつけた、漫画「弱虫ペダル」作者の渡辺航先生 Photo: Kenta SAWANO

男子エリート結果
1 山本幸平
2 北林力
3 平林安里

女子エリート結果
1 小林あか里
2 矢吹優夏
3 川口うらら

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マウンテンバイク 千葉県

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