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福光俊介の「週刊サイクルワールド」<1>新連載・サイクルワールドへようこそ! 新興チームで復活するライダーたちに注目

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 今週から、自他ともに認める(?)サイクルロードレースマニアの福光が、リザルトにとどまらない海外レースネタを週刊でお送りすることになりました。たま~に自らのサイクリング記が入ってくることもあるかもしれませんが…とにかく末永くお付き合いくださいませ。

新興チームのエースとして復活を期するライダー

 1月のツアー・ダウンアンダーから本格的に始まったロードレースシーズンは、2月のHCクラスや1クラスのレースで次々に有力選手の顔が揃い始めた。

2013年シーズンはツアー・ダウンアンダーで本格的にスタートした2013年シーズンはツアー・ダウンアンダーで本格的にスタートした

 ここまでのレース結果から得られる情報や傾向とは何か。それは、力がありながらもビッグチームゆえにアシストに徹せざるを得なかった、またはチャンスが巡ってこなかった選手が、新チームで好リザルトを次々と残していることだ。

 昨年までスカイ プロサイクリングで山岳アシストを務めたトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、イアム サイクリング)は、2月6~10日のツール・メディテラニアン(UCI1.1、フランス)で総合優勝。ロヴクヴィストは、コロンビア・ハイロード時代にジロ・デ・イタリア2009のマリア・ローザ(総合リーダージャージ)を着用したこともあるオールラウンダーだ。

 またイアム サイクリングは、マルティン・エルミガー(スイス)がツアー・オブ・カタールで好走を見せた。石畳系クラシックに強いベテラン、エルミガーは、2月23日のオムループ・ヘット・ニュースブラッド(UCI1.HC、ベルギー)でも優勝候補に挙げられていた(結果22位)。

 若くしてドイツチャンピオンに輝き、チーム コロンビア、チーム ミルラム、オメガファルマ・クイックステップといった有力チームを渡り歩いたスプリンター、ゲラルト・ツィオレク(ドイツ、MTN・キュベカ)は、3月3日に行われた西フランドル3日間(UCI2.1、ベルギー)の第2ステージで優勝。また、前日の第1ステージでは、ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、アクセントジョブス・ワンティ)が制しており、プロチームで豊富な経験を積んだスプリンターたちの復権の兆しを感じる。

2012年までスカイ プロサイクリングにいたトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、イアム サイクリング)2012年までスカイ プロサイクリングにいたトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、イアム サイクリング)
ゲラルト・ツィオレク(ドイツ、MTN・キュベカ)はかつてのドイツチャンピオンゲラルト・ツィオレク(ドイツ、MTN・キュベカ)はかつてのドイツチャンピオン

 ロヴクヴィストやツィオレクらに共通するのは、新興チームにエース待遇で加入し、結果を残していることだと言える。UCIワールドツアーが華やかな一方で、中長期的視野でグランツール出場を目指すチームの中心選手として、復活を目指すライダーたちが多くいることを押さえておいてほしい。

3月6日開幕! ティレーノ~アドリアティコ展望

街中を抜ける集団。2012年ティレーノ~アドリアティコ街中を抜ける集団。2012年ティレーノ~アドリアティコ

 3月6日開幕のティレーノ~アドリアティコには、ビッグネームが勢揃い。総合争いは、前回優勝のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア・アスタナ プロチーム)を始め、カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム)、クリス・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)、アルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソティンコフ)、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム)らが中心に構える。

 付け加えるなら、ツアー・ダウンアンダー総合優勝のトムイェルト・スラフトール(オランダ、ブランコ プロサイクリングチーム)も割って入りたいところだ。

 スプリンターでは、ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール)、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)、ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、アルゴス・シマノ)らが、後に控えるミラノ~サンレモを見据えた戦いを繰り広げるだろう。復調したトル・フースホフト(ノルウェー、BMC レーシングチーム)にも期待がかかる。

今週の爆走ライダー: ダミアン・ゴーダン(フランス、チーム ヨーロッパカー)

「爆走ライダー」とは…
1週間のレースの中から、印象的な走りを見せた選手を「爆走ライダー」として大々的に紹介! 優勝した選手以外にも、アシストや逃げなどでインパクトを残した選手を積極的に選んでいきたい。

パリ~ニースのプロローグで総合首位のマイヨジョーヌを着た ダミアン・ゴーダン(フランス、チーム ヨーロッパカー)パリ~ニースのプロローグで総合首位のマイヨジョーヌを着た ダミアン・ゴーダン(フランス、チーム ヨーロッパカー)

 今週は、現在開催中のパリ~ニースのプロローグを制したゴーダンを。トラック3種目で延べ10回フランスチャンピオンに輝いたスピードを発揮し、ビッグネームを撃破。チームメイトで、長年トラックレースの一種、マディソンでコンビを組むセバスティアン・テュルゴ(フランス)が、昨年のパリ~ルーベで2位に入ったことは、かなり刺激になっているのだとか。

 実のところ、ツール・ド・ランカウイでステージ2勝を挙げたチームメイト、ブリアン・コカール(フランス)とどちらを爆走ライダーにするかで悩んだ。ただ、最後の決め手は前述した「テュルゴからの刺激」。不思議と胸に響いてくるものがあった。

 それにしても、パリ~ニースはここ数年彗星のごとく現れる選手が多い。2年前の第1ステージで逃げ勝利を決めたトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)は、いまやグランツールレーサー。ゴーダンにとって、これも大飛躍のきっかけとなるかもしれない。

文 福光俊介・写真 砂田弓弦

福光俊介福光俊介(ふくみつ・しゅんすけ)
自転車ロードレース界の“トップスター”を追い続けて数十年、気がつけばテレビやインターネットを介して観戦できるロード、トラック、シクロクロス、MTBをすべてチェックするレースマニアに。2011年、ツール・ド・フランス観戦へ実際に赴いた際の興奮が忘れられず、自身もロードバイク乗りになる。自転車情報のFacebookページ「suke’s cycling world」も充実。本業は「ワイヤーママ徳島版」編集長。

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