月1回開催のサイクリングイベントカペルミュール直営店が主催する「ココチライド」 焼きものの町・益子を巡る小さな旅

by 石川海璃 / Kairi ISHIKAWA
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 サイクルアパレルメーカー・ウエイブワンの直営店「KAPELMUUR 渋谷cocoti店」(カペルミュール シブヤココチテン)が実施するサイクリングイベント「ココチライド」が11月23日、栃木県益子町で開催された。雲一つない晴天に恵まれたイベントには15人が参加。約42kmのサイクリングでは、地元のそば屋やカフェに立ち寄ったほか、創業80年の歴史ある益子焼の窯元「えのきだ窯」、歴史遺産「小貝川橋梁」などを見学し、益子町の魅力を満喫した。

ライドの後半に立ち寄った益子焼窯元共販センターの「ぽんたくん」とカペルミュールのライオンポーズで記念撮影する参加者 Photo: Kairi ISHIKAWA

「ココチライド」とは

 「ココチライド」とは、ウエイブワンが展開するオリジナルサイクルウェアブランドの「カペルミュール」直営店、「KAPELMUUR 渋谷cocoti店」が実施するライドイベントだ。

 2015年1月に初回の「ココチライド」が開催されて以降、同ブランドのウェアを愛用するユーザーに向けて毎月1回のペースでサイクリングの機会を提供している。

 「ココチライド」は、事前申し込みしたうえ、カペルミュールのウェアを着用していれば誰でも参加可能だ。東京都内を約20km走るビギナー向けのライドや茨城県の霞ヶ浦湖畔を走る約100kmの中・上級者向けのライドなど、毎月様々な場所で開催される。

真岡鐵道・益子駅が発着点

 今回の「ココチライド」は栃木県益子町が舞台。2020年9月に同ブランドのYouTubeチャンネルでサイクリングを通して町や地域の魅力に触れる企画、「カペルミュール 小さな旅」の第1回目の動画で紹介された場所だ。益子町は全国でも有数の焼きもの(陶器)の町として知られ、例年春と秋に開催される「益子陶器市」には全国から観光客が訪れる。

 発着点となった益子駅は、茨城県筑西市から栃木県茂木町を結ぶ真岡鐵道の途中駅で、関東の駅百選にも選ばれた。駅は観光客の玄関口として整備されていて、無料の大型駐車場や益子町観光協会も併設。益子町観光のハブ機能を担っている。

駅舎が特徴的な真岡鐵道の益子駅 Photo: Kairi ISHIKAWA
ワンマン運転の車両。緑の市松模様と朱色のカラーリングだ Photo: Kairi ISHIKAWA

 栃木県北から自動車で来た人や輪行してきた人、中には100kmほど自走してきたという人など、参加者のアクセス方法は人それぞれだった。地元のサイクリスト大橋聖二さんと渡邊優介さん(ウエイブワンサポートライダー)の案内のもと、陶芸の町を自転車で巡った。

益子の観光スポットを巡る

 最初に訪れたのは1937年創業の「外池酒造」だ。年間約7万人が訪れるほど人気観光スポットで、元々蔵として使われていた展示室では酒造りの道具や過程、写真などを見学できる。「ココチライド」の参加者は酒造のスタッフ案内を聞きながら酒作り過程を順番に見ていった。せっかく酒造に来たならお酒の試飲をしたいところだが、見学後も自転車で走るので今回は残念ながらお預け。ライドの参加者はその代わりに蔵に併設される売店でお酒のお土産を購入したり、カフェで甘酒ソフトクリームに舌鼓を打った。

外池酒造を訪れた参加者 Photo: Kairi ISHIKAWA
酒樽の着ぐるみを着て記念撮影 Photo: Kairi ISHIKAWA

 外池酒造から約3kmほど走ると、SLと並走できる益子駅と七井駅間の農道区間が現れる。真岡鐵道の線路のすぐ脇に道が通っているのだが、線路と道路とを遮る柵や遮蔽物がなく、ワンマン運転の車両、土日・祝日であれば蒸気機関車(SL)と並走できる。地元を知り尽くしたサイクリストだからこそ、今回のライドに組み込めたルートだ。この日は祝日だったが蒸気機関車の運行はなく、稲刈りが終わったのどかな田園風景を楽しみながら走った。

ワンマン運転の車両やSLと並走できる農道。遮蔽物がなく、絶好の並走&撮影スポットだ Photo: Kairi ISHIKAWA

 ランチは自社で栽培から加工まで一貫して行う地元のそば屋「友蕎庵」(ゆうきょうあん)。コシが強く、ボリューム満点のもりそばでお腹を満たした。その後は約6kmほど自転車をこいで「濱田庄司記念益子参考館」へ。昭和を代表する陶芸家で人間国宝だった故・濱田庄司さんの自邸や作品が展示されている益子の観光スポットだ。ガイドライダーの大橋さんの説明を受けた後、歴史を感じさせる大きな門構えの前で記念撮影し、その場を後にした。

「友蕎庵」の盛りそば。普通盛りでもとてもボリュームがあった Photo: Kairi ISHIKAWA
「濱田庄司記念益子参考館」の前で記念撮影。門の奥に行くと自邸や作品が見れる(要入館料) Photo: Kairi ISHIKAWA

 「濱田庄司記念益子参考館」を後にした一行が向かったのは、益子焼の窯元「えのきだ窯」だ。創業80年の歴史ある窯元で、1階は窯元5代目の榎田若葉さん、智さん夫婦の作品が並ぶ。2階は陶器の工房となっていて、普段はそこで作品作りに励んでいるという。作品鑑賞と工房見学を満喫した。工房では、若葉さんがろくろ回しを実演。塊だった粘土が職人の手によって、器の形を成していくまでの素早い職人芸に、一同からは感嘆の声が挙がった。

「えのきだ窯」に並ぶ作品を鑑賞する参加者。作品を購入した人が多かった Photo: Kairi ISHIKAWA
窯元5代目の榎田若葉さんによるろくろ回しの実演。土の塊を短時間で湯呑と丸皿の形にした Photo: Kairi ISHIKAWA

 車通りの少ない田舎道を約3kmほどひた走り、たどり着いたのは「カフェ マシコビト」。実はここ、地元栃木県出身でヒンカピー・リオモ・ベルマーレ・レーシングチームに所属する石原悠希選手と補給食のサポート契約をしていて、自転車乗りにも縁のあるカフェなのだ。ワッフルとアイス、コーヒーでひと休憩を挟んで、再び駅のある市街地方面へ自転車を走らせた。

 駅に向かう途中にある町のメインストリート「城内坂通り」では、参加者たちが高さ約10メートルのタヌキ像「ぽんたくん」の前でスマートフォンで写真撮影を楽しんでいた。ライドの終わりは、橋の骨組が複数の三角形を組み合わせたようなポニーワーレントラス構造の「小貝川橋梁」の下を通り、のどかな田園風景のなかをゆっくりしたペースでゴールへと向かった。

カフェや陶芸ギャラリーが立ち並ぶ「城内坂通り」を走る参加者。 Photo: Kairi ISHIKAWA
「小貝川橋梁」の葦真下にサイクリングロードが通っている Photo: Kairi ISHIKAWA
1894年にイギリスで作られ、1913年に小貝川に転用移設された現役最古のポニーワーレントラス橋梁の「小貝川橋梁」 Photo: Kairi ISHIKAWA

 ライドを終えた参加者たちは無事に益子駅に到着。約45km、6時間弱のライドではさまざまな場所に場所に立ち寄ったが、普段のサイクリングイベントよりも各スポットでの滞在時間が多く、益子町の魅力を満喫したように感じられた。

林晋太郎さん。「カフェ マシコビト」で「罪悪感のないおやつ」を購入した Photo: Kairi ISHIKAWA

 東京都内から参加した林晋太郎さんは「観光目的で参加しました。思っていたよりゆったりとしたペースで走れましたね」と振り返った。

 「カペルミュール 渋谷ココチ店」では、12月のライドイベントの参加者を募集中だ。定員はあとわずかだが、神奈川県にあるJR橋本駅発着の宮ケ瀬サイクリングや東京都内でヨガとサイクリングを楽しむヨガ×ライドを実施予定だ。過去のイベント履歴を見るとライドイベント以外にも店舗でさまざまな催しを行っているので、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。

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