バイクインプレッション2020チネリ「キングジデコ」を実走レビュー ポップでスパルタンなグラベルロード

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 イタリアンブランド「cinelli」(チネリ)のグラベルロード、「キングジデコ」の実走レビューをお届けする。個性的なルックスに秘められた実用的なスペックと走りを確かめた。

チネリ「キングジデコ」 Photo: Shusaku MATSUO

独特なチェーンステーを採用

 元々、シクロクロスバイクとして2010年に誕生したキングジデコは、トレンドのグラベルロードとして生まれ変わって登場した。フルカーボン製のフレームは重量1000g(Mサイズ)と、ボリュームな見た目に反して抑えられている。一方、フロントフォークは550gと密度をうかがわせる重さとなっている。

BB下から伸びるチェーンステーは、剛性とペダリング効率を向上し、クリアランスも確保 Photo: Shusaku MATSUO

 最大の特徴はBB下から伸びるチェーンステーだ。剛性やペダリング効率が向上を狙ったもので、より太いタイヤを装着するためのクリアランス確保の意味合いも兼ねている。700Cで42C、27.5インチだと2.1インチまでの太さに対応している。

フロントフォークオフセットは47mmと52mmから選択できる Photo: Shusaku MATSUO
跳ね石などの衝撃からフレームを守るケプラー剤がダウンチューブ下に設けられている Photo: Shusaku MATSUO

 フロントフォークの先端はホイールの軸位置を調整可能な設計になっており、オフセット量を状況に合わせて変更できる。キビキビとしたハンドリングを求めるなら47mmに、安定志向を目指すのであれば52mmに設定できる。

実走フィーリングを解説

 まずはとてもスパルタンな印象を持った。このバイク、Sサイズ(トップ530mm)で100mm、Mサイズ(トップ550mm)で130mmとグラベルロードにしてはヘッドチューブが短い。一般的にはグラベルバイクはアップライトなポジションを取れるよう、ヘッドチューブが長く設計され、コントロール性を考慮したものが多い。一方のキングジデコは攻めの走りを求め、純ロードバイクのようなポジションとなった。

スパルタンかつ、高い安定感が持ち味のグラベルロードだ Photo: Shusaku MATSUO

 しかし、安定性を蔑ろには全くしていない。フォークのオフセット量は52mmで試したのだが、太い芯が通っているかの如く車体全体が引き締まり、車体を振ってもすぐにセンターへ戻ろうとするし、路面からの突き上げに対しても強い。前のめりのポジションと絶妙なバランスが取れている。一段下がったチェーンステーが効いているのか、未舗装路でも軽やかかつ粘りのあるペダリングが可能だった。

 今回試した仕様で実測8.95kg(ペダル込み)だった。もしケージやフェンダーなどを搭載したら10kgを超える車重になるかもしれない。だが、重さを感じさせない安定感と変わらない走行性能を体感できるだろう。イタリアンバイクらしく、走りの楽しさを前面に押し出したポップでスパルタンなグラベルロードだった。

■チネリ「キングジデコ」

税抜価格:200,000円(フレームセット)
サイズ:S (48)、M (51) 、L (53) 、XL (55)
重量:1000g(Mサイズフレーム)、550g(フォーク)

松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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